　中国は、台湾を中国の｢核心的利益｣と言っています。中国の言う核心的利益とは、要は、「利益を守るためなら、武力行使も辞さない」という意味でもあります。日本の領土である尖閣諸島も、中国の核心的利益と言っています。

　中国軍の方針や専門家の分析によれば、2020年ごろに台湾を併合し、日本列島、台湾、フィリピンを結ぶ「第一列島線」の西側の東シナ海、南シナ海には米軍が干渉できないようにしようと企図しているとも言われています(下図)。

　実際にいま、南シナ海では、中国によって不法に造られた人工島によって、南シナ海諸国の平和が脅かされています。

　沖縄(与那国島)と台湾の距離は、たったの110kmしかありません。もし台湾が中国に併合され、台湾に基地をつくられ、そこから戦闘機を飛ばされた場合、日本の沖縄防衛はたちまち困難になり、日本の船が通る海上交通路(シーレーン)も脅かされます。
　　
　日本の原油輸入元の大部分は、サウジアラビア、UAE、カタールなどの中東です。シーレーンが脅かされた場合、原油が日本に輸入できなくなるという最悪の事態も予想されます。

　原発の再稼働が進まないなか、原油も輸入できずに火力発電もままならなかったら、日本はあっという間につぶれてしまいます。まさに、台湾は、日本にとっての生命線といっても過言でないと思います。

　【参考】ザ・リバティ 2016年4月号（幸福の科学出版）