http://www.perfume-web.jp/1234567891011/
※公演について事前にいかなる情報も知りたくない人は読まないで下さい。
11月3日のPerfume東京ドーム公演に先駆け先行販売されていた、ドーム公演のパンフレットが今日届いた。これまでのパンフレットと異なり、写真だけでなく資料的側面が強い、面白い作りとなっている。
パンフレットの最後の方のページには、参加スタッフの名前が記載されている。ステージ/振付監督にMIKIKO先生、照明は松井幸子、CGに関和亮やLAPTHODといったいつもの面子に、レーザー、LEDのクルー達。一見代わり映えのしない、と言ってはなんだが、これまでずっとPerfumeのライブを支えてきたチームで行くのかと思いきや、下の方には、見慣れない「Intaractive Crew」という項目がある。
そう、インタラクティヴ! 遂にPerfumeはインタラクティヴアートにも触手を伸ばしてきた!この時を待っていた。ダンスをライブパフォーマンスの要とする彼女達にこそ、この進化が必要だったのだ。
「Intaractive Crew」として招聘されているメンバーを見てみると、
- Daito Manabe (Rhizomatiks, 4nchor5 La6)
- Alex Beim (Tangible interaction)
の二人と、後はRhizomatiksと4nchor5 La6のメンバーだ。そして、「Visual Programming」には、
- Zachary Lieberman (yesyesno)
- Daito Manabe (Rhizomatiks, 4nchor5 La6)
の名前が並ぶ。その手のメディアアートが好きな人ならぶっ飛ぶ名前だろう。
真鍋大度
真鍋大度*1、最近では、やくしまるえつこ「ヴィーナスとジーザス」のWebサイトとPVを作った、メディア・アーティストであり、アートディレクター、プログラマー、サウンドデザイナーでもある。今回の公演の「Visual Programming」に名前を連ねるインタラクティブデザインのプロダクション「Rhizomatiks」*2 の取締役で、研究・制作スペース「表参道アンカーズラボ(4nchor5 La6)」*3 の中心メンバーだ。
dumb typeとのコラボレーションアート「true/本当のこと」では、ダンサーの腕の筋肉が発する微弱電気信号を筋電センサーで拾い、音と光に変換するアートを展開。逆に、サウンドを電気信号に変換し表情をコントロールする「Electric Stimulus to Face」も話題になった。
そこでのPerfumeライブへの起用だ。Perfumeの三人に筋電センサーを取り付け、彼女達のダンスをトリガーとした映像や音声コントロールを仕掛けてくる可能性は高い。
筋電センサーデモ 2004
true / 本当のこと
Electric Stimulus to Face
ちなみに、真鍋大度と関和亮は過去に対談経験があり、*4 また、「true/本当のこと」を機に、MIKIKO先生とも交流があるようだ。*5 その縁での起用なのだろう。
Zachary Lieberman
アメリカで活動するZachary Lieberman*6は、メディア・アーティストであり、インタラクションデザインやメディアアートのソフトウェア開発環境である、C++ベースのオープンソースのフレームワーク「openFrameworks」*7 の開発者だ。「YesYesNo」*8 名義のインタラクティヴアートチームに所属しているが、その代表作の一つが、世界最大のメディアアートの祭典Ars Electronicaのオープニングで披露された「Lights On」。1085個のLEDが、音楽と観客の声に反応し、リアルタイムに色を変える。ちなみに、この「Lights On」の音楽は、真鍋大度が手掛けている。
「Lights On」Ars Electronica 2009
これは2004年の「Manual Input Sessions」。プロジェクターに手をかざすと、それを入力として動作する凄い装置。
Alex Beim
バンクーバーのインタラクションデザインチーム「Tangible interaction」*9 所属のAlex Beim*10 は、LEDを多用するメディア・アーティストだ。代表作はやはりバンクーバーオリンピック閉会式の「Zygote Interactive Ball」。触れることで自在に色を変えるLEDボール。
実に楽しみだ。最高に興奮する。Perfumeの3人が米粒以下にしか見えないなんてもうどうでもいい。
1993年、再生YMOは原田大三郎と組んで、東京ドームを巨大なCGアート空間に仕立てた。そして今年、Perfumeは東京ドームを巨大なインタラクティヴ・メディアアート空間に変えてくれることだろう。