仕事を探す関係で何通も履歴書を書いている。
返事があれば良い方で、ほとんど返事すらない。
ただただ写真と履歴書が無駄になっていくだけである。
履歴書を書いていて痛感したのが、他人に言える趣味や特技が一切ないことだ。
ネットが趣味といえば趣味だが、なんとなくイメージが悪い。
そのため、履歴書に書くのは気が引けてしまう。
たしかにネットが趣味と言っても内実は単なるズリネタ探しだし、現在はそれすらしていない。
本来は旅行や英会話といった趣味らしい趣味をかくのが筋なのだろう。
しかし、高校3年の修学旅行以来、旅行も行ったことがない。
ここ20年東京から出たことすらないのだ。
また、英会話なぞ、外人と会話したこともないのに書けるわけがない。
こうして考えると、自分は人生のほとんどを受験勉強に費やしてきたことになる。
高校卒業してから受験勉強以外何もしていない。
昔、野村克也が「生涯一捕手」と言っていたが、自分は差し詰め「生涯一受験生」だろう。
26年という記録的な現役期間を過ごしたその野村でさえ、45歳で引退しているのに、自分は26年間好きでもない受験勉強に費やした結果、いまだ就職活動中である。
そして野村は26年間の実績を買われ、監督を歴任するが、自分は何一つ今に生きていない。
就職するのすらままならないのである。
野村と比較するのはおこがましいが、人生とは何と皮肉なのだろうと思ってしまう。