本連載は、日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさん執筆の書籍『出社してから帰るまで ネイティブに伝わるビジネス英語700』『30秒英語プレゼン術 エレベーター・スピーチでビジネス英語のレベルが一気に上がる!』『打ち合わせから出張まで ネイティブに伝わるビジネス英語 ワンランクアップ編』(アスコム刊)から一部抜粋しています。
――あなたは残念な英語になっていませんか? ビジネス英語では、日常英会話よりもさらに、伝えたいことが正確に、はっきりと伝わることが大切です。
でないと、思わぬ誤解から、仕事が失敗に終わったり大きな損失を出してしまったり、相手を怒らせてしまう可能性があるのです!
しかし、実際のビジネスシーンでは「使ってはいけない表現」を使ったり、「誤解されやすい表現」を使ったり………。残念なビジネス英語が飛び交っています。そして、そのことに気付いていないのは話している本人だけだったりします。
書籍では、使ってはいけない表現と、ネイティブに「ちゃんと伝わる」表現を紹介しています。
日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさんによる連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」。第16回は会社内で進ちょく報告をする際によく使われる会話やフレーズを紹介していきます。
→連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」バックナンバーはこちら
まずは、意味は似ていますがネイティブには伝わりにくい表現から。
ついreport to ……を使いたくなりますが、動詞のreportには「報告する」以外に「管理下に入る/直属になる」の意味があり、Please report to me.であれば「私の部下になりなさい」ということになります。「報告する」であれば、名詞のreportを使いgive a reportにしましょう。
okayは「ベスト」ではなく「まあまあ」として使うことが多い形容詞です。It's okay.と言えば、聞いた人は「まあまあ、許容範囲だったということかな?」と思ってしまいます。代わりに、It goes well.を使えば、まさに「うまくいっている」状況を表現できます。
ここからは、いくつか例文を紹介します。
「進ちょく状況報告」にもdaily, weekly, monthlyなどがあります。報告するおおよその日時とともに、種類も前もって伝えましょう。
We've made a lot of progress.では非常にあいまい。「60%終了している」のように客観的な数字を用いた報告を。
Can we have a bigger budget? では子どもっぽい表現。また、予算を付けてもらうためには明確な理由が必要です。
We have a shortage of workers.「人手が足りません」では説明不足。「あと3人ほど必要です。もし無理なら、納期を5日延ばす必要があります」というように状況を説明し、もし無理であれば〜というオプションを付けるといいでしょう。
You'll have to understand it.とすると、「だから(不本意でも)我慢しなければならない」と聞こえる可能性があります。「金曜日の会議で決まったことを報告しておきます」と言えばOK。
It's good news.と一言付け加えると、満足してうれしい気持ちを表現できます。満足できない数字であれば、…… and it's not very good news.のように言います。
Everything's going well.でもOKですが、具体的に「プロジェクトはスケジュール通り進んでいる」のように言えば相手は安心するでしょう。
Could you check this? では何をチェックしてほしいのかがあいまいです。チェックしてほしい個所を具体的に示します。
This is wrong.では「全部が悪い」に聞こえます。It looks great, but ……で相手をねぎらって。
It's taking too much time.では嫌みっぽく聞こえます。「顧客がお待ちかねだね。あとどれくらいかかりそう?」と相手に状況説明を求めましょう。
次回は、トラブル対応時によく使われるフレーズを紹介します。
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