私の友人はある会社に勤めていました。 若い頃、とても気の合う上司と同じ部署で働いていました。 上司は仕事を教えるのが上手で、熱心に、彼を手取り足取り教育しました。 部署の目標が達成した時には、よくお祝いに、仕事帰りに居酒屋に行き、ふたりでお酒を飲んで喜びました。 とても気心の知れたふたりはいつも本音で語り合う仲でした。 それから随分歳月が経ちました。 上司は順調に出世をし、当時、人事部の課長として本社で勤務していました。 一方、私の友人はある支店の副店長をしていました。 ところが不景気で会社の業績が悪くなり、会社は経費削減のためにリストラを 計画しなければなりませんでした。 一番効果があるのが人件費の削減です。 私の友人を含めた管理職が人員削減の対象となりました。 会社はリストを作成し、対象者を本社に集めました。 人事部長より今の会社の状況の説明があり、徹底的な合理化が必要だと言いました。