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【澤田裕のさいくるくるりん】全会一致で自転車活用推進法が成立。その具体化はこれから

オピニオン コラム
法案の成立に尽力した、自転車活用推進議員連盟の国会議員
  • 法案の成立に尽力した、自転車活用推進議員連盟の国会議員
  • 会期末と重なり議員の参加は限られたものの、関係各省庁の担当者が一堂に会した
  • 事務局長として議連を支えた岩城光英前議員も元気な姿を見せた
12月16日、参議院議員会館で催された自転車活用推進法成立報告会に顔を出し、法案の成立に尽力した自転車活用推進議員連盟の国会議員らの話を聞きました。

ちなみに、前回のコラム「自転車活用推進法案が衆議院本会議で可決…その意味と影響は?」では、自転車活用推進法案を取り上げています。

残念ながら当日は、議連会長の谷垣禎一議員は療養中のため欠席。自転車活用プロジェクトチームで座長を務めていた小泉昭男元議員もインフルエンザにより急きょ欠席となりました。それでも、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定関連法案やカジノ解禁法案では厳しく対立した各会派が勢ぞろいし、全会一致を印象づける場となりました。

会期末と重なり議員の参加は限られたものの、関係各省庁の担当者が一堂に会した

当日は成立を受けての報告会ということで、それぞれの発言に目新しいものがなかったとはいえ、国土交通省を筆頭に関係各省庁の意志表明もなされたこともあり、自転車活用推進法の第3条に記された「国は、前条に定める基本理念にのっとり、自転車の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する」について、それぞれの省庁が具体化を図ることが改めて確認されました。

ところで、法の第4条には「地方公共団体は、基本理念にのっとり、自転車の活用の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあり、都道府県や市町村(特別区を含む)が施策を策定し、実施する責務を有しているとしているのに対し、都道府県や市町村の自転車活用推進計画について定めた第10条や第11条では、「都道府県(第11条では市町村)は、自転車活用推進計画を勘案して、当該都道府県(第11条では市町村)の区域の実情に応じた自転車の活用の推進に関する施策を定めた計画を定めるよう努めなければならない」と、施策を定める計画そのものについては努力規定にとどまっていることがわかります。

(1)計画の立案→(2)施策の策定→(3)実施という流れにあって、(2)と(3)で責任を課しているのに、入り口となる(1)を努力規定にとどめていては、結局のところ(2)と(3)もうやむやになってしまわないかと危惧されます。

そこでこの点について、前回のコラムでも話をうかがった自転車活用推進研究会理事長の小林成基さんに確認したところ、「地方自治法の関係で、国の法律に自治体の義務を書きにくいからです。ただ、『計画を作った限りはやらなくちゃだめよ』とは書けるのでこうなりました。自治体の政策を国の法律で決めるのは、地方主権に抵触するという論です」との回答。

なるほど…努力規定とはいえ、少なくとも主要都市においては計画を立てざるをえないということで、立てた以上は施策の策定と実施が責務になるわけです。

法の第6条には、「国民は、基本理念についての理解を深め、国又は地方公共団体が実施する自転車の活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする」とあります。つまり、我々にも自転車の活用推進に協力することが求められているわけです。

一例を挙げれば、僕が住んでいる埼玉県草加市でも「自転車の安全な利用に関する条例」を定めることになっていて、今まさに意見を募集しているところです。ひとりの市民、そしてサイクリストとして意見を表明しようと思っています。
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