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2015.09.14
日本初上陸! オーストリアの王家御用達のパン屋がオープン
2015年9月5日、オーストリアの老舗ベーカリーが、東京・神田川のほとりに建つ赤レンガの建物に海外初出店をしました。王家御用達店が誇るパンや焼き菓子が、日本でも味わえるようになったのです。
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古い駅舎を再利用したレトロな商業施設
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JR御茶ノ水駅または秋葉原駅から徒歩5分。「マーチ エキュート 神田万世橋」は、かつてこの場所にあった万世橋駅を利用した、アーチの美しいレンガ造りの建物です。食材や雑貨などを扱うハイセンスな店が多く入っていて、ショッピングや食事、お茶などをして過ごすのが楽しい場所。なかでも今回オープンした「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」は、オーストリアで長く人々に愛されてきた有名ベーカリー。本店はどんなお店なのでしょうか。
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本店があるのはオーストリアの古都グラーツ
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歴史的な街並みが世界遺産に登録されている、オーストリア第二の町・グラーツ。「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」は、この町で1569年に創業し、グラーツ最古のベーカリーといわれています。重厚な建物の正面に掲げられた「双頭の鷲」は、王家御用達の証です。
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ロベルト・エーデッガー氏
現店主のロベルト・エーデッガー氏は、かねてから海外進出を熱望していたそうです。海外初出店の地として選んだのが、東京の神田でした。2012年に来日した際、東京の赤坂にあるドイツパン、ウィーン菓子専門店「Neues(ノイエス)」のオーナーシェフ、野澤孝彦氏に出会ったことがきっかけです。 日本店ではエーデッガー氏から受け継いだレシピを野澤氏が再現し、かつ野澤氏が得意なウィーン菓子も提供するという、日本とオーストリアのコラボレーションが実現しました。
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丹精込めて作られた味わい深いパンが勢ぞろい
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日本店も、グラーツ本店と同様のクラシカルな雰囲気が漂っています。 こぢんまりとした店内へ入ると、おいしそうなパンや焼き菓子、ケーキが並び、思わず顔がほころびます。
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ぷっくりした形がかわいいハンドカイザー
数あるパンのうちの看板商品が、「ハンドカイザー」(200円)と呼ばれる丸っこいパン。一般的にはカイザーゼンメルと呼ばれ、オーストリアではごくポピュラーなパンです。専用スタンプで型押しする店も多いなか、このお店では熟練の職人が、ひとつひとつ手で形成しています。 ハンドカイザーの生地はしっとりとやわらかく、ちょっと重め。味わい深く、飽きのこない味で日本人の口にも合います。ケシの実や岩塩、ごま(各220円)のバリエーションも楽しいです。 ハンドカイザーのほかにも、クロワッサンの原型ともいわれる三日月形の「キプフェル」(250円)や、岩塩とキャラウェイシードをまぶした「ザルツシュタンゲル」(250円)など、パンはそのほとんどが、代々受け継がれてきたレシピを守って作られています。
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三日月形のキプフェル
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上品な味わいのシシーブッセル
このほか、皇后エリーザベトの愛称「シシー」を冠した、シシーブッセル(6個入り1800円)も、ぜひ味わいたい焼き菓子のひとつ。 大のスイーツ好きだったシシーは、各地のカフェハウスを訪れては店の名物菓子を楽しんでいました。そこで菓子職人たちは、こぞって彼女が喜びそうなお菓子を考案したといいます。 ヘーゼルナッツを使ったサクサクの生地にアプリコットを挟んだシシーブッセルも、彼女のために考えられたお菓子。これがあれば、ティータイムがぐっと優雅なものになることでしょう。
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日本店のみのオリジナルメニューも豊富
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日本限定スイーツのエーデッガートルテ
オーストリアの本店にはないオリジナルの商品にも、おいしそうなパンやスイーツがいろいろあります。近年オーストリアで流行しているという「オープンサンド」(350~450円)は、上質なパンと新鮮な具のハーモニーが楽しめる一品。また、「エーデッガートルテ」(540円)は、砕いたカボチャの種を混ぜたコクのあるクリームが特徴です。このほか、ハンドカイザーにハムやチーズを挟んだサンドイッチと、コーヒーのモーニングセット(500円)は、手軽で朝食にぴったりです。 王家にも、人々にも長く愛されてきた「ホーフベッカライ エーデッガー・タックス」のパン。オーストリア伝統の味わいを、暮らしの一部に取り入れてみてはいかがでしょう。
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ホーフベッカライ エーデッガー・タックス
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菅沼佐和子
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