邦訳タイトルが誤解を生む恐れがありますが、
本書はべき乗則を様々な事象によってイメージし易くした本です。
複雑系理論ではとにかくべき乗則が出てきますが、
なぜべき乗則なのかという点についてはあまり触れていない本が少なくありません。
本書はとにかくべき乗則を読者に理解してもらうことに専念しています。
また、自然科学を専門にしていない人でもべき乗則が理解できるようになっています。
2008/3/10読了
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歴史の方程式: 科学は大事件を予知できるか 単行本 – 2003/11/1
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- 本の長さ316ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2003/11/1
- ISBN-104152085282
- ISBN-13978-4152085283
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
地震、山火事などの自然現象も、景気循環、都市の発達などの人間の意志が介在する事象も、自然界に遍在する「冪乗則」という、同じ法則に従って起こっている! 物理科学で人間社会の出来事までも読み解く知的探求の書。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2003/11/1)
- 発売日 : 2003/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 316ページ
- ISBN-10 : 4152085282
- ISBN-13 : 978-4152085283
- Amazon 売れ筋ランキング: - 408,070位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,494位科学読み物 (本)
- - 83,551位ノンフィクション (本)
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カスタマーレビュー
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27グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2010年5月4日に日本でレビュー済みAmazonで購入この本の要点。
大地震を起こしていない期間が長いほど次の地震はすぐに起こると思われがちだが、実際の統計を見ると、地震の起きなかった期間が長いほど、近い将来にそこで地震が発生する可能性は低くなることが分かっている。
べき乗則は地震の発生回数と規模にも当てはまる。地震Aが地震Bの2倍のエネルギーだとすると、地震Aの発生する回数は地震Bの4分の1であるということ。実際、1987年から1996年の間にカリフォルニア南部で発生した地震はこの法則に当てはまる。
1997年、ベルリンにあるハーバー研究所のダミアン・ザネットとスザンナ・マンルビアは、アメリカの2400の大都市のデータから人口約10万、20万、30万・・・ の都市の数を調べた。その結果、例えば人口400万人の都市の半分である200万の都市は4つあることが分かった。さらに200万の都市の半分の100万の都市はさらに4倍あり・・・ と人口分布でもべき乗則が当てはまることを発見した。さらに、世界中の2700の都市やスイスの1300の自治体について調べたところ、同じようにべき乗則が当てはまることも判明した。
このべき乗則は個人資産にも当てはまり、アメリカで10億ドルの純資産を持っている人数の4倍の人が5億ドルの資産を持っていて、さらにその4倍の人が2.5億ドルの資産を持っている。この傾向はイギリスでも日本でもほぼ全ての国で成り立つ。
1998年、ボストン大学の物理学者のシドニー・レドナーは、1981年に発表された783339の科学論文の引用関数に関し調査した。その結果、368110の論文は一回も引用されておらず、また引用された回数が100回を超える論文の数には、べき乗則が当てはまることを発見した。実際、引用された回数が2倍になると、その論文の数は約8分の1になることが判明した。
1920年代にイギリスの物理学者ルイス・リチャードソンは、1820年から1929年までに勃発した82の戦争の死者数について調べた。死者数5000から1万までの戦争回数、1万から15000の回数・・・ と数えたところ、べき乗則が当てはまることを発見した。死者数が2倍になるたびに戦争の頻度が4分の1になっていたのである。
同様に、1980年代に、ケンタッキー大学のジャック・レビーは、1495年のベネチア同盟の戦争から1975年のベトナム戦争までを調査し、死者数を当時の世界人口で割った値で求めた。その結果でもべき乗則は当てはまった。ただし、リチャードソンの数値とは異なり、死者数が2倍になるごとに戦争の頻度は約2.62分の1になった。
科学史家のトーマス・クーンはハーバード大学で、コペルニクス論や相対論や量子論のような劇的な科学的出来事に関しての歴史的研究を完成させた。それによると、どの場合でも、科学者はたとえ法廷でその理論が客観的、論理的に間違っていると判断されても、自分の理論を捨て去ろうとしなかった。科学者はどんな時も互いに共有する学説に感情的に与し、自分達の主張が目に見えて不調和になって耐えられないほど大きくなるまで、自分達の学説を捨てないことが分かった。
- 2005年3月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入この世の中の事象には、砂山の崩れ方と似たようなモノに溢れているんだなぁ、と再認識させられる本です。(その一例が地震です、それを大胆にも歴史学にも展開しようという試みです) 要するに、砂山の崩れ方は【砂山が出来るまでの歴史】を引きずった【砂山の構造自身】に由来するのであって、砂山を崩すキッカケを与えた砂粒の個性によるものではない、ということです。そして一旦崩れ始めたら、どこまで崩れるか(崩れ方の規模)は「砂山自身にも分からない」というわけです。しかしながら、砂山の崩れる規模と頻度は「べき乗則」を満たす、というわけです。(個々の崩れ方は論じられないが、崩れ方の集合全体は、何かしら満たす法則がある。不思議ですねぇ~)
この話は、人間の感情の発露にも置き換えるとオモシロイかもしれません。例えば、人が笑いをこらえる状況に強いられているとして、ずっとこらえていると段々ツラクなり、フトしたキッカケで一旦笑い始めると、笑いが止まらない、そしてどこで笑いが止まるかは笑う本人さえ分からない(いわゆる「ツボにはまった笑い」)、、、というような感じでしょうか。(桂枝雀の名言「笑いは緊張の緩和である」を思い出して、こんな例えをしてみました)
このような「地震の学問」が「学問の地震」(Kuhnの科学革命の構造)にも応用が効くよ、という記述は非常に痛快でした。新実験/新理論によって知識が蓄積していくと、あたかも砂山のように、どこかで解釈に無理が生じるところが必ず生じてきて、その無理(緊張)を解消するために、科学の再構成が起きる、その再構成の規模は前もって予測のつくものではない、という記述には唸らされました。
