東京電力は福島第1原発3号機の水素爆発事故で、作業員が被ばくしたと発表した。深刻な被害も出てきているが、もし放射線が漏れた場合、その行方についてどのように確認すればいいのだろうか。
その手がかりとなるのが、各地に設置されたモニタリングポストの数値だ。モニタリングポストは、空気中の放射線を24時間監視するもので、原発関連団体などではWeb上にその数値をリアルタイムで公開している。各原発に異常がなければ、その放射線量が上がった場合、福島原発から放射線が飛んできたと推測できるだろう。東日本でリアルタイムに放射線量を公開しているWebサイトは以下の通りだ。
→東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター(宮城県仙台市)
→福島県原子力センター(福島県富岡町付近、ただし3月12日12時以降更新されていない)
→栃木県環境保全課(栃木県宇都宮市・那須町・日光市・真岡市・小山市)
→東京大学環境放射線対策プロジェクト(東京都文京区・目黒区、千葉県柏市)
リンク先で放射線量の単位となっているnGy/h(ナノグレイ/時間)は1時間当たり空気に吸収される放射線のエネルギー量のこと。日本原燃によると、一般的な環境条件では「1nGy/h=0.8nSv/h(ナノシーベルト/時間)」に当たるという。
原子力教育を考える会によると、平常値は50nSv/hで、全身の被ばく線量が10〜50mSv(=1000万〜5000万nSv)になると予測されると屋内退避の指示が出される。
3月12日午後に福島原子力発電所正門付近で測定された値は1015μSv/h(=101万5000nSv/h)。放射線医学研究所によると、原子力発電所に関して定められた一般人の1年間の線量限度は、1mSv(=100万nSv)となっている。同研究所では「(福島第1原発について)1015μSv/hが測定された3月12日に正門近くで1時間立ちつづけたとしても1mSvですから、健康影響を心配する必要はありません」としている。
またこちらはオフィシャルな観測データではないが、東京都日野市や東京都江東区、東京都大田区でも、個人で放射線量をリアルタイムで測定、公開している人がいるようだ。
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