ヤマカンのインタビューを読んで思ったこと
ヤマカンこと山本寛氏のインタビュー記事を読んでふと電波が降りてきたので久々にブログ更新。
きっかけは↓の記事です。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1007/26/news010_2.html
>先祖返りした話にまた戻りますが、アニメがそれこそ伝統芸能・芸術になって、一部の大金持ちや貴族がパトロンとなって、その庇護のもとに一握りのアニメのクリエイターが作品を作り続けていく時代にひょっとするとなるのではないかと思います。
(中略)
これが度が過ぎていくと、二極化するんじゃないかなと思っています。業界がアニメ保存会みたいなところで保護されて、ビジネスとしてかろうじて成立しているという一方、趣味の一環としてアマチュア作家が好きに作品を作ってWebにアップする、という同人誌レベルの活動で満足するという時代が来るのではないのでしょうか。
↑の状況が近づけばむしろ最終的には完全にビジネスに特化したアニメと伝統芸能・芸術に特化したアニメに二極化する時代が来ると思います。
そりゃ自分達が生活できるかどうかの瀬戸際になるのですから必死です。
どんなえげつない商売でも儲かるのなら手を染めるでしょう。
“一部の大金持ちや貴族がパトロンとなって、その庇護のもとに一握りのアニメのクリエイターが作品を作り続けていく”環境づくりよりは“一部の金持ちのオタクから徹底的に搾取してその利益を伝統芸能や芸術の域に達しているアニメの作成につぎ込む”状態に持っていく方がよっぽど簡単そうです。
そして“一部の金持ちのオタクから徹底的に搾取して”の時に非常に参考になるのがAKB48です。
どのような商売が行われるのかについて分かり易く説明するために、けいおんのAKB48商法を考えて見ます。
(1) DVD/BDにHTTのライブの抽選券が付いてくる
(2) DVD/BDにランダムで封入されるカードが付いてくる
(3) DVD/BDの唯ver,紬ver,律ver,澪ver,梓verが発売される。(ジャケット・キャラコメ・特典映像で差別化。)
(4) (3)の売り上げ多かったキャラ主演で映画作成。
適当に4つほど上げてみましたが、多分このように出来るだけDVD/BDを売らせようとするビジネスモデルが発展していくと思います。
?書いてて思いましたが、映画館に行ったりBDを買うとランダムでフィルムが貰えるってのは既にやってましたね。
そのフィルムをネットオークションで数十万円出して買う人がいる辺り、搾取される土壌は十分整っていると思います。
もちろん今はアニメがいっぱいあるのでこんな露骨な商売出来ませんが、将来的に本数が減っていればあるいは……?
2009年下半期ライトノベルサイト杯投票。
『2009年下半期ライトノベルサイト杯』に投票します。
まずは既存部門から。
- 作者: 十文字青,ま@や
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/07/18
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僕の貧相な語彙では凄い以外に言いようが無いくらい凄いです。
感想書くために読み直したら二度目なのに精神ガリガリ削られるくらい凄い。
もうね。ほんとに凄い。
何なの?ってくらい凄い。
ぷりるん。
【09下期ラノベ投票/新規/9784758040921】
- 作者: 十文字青,ま@や
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/09/19
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誰もが一度は思い悩んだであろう『死』がテーマの作品。
これも凄いです。凄いとしか言えないのか?って感じですけどほんと凄いです。
【09下期ラノベ投票/新規/9784758041065】
- 作者: 日日日,みことあけみ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/12/22
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恋すると死んでしまう世界で描かれるラブストーリー。
陀衣君まじ可愛いです。
【09下期ラノベ投票/新規/9784840131254】
- 作者: 鎌池和馬
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/10/10
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禁書よりは敵側の描写が薄めでその分非常にテンポが良くなっています。
そして相変わらずの盛り上げ方。とりあえず読んで置いてそんはない作品かと。
【09下期ラノベ投票/新規/9784048680691】
- 作者: 野崎まど,森井しづき
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
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作品のオチが凄い。完全に予想を上回りました。
はったりの利かせ方も絶妙で最原さんの天才っぷりはやばい。
でもこの締め方はラノベでは許されないだろうなぁと。
読み終わった後は陶然としました。
【09下期ラノベ投票/新規/9784048682695】
- 作者: 神崎紫電,kyo
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【09下期ラノベ投票/既存/9784094511505】
- 作者: 藤原祐,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/08/10
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ここまで好きになったキャラクターが過去に存在するだろうか?ってレベルで好きです。
依紗子さんまじぱねえ!
