夢あふれるタイトルに魅せられて、購入しました。
読み終わってみると、この本のタイトル『夢のサーフシティー』は、
村上春樹さんからヤクルトの土橋勝征選手へプレゼントされた「コードネーム」(42頁)でした。
「夢の」というタイトルから予想した内容と全然違っていました。やれやれ。
土橋選手は、
「今年(読者注:1997年? ヤクルト優勝、日本一の年?)の
もっとも野球選手らしくない顔をした野球選手」大賞に選ばれたのです。おめでとうございます。
勝手に選んだ村上さんからは、賞品のかわりに「コードネーム」がプレゼントされました。
「コードネーム」? わけわかんない。あだ名みたいなものですか?
土橋選手自身は、うれしいのかな?
面食らう? そんな人を食ったような賞と「コードネーム」をもらっちゃって、
土橋選手はいったいどんな顔をしたのかな?
「『サーフシティーではね、どんな男の子にも、女の子がふたりついちゃうんだよ』とジャンとディーンも楽しげに歌っています(1963)。いいですねえ」(42頁)
ぜんぜん良くないと思いますけど。
ぼったくりバーではね、どんな男の子にも、女の子がふたりついちゃうんでは?
皮肉たっぷりの村上さんの「コードネーム」は、いたずら好きの村上さんの十八番。
20年間、ヤクルト一筋の土橋選手も、ヤクルト一筋のフアン村上春樹さんも、
読者は、どっちも大好きです。
41頁に、ヘタウマの水丸画伯が描いた、土橋選手の「似顔絵」があります。
「似顔絵」ですから、似てないと困ります。眼鏡をかけたサラリーマン風のお顔です。
どこが「夢のサーフシティー」なのか全く分かりませんけど。
水丸画伯は、土橋選手の「野球選手らしくない顔」って、どんな顔に描いたらいいのか、
さぞかし困ったことでしょうね。
だって、画伯の描く村上さんの顔なんか、いつものありきたりの坊ちゃん顔ですもんね。
ぜんぜん「小説家」らしくない。夏目漱石の「坊ちゃん」顔かもしれませんが……。
逆に、いかにも業界人<らしい顔>をギャグにしたお笑い芸人が結構いて、やです。
野球選手らしい顔をしているのは、いったい誰か?
飲み会では話題にしないほうが身のためかも。「らしい顔ってナンダヨ!」とからまれそうです。
なお、この本の絵を描いた水丸画伯は、絵もうまいけど、頭もいい画家です。
後ろ姿だけでは犬だか猫だか分からない絵になってしまったときには、
「ニャーオ」(9頁)と文字を添えただけで、澄ましています。
もしも「わんわん」と鳴く猫がいたら、画伯はどうするのでしょうか?
村上さんは猫好きと思っていましたが、犬も結構好きそうですね。
表紙カバーの画のサーフボードの上にも犬が乗っています。
「街の犬ウィロウ『わんわん。僕もいちどやりたいな』」(14頁) 「街の犬」って、野良犬?
「水丸さんと不肖イガラシと犬のウィロウも、遠路はるばる新幹線に乗って応援にはせ参じました」(44頁)
ういろうが大好物らしい〈ウィロウ〉ってえ犬は、イガラシさんの飼い犬ですか?
「コンピュータ・ピンボールゲーム」をやりたがる「街の犬ウィロウ」。
水丸画伯にぜひ描いてもらってほしかったです。
〈ウィロウ〉てえ犬は、村上さんのいぬまに、物書きのマネまで仕切っちゃっています。
「☆こんにちは。犬のウィロウです」(46頁)
「ぼくがやります。わんわん」
「これ、ウィロウの今月のイチオシであります。所詮、犬ですが」
「とぼくは思います。わんわん」(46頁)
犬(たぶんウィロウ?)にしゃがんで餌をやる村上さんの絵(付録のCD-ROM上)
〈ウィロウ〉は、りっぱなお犬様。村上さんの「ここ掘れわんわん」になるかも……。
チャオ。
《備考》
〈付録の CD-ROM について〉
本の「オビ」の言葉に釣られました。
「あの『村上朝日堂の逆襲』10冊分を収録」
ああ、それなのに、残念。
「日本語ウィンドウズ95が正常に動くパソコン」(裏表紙)ではなかった。
読者のウィンドウズ10のノートパソコンでは見られませんでした。
CD-ROMではなくて、『少年カフカ』みたいな「紙の本」にしてほしかったです。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
村上朝日堂夢のサーフシティー CD-ROM版 単行本 – 1998/6/1
村上 春樹
(著)
付属資料:CD-ROM(1枚)
- 本の長さ61ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日1998/6/1
- ISBN-10402257254X
- ISBN-13978-4022572547
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
〈CD-ROM付き〉全裸家事主婦、マラソン、恋愛、音楽、映画から「アンダーグラウンド」まで、読者と作家の間で交わされた膨大な電子メールをCD-ROMに収めた。初公開のムラカミの素顔が見られる!
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (1998/6/1)
- 発売日 : 1998/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 61ページ
- ISBN-10 : 402257254X
- ISBN-13 : 978-4022572547
- Amazon 売れ筋ランキング: - 211,275位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,118位近現代日本のエッセー・随筆
- - 23,681位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
著者の本をもっと見つけたり、似たような著者を調べたり、おすすめの本を読んだりできます。
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
9グローバルレーティング
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星5つ62%19%19%0%0%62%
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星4つ62%19%19%0%0%19%
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星3つ62%19%19%0%0%19%
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星2つ62%19%19%0%0%0%
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星1つ62%19%19%0%0%0%
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
- 2019年8月28日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2016年6月3日に日本でレビュー済み全くの僥倖ですが、この本に私と村上春樹氏のメールのやり取りが載ってます。
macとnewtonの話は私と村上春樹氏のメールのやり取りがそのまま載っているのです。
もしも村上春樹氏がノーベル文学賞を取ったら、私はノーベル文学賞受賞者の出版物に載った人になれるのです。
- 2021年9月11日に日本でレビュー済みAmazonで購入イラストと文章は、とても面白かったけれどパソコン要だったのですね!?CD-ROM(添付)が見れないよう。そのため普通評価です。(自分のせいですけど)
- 2013年12月14日に日本でレビュー済み今の私の環境では、CD-ROMを読めませんでした。
本の方は、ダイジェスト版なので、一部、理解しきれない部分がありました。