ハッカーズ
ハッカーとは何者かにかんする定番のリンクなど。
- How To Become A Hacker(Eric Steven Raymond による)
- ハッカーになろう(山形浩生氏他による日本語訳)
- Great Hackers (Paul Grahamによる)
- 素晴らしきハッカー(川合史郎氏による日本語訳)
How to become a hacker
Eric Raymondのハッカーになろうは、
- この世界は解決を待っている魅力的な問題でいっぱいだ
- 同じ問題を二度解くような無駄はいやだ
- 退屈と単純作業は悪
- 自由は善
- 心構えは技能の代用にはならない
という基本的な考え方、心構えから始まる。
そして基本的な技能として
- プログラミングを身につけること。
- オープンソース UNIX 類のひとつを入手し、使いかたと動かしかたをおぼえること。
- World Wide Web の使い方を学び、HTML を書くこと。
- まともに英語ができないならば、身につけること。
をあげる。最後の英語ができないならば、身につけることというのは、最初の版にはなかったような気がするけど、ハッカーになるためには、道具としての英語は必須だ。
そして、ハッカー文化での地位として
である。
Great Hackers
一方でPaul Grahamの素晴らしきハッカーは、もう少し、広い意味でのハッカーの生態系について議論している。ウェブ時代のすごいプログラマ像だ。
ウェブのビジネスの世界で成功するためにはハッカーが必要条件だ。
そのハッカーをどうやってみつけるかをビジネス側の人たちに説明しているようにみえる。彼はY Combinatorというベンチャーキャピタルの創業者でもあるので、ハッカーの生み出す価値をお金に換えることに関しては超一流のレコードを持つ。その彼がハッカーとはどのような属性をもつのかをおもしろおかしく紹介している。
「ハッカーは高い基準を持っている人々と働きたがる。」これは、ハッカーはハッカーと働きたがるということとほぼ同義だ。そして、ハッカー的な気質を持たない人がハッカーを理解することは、難しいとも言う。
そして彼のY Combinatorが出資するスタートアップの創業メンバーはハッカーだ。何百社も出資している彼の法則である。
そして身も蓋もないことだが、彼が信じてやまないことはハイテク企業においてはハッカーがいない会社に未来はない。これに同意しない人も多いことは彼も認めている。
けれども、他の条件が全て同じなら、偉大なハッカーを引き付ける会社には 巨大なアドバンテージがある。これに同意しない人々もいるだろう。 私達が1990年代にベンチャーファームから資金集めをしていた時に、 いくつかのファームはこう言ったものだ。ソフトウェア会社は 凄いソフトを書くことで勝つんじゃない、ブランドと独占チャネルと、 うまい取り引きで勝つんだ、とね。
マイクロソフトは特異点であり、それをコピーすることは難しいと彼は考えている。むしろ、ウェブ時代の成功の法則はハッカーであると考えている。
では、誰が偉大なハッカーなんだろうか。 そういう人と出会った時に、そのことをどうやって知ればいいのだろう。 実は、これは難しい。ハッカーでさえもわからない。…
これだけのノイズにシグナルが埋もれていると、誰かに出会った時に それが良いハッカーかどうかを知るのはとても難しい。私は、今でさえ、 わからない。履歴書を見たって役に立たない。ハッカーを判断する唯一の 方法は、何かのプロジェクトで一緒に仕事をしてみることしかないような気がする。
一緒に仕事をしない限り偉大なハッカーかどうか分からない、ということは、 ハッカー自身が自分がどれだけ優秀かわからない、ということにもなる。
ハッカーの間では、少なくとも、他のハッカーがそれを知ることができる。育てるには
最後に、ハッカーが皆考えている質問を扱おう。 どうやったら素晴らしいハッカーになれる? 誰かを素晴らしいハッカーにする方法ってのがあるのかどうか、私は知らない。
良いハッカーになる鍵は、たぶん、自分がやりたいことをやることだ。
何かをうまくやるためには、それを愛していなければならない。
シリコンバレーというか、ウェブ時代の組織論としてのハッカー像である。それを理解しないことには時代の覇者になれない。技術論というよりも民族誌だ。
未読の方は一読をお勧めする。