その依紗子さんのせいで5巻終了後、もう鬱END一直線じゃね?って展開になったんですがそこから綺麗に締める手腕は流石の一言。
MAGAZINE掲載分のストックはあるはずなので是非短編集出して欲しいです。
依紗子さんLOVE!
【09下期ラノベ投票/既存/9784048679411】
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (2)下 (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/07/10
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とりあえず忍者爆発しろ!
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- 作者: 犬村小六,森沢晴行
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アリー!俺だー!アリー麺食わせてくれ!
もうこれアリーメインヒロインですよね?って位アリー可愛い。
でもこれ強烈な死亡フラグな気もする。
とりあえず続刊期待。
【09下期ラノベ投票/既存/9784094511772】
こまめに感想書かないとだいぶ忘れますね。もうちょい頻繁にブログ更新できるように頑張ろう。
けんぷファーにライトノベルのアニメ化の理想系を見た
けんぷファーの最終話を見終わってもしかしたらけんぷファーはラノベのアニメ化の理想系では?との天恵を得たので久々にブログ更新です。
原作付きの作品のアニメの出来が悪かったりすると良く原作レイプなどと言われますが、その例に倣えばこのけんぷファーという作品は原作との和姦。原作とアニメがいい具合に交じり合って最終的にはあの歓喜の歌が生まれたのです。
アニメ版のけんぷファーの素晴らしさはなんといっても原作の内容の取捨選択とアニメへの最適化の巧さだと思います。実はこのアニメ原作小説8巻相当をアニメ10話にぶち込む(11話はほぼアニメオリジナル)という無茶をやっているので原作から消された部分や変更された部分が結構あります。
何故ここまでバッサリとカットすることが出来るのか?それはアニメの製作陣がアニメを1クール勢いで押し切るのと、ライトノベルのシリーズを完結させるのに必要な要素が全く違うということをしっかり理解できていたからだと思います。それが一番顕著に現れているのは8話と11話でしょう
8話の中で雫がナツルにデートの記念品を買わせる、というシーンがあるんですが実はこのシーン、原作には無いんですよね。
そしてその追加されたシーンで購入したアイテムが
最終話でナツルの正気を取り戻すフラグとなります。
このようにアニメはアニメの終わり方のビジョンがしっかりと出来ているからこそ原作での伏線をある程度無視することが出来るのでしょう。
ナツルの心情ネタは一人称でこそ映えるものだから割とバッサリ省いてみたり、刊行ペースと視聴ペースの関係でラノベだとそう感じなくてもアニメだとくどく感じそうな描写を省く、アニメならではの声優ネタを入れてみたり、終盤勢いで押し切るために白のケンプファーの性格をネタ仕様にしてみたりと随所でライトノベルの面白さからアニメとしての面白さに変換する細かい努力が伺え、本当にテンポの良い作品に仕上がっています。
なにせやたら出てきたこの臓物アニマル達、
原作だとハラキリトラとセップククロウサギ以外ほとんど出番無かったりします。