こうして、世の中のありとあらゆる事象の見方が変わる本です。
- 2009年4月4日に日本でレビュー済みAmazonで購入同じ著者の『複雑な世界、単純な法則』が面白かったので、こちらも読了。「歴史科学」とか「歴史物理学」とかという奇怪なキーワードが出てくるが、ここで言う「歴史」とは、文明の変遷や戦争の勃発といった、通常用いられる意味の「歴史」ではなく、それらをも含んだ、より一般化された広い意味での「歴史」である。つまり、大小さまざまな「凍結した偶然」の積み重ねが次なる偶然がもたらす結果を大きく変えうるという、森羅万象に遍く見られる時間と文脈の相互作用のことである。
地震、結晶、進化、生態系、山火事の延焼などといった自然現象とそのシミュレーションから、いかに普遍的なパターンが見出せるかを概観した後で、経済現象や都市の発達、さらには我々が通常用いる意味での「歴史」やクーンのパラダイム論にまで、その試みを広げている。微視的には極めて単純な物理法則が働いているに過ぎないが、それが連鎖して「歴史」を帯びたとたんに、現象は人智に負えない魔物と化す。それはこれまで「物語」として語られるより他は無かった。「歴史科学」はようやくその影を描き始めたばかりだが、影を描くとこまでしかできないことも同時に明らかである。
改めて因果とは何かを考えさせられる。何事にも決定的な原因などはない。あらゆる出来事の背景には、知るべくもない程おびただしい数の必要条件がただただ横たわっているだけである。それら必要条件が足並みをそろえることで発現できたその十分条件もまた、無数のありえた可能性のうちの一つに過ぎないのだ。我々はそこに「意思」や「責任」や「運命」といった幻影を描かなければ生きていけない定めなのだろう。
ところで、この本で描かれる個人としての人間は、マクロなパターンを見せる社会現象を構成する要素であり、量子力学における粒子と同じく、個々人の運命や振る舞いまでは分からないことになっている。しかし、個人もまた、持って生まれた気質や遺伝子を土台として、出会いと経験の数だけ、志向と能力と価値観を淘汰されてきた「歴史」的産物である。著者は気づいていないかもしれないが、そうした個々人のライフヒストリーもまた、物語として語られるばかりでなく、何らかのマクロなパターンやミクロな物理法則をそこに描き出せるのではないだろうか。“Luck is what happens when preparation meets opportunity. (By Randy Pausch)”とは、本書で言う「臨界状態」に他ならない。
- 2010年7月2日に日本でレビュー済みAmazonで購入この本は、さまざまなゲームの中から普遍性を取り出していく
統計学的に歴史を読み解いていく本です。
文系の僕にもとても読みやすかったです。
ただ、僕には歴史についての記述が少し少なかった気がするのと
キーワードが多くて何が重要なのか、どう次につながるのか
分かりづらかったのが残念でしたね…
果たして人類は歴史の方程式を手に入れ、
歴史的大事件を予知できるのか!?
- 2006年3月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入カエルには動くものしか見えない、のと同じく、人間も感覚器官がとらえたもの全てを認知しているわけではなく、意味のあるターゲットに集中しているのではないかと思いますが、臨界状態はそのひとつではないでしょうか。関心にバイアスがかかっているのかもしれません。
複雑系関連の書籍で頻繁に出現する”臨界”という言葉の理解が本書で一段進みました。平衡状態とランダムの間の界面、というイメージでとらえていたため、特殊なレアケースのようなもののような気がしており、なぜそこにいろいろな話題が集中するのか、直感的には理解できていませんでした。冪乗則の事例としてでてくる、地震、砂山の雪崩、論文の引用、戦争の規模、といった現象等も新鮮です。最近では、インターネット等を題材にした類書が何冊かでていますが、科学の世界での冪乗則の発見と分析の歴史の重みに感じ入りました。
ただし、他の方が「タイトルの通俗性」を指摘されているのは同感です。原書の存在は早くから知っていましたが、訳書のタイトル、紹介文に魅力を感じなかったので少し間が空いてしまいました。
他の国からのトップレビュー
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Donald N. Philip2004年8月27日にカナダでレビュー済み
5つ星のうち5.0 Clever and Useful
Amazonで購入This is Mark Buchanan's take on self-organized criticality, and it is a particularly good introduction to the topic. He spends considerable time discussing earthquakes and forest fires as examples, but he also has chapters on the stock market and spin glass (magnetic) systems (although he doesn't use the term "spin glass".) There are also chapters on ecology and intellectual revolutions--ideas. While a good deal has been said about his other book Nexus, this one has been somewhat neglected and shouldn't be. Because power law relationships have been showing up in a large number of unexpected places, this is a useful book to assist in understanding the implications of systems showing such relationships.
-
hfffoman2015年4月15日に英国でレビュー済み
5つ星のうち3.0 I would recommend reading half of it
Amazonで購入This is a popular-level introduction to self-organised criticality or the ubiquity of power laws. It romps through an entertaining range of situations and has something to add to the discussion of chaos theory.
Its drawback is that there is not enough material to justify a whole book. It does not go into enough depth to give much insight. Instead he is forced to give so many examples they become repetitive.