一説によると現在6000を超える人数が存在するというVTuber(バーチャル・ユーチューパー)。そうした存在の中でも一風変わった活動を展開しているVRアイドル「えのぐ」が、バーチャル握手会を行なうとの情報を入手した。「握手会なのにバーチャルとはいったい……?」という疑問を抱きつつも、アイドルと逢えるということでひとっ走り行ってみた!
本題に入る前に、ちょっと「えのぐ」について説明。活動を開始したのは、VTuber花盛りな今を遡ること2年前の2017年8月。“3日でツイッターフォロワーが1万人を達成したらデビュー”という企画を打ち出しをしたものの、あえなく惨敗。
その後もすったもんだがありつつ、2018年2月には、メンバーを2人から5人に増やしてメジャーデビューを達成。動画サイトへの投稿や生配信、ライブ活動で地道な活動で人気をじわじわと獲得し、今年リリースした1stシングル「ハートのペンキ」は、オリコンデイリーチャートで17位を獲得するなど、ブレイク寸前な気配がいっぱいな存在だ。
そんな彼女たちの握手会は12月23日にTOC有明で行なわれた。会場に到着して周囲を見回してみると、そこは紛れもなくアイドル握手会の“現場”。「えのぐみ」」と呼ばれるファンたちが推しメンと握手をするために行列を作り、ファントークを楽しみながらご対面を待っているのだ。
リアル握手会との唯一にして最大の違いは、アイドルが“その場にはいない”こと。バーチャルだから当然ちゃ当然なのだが、参加者は主催者が用意したVRヘッドセットを装着することで、晴れてアイドルとご対面となる。
筆者もファンたちに混じって握手会を体験してみたところ、メンバーたちは会話がスタートする前から手を降ってくれたり、こちらの顔を覗き込んだりとかなりのサービスぶり。いざ会話となると、初対面なため「お名前教えてください!」みたいなひとことふたことで制限時間の30秒となってしまった。
いわゆる“剥がし”がなく強制的に画面が切り替わって現実の世界に引き戻されるのは、リアルアイドルよりも切ないかもしれない。
体験時間こそ短いけれど、こちらの様子は動画で遠隔地のアイドルへと送られているので、問いかけ対して即座にリアクションが返ってくる、つまりリアルタイムでの会話ができるというライブ感は、VTuberにはないもの。
来場していたファンの様子は、「この間のライブよかったよ!」「来週誕生日だからお祝いしてよ」といった感じで、実際のアイドル握手会と変わらぬコミュニケーションを取っていたのが興味深かった。
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今回は会場まで足を運んでの握手会となったが、将来的には自宅にいながらにして自宅のオンラインVR環境を使っての遠隔バーチャル握手会も実現したい(関係者談)というから、アイドル好き、VR好きの人は気にかけてみてはいかがだろうか。
余談だが、握手会を終えたファンたちが、そこでの感動体験をイラストにしてツイートするという、ハイテクとローテクが入り混じった感じがまた、面白かったのです。