それでいて水琴がカレー好きだったり勘で佐倉邸に突入してきたり、最終話で会長がヒキニゲカバを持ち出してきたりと原作を読んでいると、「おお!ここでそのネタを引っ張ってくるのか!」とにやりとするようなシーンを挿入する原作ファンサービスが心憎い。
正直こういったバランス感覚においてはけんぷファーの右に出る作品は無いと思います。
もちろん原作をそのままアニメにする、という行為も決して悪いことだとは思いません。
しかしやはり原作の面白さをそのままアニメにするのは難しく、半端に忠実に作ろうとすると返って尺の都合で省いた部分までも「何故あのシーンをカットした!?」といった不満を受けることになります。
だからこそけんぷファーのように原作の良さを踏襲しつつその良さをアニメへと変換するために様々な工夫を凝らした作品は見ていて非常に楽しく原作ファンも初めてその作品に触れる人も楽しめるような作品に仕上がったと思います。
そしてそのアニメだからこそ出来る面白さを追求しよう!と言う形ではっちゃけたのが
歓喜の歌だと思います。
ラノベにはラノベの面白さ、アニメにはアニメの面白さを追求し続けたけんぷファーと言う作品の最終回がBGMネタをふんだんに盛り込んだ最後になったのはある種の必然だったのでしょう。
ああOPのアレンジか〜、と思いきやまさかのベートーヴェン。
本当にけんぷファーは最高の作品だったと思います。
凌辱規制に関する言い訳を考えてみた。
アイルから発売されている桃華散ると言う作品をプレイしてみたところ非常に面白く、またこの作品のテーマは現在話題になっているエロゲーの凌辱表現の規制に対する言い訳の一つになりえるのではないか?と思ったのでエントリーを書いてみました。
まずはこのエントリを書く原因になったゲームの紹介から。
http://www.ail-soft.com/touka/pro_tou_top.html
このゲームは主人公の桃華視点で桃華が凌辱されるところから始まる女性視点の被凌辱ゲームで、その後桃華が自分を凌辱した男達に対する復讐を決意する所から物語が動き出しています。
このゲームには大きな特徴が一つあります。それは決して凌辱を肯定的に捉えている作品では無い、というところです。
凌辱を受けた主人公は自分をレイプした男に対して木刀で襲いかかり腕の骨を折るなどして入院させるなど、凌辱を行ったものに対する罰の執行が行われているルートがあります。
また調教され、性の快楽に目覚めてしまうルートにおいても、もの悲しい音楽が流れ自分が変わってしまったことに対する悲哀が語られるのです。
そんなシーンの一部を下に抜粋してみました。
「女の子の話をしてあげましょうか(略)
その子はね、頑張ったの……とても……とても、ね。事故にあって足を悪くした弟が、剣道をやめてしまって……っ、から、は……弟の分までって……
その事故で亡くなってしまった、母さんの分も一生懸命生きようって……(略)
そんな毎日が続くと思っていた……
ささやかだけど平穏な毎日が続くって。
でも、そうはならなかった。
顔も見たことの無い男達に、犯されたの。
レイプされて……処女を奪われて……ふふっ、うふふ……。
あなたは今、その女の子とセックスしてるのよ?
笑いなさいよ、いつもみたいに。
ほら、ほらあっ!
気持ちいいでしょ?楽しいでしょ?
感触を言って見なさいよ!
あなた達が壊した、あなた達がこんなにした───
あなた達が殺した女の子の感触を!」
「な、何を言って……お前は生きてるじゃ───」
「殺したのよ!
たとえ願い通りにはいかなくても……!
映画みたいな恋愛なんかできなくても……
結婚してっ、子供を生んで……っちっぽけで良いからささやかな幸せを掴みたいと思っていた!
そんな未来のわたしを……貴方達はっ!
身勝手に!
気まぐれに!
