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ソニー、5型フルHD「Xperia Z1」を日本含め秋以降に発売

2,070万画素カメラ搭載。WALKMANアプリ強化も

Xperia Z1のPurple

 ソニーモバイルコミュニケーションズは4日、Androidスマートフォンの新機種「Xperia Z1」を発表した。ドイツ・ベルリンで現地時間の9月6日より行なわれる「IFA 2013」の、ソニーの開幕前プレスカンファレンスにおいて明らかにしたもので、日本を含むグローバル市場で今秋以降に展開予定としている。カラーはBlack/White/Purpleの3色を用意する。

 Xperia Z1は、5型/1,920×1,080ドット液晶と2,070万画素カメラを備えた、Android 4.2.2スマートフォン。「ソニーの総力を結集し、各事業の最先端技術を搭載した」というモデルで、液晶には「トリルミナスディスプレイ for mobile」を初搭載。カメラはF2.0/広角27mm相当の「Gレンズ」や、1/2.3型の裏面照射「Exmor RS for mobile」、信号処理エンジンのBIONZ for mobileを搭載する。Walkmanなど、アプリの機能も強化されている。

White
左から、Black、White、Purple
背面
カメラのレンズ部には、「G」のロゴとCMOSセンサー/レンズのスペックも記載されている
カメラレンズの構成

 特に強化されたカメラ機能については、大きく3つの特徴を持つ。1つ目は「全画素超解像3倍ズーム」により、劣化の少ないデジタルズーム撮影を可能にした点。約2,000万画素のCMOSセンサーから800万画素分を切り出して劣化の無い1.5倍ズーム画像を可能にし、これに2倍の全画素超解像処理を加えることで、解像感を保ったまま3倍まで拡大する。

 カメラの2つ目の特徴はブレの検出/除去機能。静止画は、「プレミアムおまかせオート」により被写体とカメラの動きを検出し、自動でシャッタースピードを速くすることでブレを抑制。さらに、ISO感度が上がっても独自のノイズ除去技術により、ノイズを低減する。動画撮影時は、電子式手ブレ補正を利用。センサーから、フルHDに補正分のマージンを加えたサイズのデータを出力。カメラの動きから切り出し位置とCMOS特有の歪み形状を検出して補正。各フレームに対して補正することで、安定した動画を記録できるとしている。

 3つ目の特徴は高感度。最高ISO 6400に対応し、高感度ノイズ低減技術により、暗い場所でもノイズを抑えて明るく撮影できるとしている。高感度撮影時は、例えばISO 6400の場合、約2,000万画素のCMOSセンサーの画像を画素加算技術によって200万画素相当とすることでノイズを低減。さらに、連写による重ね合わせ処理(最大6枚加算)によってノイズを減らした後、全画素超解像ズームで800万画素相当の画像として記録する。

 カメラアプリは、撮影中の動画をリアルタイムでFacebook上に共有できる「Social live」機能を搭載。生中継した動画は、アルバムアプリにも保存される。「タイムシフト連写」は、シャッターを押した瞬間とその前後30枚ずつ、計61枚の画像を画面上で確認できる機能。動いている被写体などでも、ベストなカットを採用できる。「Info-eye」は、撮影した写真から情報を検索できるもので、建物を撮影すると、その場所や周辺のおすすめ情報などを検索。ワインのボトルを撮影すると、生産地やワイナリーの場所、おすすめのフードメニューなどを表示できる。「ARエフェクト」は、撮影する画像にスタンプのようなエフェクトを加えて撮影できる機能。

Social live
タイムシフト連写
ARエフェクト

 ディスプレイの「トリルミナスディスプレイ for mobile」は、液晶テレビBRAVIAの広色域技術をスマートフォン向けに最適化したもの。中間色の微妙なニュアンスまで色彩豊かに描き出すという。また、超解像技術の「X-Reality for mobile」を搭載し、ネット動画などの低ビットレートの映像も、ノイズを抑えつつ高画質に表示できるとしている。

 WALKMANアプリも機能強化。新たにストリーミング音楽配信の「Music Unlimited」の音楽もWALKMANアプリ上で再生可能になり、同アプリの高音質化機能を、Music Unlimitedの楽曲にも適用可能になる。また、ムービーアプリからは、動画配信の「Video Unlimited」のコンテンツに直接アクセスできるようになった。そのほか、アルバムアプリケーションはPlayMemories Onlineとの連携を強化。「オールシンク」機能により、PC内の写真もアルバムアプリ内で閲覧可能になる。なお、今秋に行なわれる予定のPlayMemories Onlineの機能アップデートについては、別記事で紹介する。

 本体デザインは、Xperiaシリーズを踏襲した“オムニバランスデザイン”。Zとの違いは、フレームには新たに削り出しのアルミを採用したこと。フレームにアンテナ性能を持たせることにより、アンテナ受信性能を損なわず、本体に高級感を持たせている。背面にはガラスを採用する。電源キーにもアルミ素材を使用。

 クアッドコアCPUのMSM8974(2.2GHz)を搭載。メモリはRAM 2GB。ストレージメモリは16GB。本体はIPX5/8、IP5Xの防水防塵仕様となっており、イヤフォン端子はキャップ無しで防水性能を持たせている。近距離無線通信のNFCを搭載。MHLにも対応する。バッテリ容量は3,000mAh。外形寸法と重量は約144×74×8.5mm(縦×横×厚さ)、170gで、Xperia Z(139×71×7.9mm/146g)に比べやや大きく/重くなった。

 充電の接点にマグネットを搭載した卓上ホルダはコンパクト化。付属のアタッチメントを利用することで背面カバーを装着していても卓上ホルダを使用できる。

側面。中央にあるのが電源ボタン
充電スタンドとの接点にマグネットを備える
イヤフォン端子部

 別売アクセサリでは、腕時計型のXperia用アクセサリ「Smart Watch 2 SW2」と連携可能。SW2は全モデルのSmartWatchからの変更点として、NFCに対応したほか、防滴仕様となった。カメラのリモートシャッターとしても利用できる。

 また、Xperiaを載せると自動で回転/角度調整して写真撮影するスタンド「Smart Imaging Stand IPT-DS10M」も用意。被写体の顔を見つけ出し、構図とタイミングを判断して自動撮影するというもので、撮影されていることを意識せずに自然な写真を撮ることができるという。

既発表のアクセサリ「Smart Watch 2」と連携可能
別売スタンドの「Smart Imaging Stand IPT-DS10M」

【Xperia Z1とXperia Zの主なスペック比較】

 Xperia Z1Xperia Z
OSAndroid 4.2.2Android 4.1
CPUMSM8974 2.2GHz
クアッドコア
APQ8064 1.5GHz
クアッドコア
ディスプレイ5型
1,920×1,080ドット
トリルミナス
ディスプレイ
for mobile
5型
1,920×1,080ドット
Reality Display
防水/防塵IPX5/8、IP5XIPX5/7、IP5X
電池容量3,000mAh2,330mAh
NFC
カメラ
(メイン/サブ)
2,070万画素
220万画素
1,310万画素
220万画素
メモリRAM 2GB
ROM 16GB
RAM 2GB
ROM 16GB
映像出力MHLMHL
外形寸法
(縦×横×厚さ)
144×74×
8.5mm
139×71×7.9mm
重量170g146g

(中林暁)