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感染症診療の原則

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「予防接種しないと何か問題か?」という親の質問

2010-07-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
(新潟症例情報のところ一部修正)
予防接種を子どもにしたくないという親から「しないと人生上なにか不都合があるのでしょうか?」と聞かれました。

集団免疫の話などはまた別の機会に。ここではご本人のリスクを考えてみたいと思います。

「医学部とか看護学部とか教育学部の進学はあきらめますかねえ・・・」(実習できない→免許はとれない)
「アメリカやオーストラリアなどメジャーなところの留学とか駐在も難しい、問題がおきると大ごとですかねえ・・・」
「妊娠・育児のとき怖いでしょうねえ・・・」

といったらそんなことは考えたこともなかった、といわれました。
(まあ、その頃には本人が自分の意思で接種できますが。それまでが怖い)

医療関係者としては「怖い」が先にきます。
怖さの実感が一般の人と医療者でずいぶんことなります。

医療機関には当然のことながら重症になった人がきます。

このため、医療者は子どものときに予防接種で防ぐ感染症は、その後大きくなって思春期や成人でなるととても重症になることを知っていますが、世の中の人は「子どもの病気だからたいしたことない、大人は体力もあるからダイジョウブだ」くらいにしか思っていません。

後遺症が残るほど重篤になった症例
13歳女性の重篤な麻疹(東京都)

子どもの受診に関連して感染し母親が小さい子どもを残して急性脳炎で死亡した例(新潟県)や、高校生や大学生が意識不明や下半身麻痺になったりしています。

妊婦になると生ワクチン接種ができませんので、妊娠する希望のある女性は必須のワクチンは接種してから妊娠しないとあぶないです。
妊婦が麻疹ウイルスに感染して胎児が死亡した事例(神奈川県)

「麻疹パーティー」といって、感染して発症したこどもと一緒に遊ばせて“強い自然な免疫をつけたい”という親は、麻疹がなおったあと、5-10年経過する中で発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)のリスクを知らないのかもしれません。

なっちゃったほうがいい、と考える人たちにはそのひとたちなりの理屈がある。

ホメオパシー的パーティー「ちゃ~んとかかった方が体のためにものすごくいい」

「麻疹パーティーという話があったかと思うんですが、昔、私の子どもも水疱瘡とおたふく風邪をお友達からもらおうと思ってそのお宅に行って2時間ほど遊んで、ストローでジュースの回し飲みをしたんですが、それでも、もらえなかったので(笑)、どのような状態で行くのがよいのか、疲れさせてから行くとか(笑)、今でも疑問なので、その辺を教えていただけたらと思います。」
http://nihon-homeopathy.net/archives/yobousessyu_2.htm#q1

このようなことは危険だとの啓発記事。
Public Health Risk Seen as Parents Reject Vaccines

他の人にうつすような計画、本人の同意なく病気にさせるような行為はやめましょう。生命リスク、合併症や障害を抱えなくてはならないのはその人自身です。
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