殺したのよ!」
かなり長くなりますがこれでもまだほんの一部です。
その後にも
「ほ、ほら、こんなわたしを誰が愛せるの?誰がわたしをあいしてくれるの?」
や
「もう無理よ……。わたしには人並みの幸せなんかつかめない」
などの印象的な台詞が騎乗位で男の上に跨った桃華の口から語ら、凌辱されてしまったが故の悲哀を訴えかけてきます。
つまりこの作品のテーマの一部には「凌辱された女の悲劇」というものが確かに含まれているのです。
少し話は飛びますが、凌辱表現の規制が問題になったときによく「じゃあ人殺しを助長するからサスペンス禁止な」や「なら当然戦争映画なんてもってのほかだよな?」等の意見が目に付きますが、流石にその論法には無理があると言わざるを得ません。
なぜならTVで放送されているサスペンスは決して人を殺すことの快感が描かれているわけではなく、殺人に向かわざるを得なかった背景、そして殺してしまったことに対する後悔、大抵犯人は殺人を犯したことを後悔し、時には崖から身投げさえ行われます。
見もふたも無い言い方をすればサスペンスは「殺人をすると不幸になるよ!だからしちゃ駄目!」というような理由付けをすることが可能であり、それゆえに殺人という人権に対する侵害を行う作品を地上波で放送することができるのです。
戦争映画にいたってはもっと顕著に戦争の悲哀を伝えるための映画と言うことができるでしょう。
一方で現在発売されている凌辱ゲームの大半は主人公が凌辱に対して肯定的に捉えているどころか、女性の方も凌辱されて奴隷の身分になったことを幸せに感じているような描写の作品が大半です。確かにBADENDで主人公が破滅する作品もありますがその描写の密度は凌辱成功ルートよりも非常に薄く、BADENDではEDが流れないことも多いなど、これでは「凌辱ゲームは女性の人権侵害を助長するなどと言われても」ある種仕方がないでしょう。
しかし、桃華散るは違います。この作品では凌辱は徹底的に悪であり、法の裁きでこそないものの凌辱を行った側にたいする裁きも行われます。(最もルートによっては行われない場合もありますが、主人公の復讐が失敗という形ですのでゲーム性を保つためにもあるていど仕方ないでしょう)
つまり、この作品においての凌辱表現は凌辱の悲哀を表現する為のツールであり、決して凌辱を助長するためのものではないのです。
またこの作品には「でも文学だって凌辱やNTRしてる作品結構あるよね」といった意見にも対応されています。この作品のトゥルーENDは主人公がレイプ犯に対する復讐にけりをつけ、立ち直るさまを描くものでもあります。そう、レイプされてもなお立ち上がる女性の強さを描くための必要悪としての凌辱であり、決して単なる性的欲求を満たすためのものではないと断言できます。
もちろん全ての凌辱ゲームをこの作品のようにしろというのではありません。
しかし、凌辱ゲームの中の凌辱される女性の悲哀というものの色合いを濃くしたり、主人公の破滅の描写を丁寧に描くことで、
「凌辱ゲームはレイプを助長する!人権侵害だ!」
などと訴えてくるやからに対して、
「失礼な。我々は凌辱作品を通してレイプの悲哀を訴え、この世からレイプを無くそうとしているのです!」
と胸を張って言い返すことができるでしょう。
あるいはレイプされた後の女性を丹念に描くことで
「あくまでも文学的な意図があって凌辱を行ったわけであり、決して凌辱そのものが目的ではない」
などと言い張ることも不可能ではなくなるかもしれません。
そう、例えばこの桃華散ると言う作品の全てをプレイした誰が
「このゲームは凌辱を助長する」
などと言えましょうか!
ただ
「でも特典にHなおもちゃついてんじゃん。それって性欲を満たすために作られてんじゃねえの?」
と言われたら答えに窮してしまいますが。
10月の電撃新作からみる電撃の戦略分析〜長く作家人気を持続させるために〜
電撃文庫の10月新作情報にいろいろおもしろい動きがあったのでちょっと紹介してみます。
まず一つ目
◆小春原日和の育成日記
著/五十嵐雄策 イラスト/西又 葵
「わたしを……おにーちゃんの手で……“おとなのじょせい”に、して、ほしい
んです……っ」そして、貧乏アパートに暮らす地味っこ改造計画が始まった──。
西又葵……だと?アニメの二期も決定している乃木坂春香の秘密の五十嵐雄策さんの新作です。残念ながら今まで五十嵐さんの作品に触れる機会は無かったのですが、西又葵を持ってこられたらもう読むしかないかなと。
つづいて二つ目はこちら
◆ねこシス
著/伏見つかさ イラスト/かんざきひろ
五度目のチャレンジでようやく「人化の術」を成功させた猫又一家の三女・美緒。
「俺の妹」コンビが贈る、ちいさなトラ猫の人生お試しストーリー!
巷で大人気の作品、俺の妹がこんなに可愛いわけがないのコンビが送る新シリーズ。ついに文庫化です。
◆へヴィーオブジェクト
著/鎌池和馬 イラスト/凪良
超大型兵器オブジェクト。その操縦士、『エリート』。雪原の戦場に派遣留学し
たクウェンサーが出会ったのは、そんな素性を持つ奇妙な少女だった――。
そしてまさかのかまちー新作。禁書の続きはどうした!?と叫びたくなりましたがこっちはこっちで楽しみです。
しかしふと思ったのですが、最近人気シリーズを抱えつつも平行して新しいシリーズを開始する、というスタイルが増えてきている気がします。
何本も人気シリーズを抱えている成田良悟さんはとりあえず別格としておいておいて、ここ最近始まった既存の連載を抱えつつ始まった新連載をあげてみると、
・伝説の勇者の伝説(富士見ファンタジア文庫)の鏡貴也さんがいつか天魔の黒ウサギ(富士見ファンタジア文庫)をスタート
・レンタルマギカ(角川スニーカー)の三田誠さんがイスカリオテ(電撃文庫)をスタート
・初恋マジカルブリッツ(スーパーダッシュ文庫)のあすか正太さんがふるこんたくと!(角川スニーカー)をスタート
・レヴァイアタンの恋人(ガガガ文庫)の犬村小六さんがとあるとある飛空士シリーズ(ガガガ文庫)をスタート
と中々の数。ぱっと思いついたのをあげただけなので、多分まだあるんじゃないかな?この数の多さは、いかにしてシリーズ終了後も作家の人気を持続させるかについて考えた結果だと思います。
鏡貴也さんが後書きで、ライトノベルは作家では無く作品に人気がつくと言われている、といった趣旨の発言をしていましたが、その作品人気をそのまま次の作品の人気へとシフトさせるために、シリーズ終了前に新シリーズを開始する、というのは非常にうまい戦略だと思います。
作品に人気がつく、と言われている理由のひとつにライトノベルの場合新シリーズになって絵師が変わると当然のことながらその作者が前に何を書いていたのかが分からない、という点があります。
作家・絵師の名前まで覚えていない人が本屋に行った時に、灰村さんの絵を見て「あ、禁書の絵師の人が新シリーズで挿絵書いてる」とはすぐに分かっても、鎌池さんの作品を見て「あ、禁書の人が新シリーズ始めた」とは中々判断できません。もちろん帯等で「とある魔術の禁書目録の鎌池和馬の新シリーズスタート!」とでも書いておけば一定の効果はあると思いますが、やはり絵の分かりやすさにはかないません。
そういう意味で、いつか天魔の黒ウサギの売り方は非常にうまいと思いました。
まず、専用の折込広告まで用意する手の込みよう。
六ヶ月連続発行という企画で注目を引くやり方。
そして何よりも作品内の後書きで、新シリーズ開始しました。、というアナウンスを伝勇伝内で行なえたこと。
なにせ伝勇伝読んでる人は基本的に鏡貴也さんの作品が好きなわけですからきちんとしたアナウンスがあれば、非常にすんなりと作品の人気を次のシリーズへと移行できます。
そこまで考えて、ふと思ったのが今回の鎌池和馬さんの新作です。
メルマガを読んだ時にはびっくりしましたが、よく考えれば、今月の禁書新刊の後書きでは特に新作について触れられていませんでした。
正直これはかなりもったい気がします。後書きで禁書とは別の新作書いてますよ〜と一言書くだけでもだいぶ違ってくると思うんですがね。10月の電撃文庫MAGAZINEとかでなんかやるにしても、小説に勝る効果は中々出せないんじゃないでしょうか。ただ秋からはじまるとある科学の超電磁砲や乃木坂春香の秘密のCMの時間にとある禁書目録シリーズの〜、と宣伝できればそんな細かいことも関係なくなる位の効果がありそう。
また、作家の人気を持続させる方法としては他にもいろんな手法が考えられます。
たとえば藤原祐&椋本夏夜コンビ、川上稔&さとやすコンビのように作家と絵師の組み合わせを固定してしまう方法。このコンビを何回か繰り返せば、またこのコンビで新シリーズ始まったのか、と割とスムーズに作品人気を移植できます。
他にも例えば作家のブログ等で新シリーズ開始します〜と言えば、その作家のブログを追っかけてるくらいですから当然次のシリーズも買ってくれるでしょう。
そういう意味で“面白いブログの連載”と言うのも販促の1つだと思います。バカとテストと召喚獣の井上堅二さんのブログなんかはコメディ作家の面目躍如といった勢いで非常に面白く、新シリーズ開始する時の宣伝効果としては中々のものがあるんじゃないかと思います。
後は一度フォローさえすれば自動で情報を受け取れるtwitterなんかもうまく使えればかなりの宣伝になるんじゃないかな。
2009年上半期ライトノベルサイト杯投票
うっかり25日にエントリしてしまったので削除&再投稿。
他のは26日にリンクされてるのに何故か2009年上半期ライトノベルサイト杯だけ反映されない。とりあえず2009年上半期ライトノベルサイト杯って何回か追加で書けば反映されるかな?
『2009年上半期ライトノベルサイト杯』に投票します。今回から既存・新規の枠を考えずに投票できるようになったのでどうせなら新規大目で行こうと思ったのに、気づいたら既存6:新規4。悩みに悩んだ結果結局削りきれなかった。とりあえず既存部門の紹介から行きます。
ムシウタbug 8th.夢架ける銀蝶 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 岩井恭平,るろお
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/01
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ムシウタのbugシリーズ最終巻。最後まで虫憑きを信じ続けた亜梨子の結末は……。本編の方はシリアスで進んでいる中、コメディタッチで始まったbugシリーズ。最終巻は亜梨子を中心にそれぞれ別の方向を向いていた虫憑き達が手を取り合って共通の敵に挑むことに。鳥肌物の大決戦でした。
正直今のところ本編ヒロインのふゆほたるよりもbugヒロインの亜梨子の方がよっぽどヒロインっぽいんですよね。
bugも完結してそろそろbugと本編が交わるころだと思うのでムシウタの今後の動向に注目です。
戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 林トモアキ,上田夢人
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
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ニートで引篭もりだった主人公の成長物語、戦闘城塞マスラヲの最終巻。
涙無しには読めませんでした。
もう細かいことは言いません。とりあえず読もうぜ。ラノベ読みなら一度は絶対に読んでおくべき名作です。
ぼくと彼女に降る夜 ルナティック・ルーラー~狂濫を征する者 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 八街歩,深崎暮人
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/03/19
- メディア: 文庫
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言い方は悪いですが、いわゆる厨二バトル物。突き抜けてて最高に面白いです。
今作のラスボスポジションであるエリザベートの狂いっぷりも素晴らしかった。、やっぱり敵役たるもの一度や二度は無意味に虐殺をしていていたり、人類抹殺を企んでいて欲しいものです。
そして最後においしいところを持っていく先生のかっこよさもたまらない。ほんとに読んでて楽しい作品です。
- 作者: 藤原祐,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/03/10
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ルナティックムーンやレジンキャストミルクの藤原祐氏の新シリーズ。少しずつ鈴鹿の闇が明らかになって行きます。
この作品は萌えと狂気のバランスが非常に素晴らしい。やべえ!通夜子さんのデレが!デレが!などと油断しながら読んでるといい感じに狂った双子や環境に心を壊された少女などの暗黒要素てんこ盛り。
前作の経験からメインキャラでも最後まで生存するとは限らないってのが頭にある分、今作では誰が死ぬのか不安で不安で。でもその緊張感がたまらない。
- 作者: 藍上陸,鈴平ひろ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/04
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もうアキカンエレクトとか関係無いよねって思ったアキカン最新刊。前巻は超感動大作でしたが、今回は息抜きがてらアキカン達がアイドルデビューする話。アキカンはシリーズ内でも熱血物だったり感動物だったり、コメディだったりいろいろなパターンがあるんですが、地の分に勢いがあるので何やってもおもしろいんですよね。あと挿絵が鈴平ひろさんなのも個人的には評価大です。
- 作者: 七位連一,ぱこ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/01
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何も考えずに大爆笑したい時にはこの作品。
面白い。とにかく面白い。ひたすら面白い。
このギャグのこれこれこういう部分が面白い〜というのを冷めないように伝える文章力が無いので面白い以外いえませんが、ほんと面白いです。
頭空っぽにしてライトノベルを楽しみたい時にお勧めの一作です。
続いて新規部門
- 作者: 淺沼広太,すまき俊悟
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/02/20
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とりあえず表紙のこでいろいろ妄想して賢者タイムに突入した後読み始める事を薦めます。きっと新たな扉が開けることでしょう。
なんという壮大な叙述トリック!とりあえずひとこと言わせてください。こんな可愛い子が女の子の訳が(ry
- 作者: みかづき紅月,有子瑶一
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/04/20
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作品のつくりがしっかりしているのですらすら読める。1巻で非常に綺麗に終わっているのですが、これ続き出るのかな?とりあえずツンデレ好きなら読んでおくべき。
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/04/10
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電撃大賞の川原礫さんがデビュー前にネット上で公開していた作品が文庫化。個人的にはアクセルワールドよりこっちのが好きです。このレベルの作品がタダで読めた時代があったなんて……。
生と死と愛と。これも一巻だけでも十分面白い作品です。
- 作者: 御影瑛路,415
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/01/10
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僕らはどこにも開かないや神栖麗奈は此処にいるの御影瑛路さんの新シリーズ。前作は挿絵が一切無い作品で、電撃文庫から出てるけど正直これライトノベルなのか?と首を捻ったものですが、この作品を読んだ時にはよくぞここまでエンターテイメント性を高めてきた!と感動したものです。それでいて作者独自の嫌な雰囲気が微塵も損なわれていない。ほんとすごいと思います。
この作品はいわゆるループものといったジャンルなのですが、ほんとに最悪のループです。(褒め言葉)事故にあった少女の願いによって作られた世界。少女のこころに奇跡を信じられない要素があったがために世界はこんなにも苦しいループになってしまった。
一部で暗黒ライトノベルなどといわれているジャンルの作品が好きな人にはたまらない作品です。
以下投票コード
【09上期ラノベ投票/既存/9784044288211】
【09上期ラノベ投票/既存/9784044266189】
【09上期ラノベ投票/既存/9784829133880】
【09上期ラノベ投票/既存/9784048676014】
【09上期ラノベ投票/既存/9784086304832】
【09上期ラノベ投票/既存/9784840126410】
【09上期ラノベ投票/新規/9784758040587】
【09上期ラノベ投票/新規/9784758040624】
【09上期ラノベ投票/新規/9784048677608】
【09上期ラノベ投票/新規/9784048674614】
訂正
書き始めた時間のせいで25日投稿になってしまったのでこちらの内容を削除&再投稿
投票内容は↓です。
http://d.hatena.ne.jp/kakami-045/20090726/1248538963