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たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「美少女だと思われている美少女」は美少女、という話。

周囲からの人気で容姿レベルを規定する
容姿が記述されていなくても(読者が)ラノベのヒロインを美少女に脳内変換する問題(まぼろしのつくりもの)
ライトノベルの特性。(Something Orange)
ヒロインの可愛さの指標;みんなが可愛いと言うんだから本当に可愛いのだ(身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記)

 
ちょっと面白い話だったので、メモ。
確かに「少女」「美少女」という言葉はずるいもので、小説の中に出てくるだけで「ああ、多分かわいいんだろうな」という魔力があります。
マンガでの表現になると、そこがちょっと変わってきます。なんせ絵がある。
しかし、多くの作家さんが描いてきた「美少女とされる女の子」は確かに、あらゆる要素をもって「かわいい」とされるのが楽しいところです。だって、美少女、見たいじゃん!
 

●クラスで人気の女の子●

以前友人がエヴァンゲリオンのアスカの話をしてくれて、深く納得した話を載せてみます。
アスカは確かにミステリアスさや少女偶像性においては綾波レイに負けます。なんせあっちは男性の生み出した最高級の憧れみたいな描かれ方をしているので実際の少女とはちょっと別物。
しかしアスカは「クラスでも美人と評判」なのが魅力なわけですよ。
もちろん「しゃべらなければね」という人もいれば「あれも含めてクラスのアイドルだよな」という人もいます。
ただ、色々な感情や憧れを経由しながら、確かにトウジやケンスケのように「アスカってかわいいよな」という共有の視線がもてるように描かれているのが、彼女が美少女たるゆえんの何割かを占めていると思います。
 
他にもクラスのアイドル的存在、というのは多くのマンガに出てきます。往々にしてなんらかの欠点(アスカでいえば、口が悪いとか)があることでバランスを保たれるわけですが、確かにその世界の中での容姿は「かわいいね!」で統一されます。
これが実写ではありえない、マンガ・アニメ・小説の最大のよさでもあります。
 

●その世界では「美少女」は「美少女」●

実写の美少女には限界があります。
それは「最高に美しい少女がいない」というわけではありません。単純に個々の見た目の判断基準が違うからです。
しかし、物語世界の美少女は、仮にこちら側の見た目の好みにどんぴしゃじゃなくても「この子はかわいい」となれます。
キャラクター達周囲の評価もそうですし、作者が「この子はかわいい」という愛情をこめてこめて、こめまくれるからです。
 
自分が最近、「この美少女は美少女だ」と感じたのは、押切蓮介先生の「ミスミソウ」のヒロイン。

「ミスミソウ」に見る、閉じた社会と壊れていく心
押切先生の絵自体、かなりクセのある独特の絵柄なんですが、読み終えると確かにこの世界には異質な美人に思えてくる描写のうまさ。
絵だけでかわいく描こうとしても、限界があります。しかし作中での少女の特別な扱われ方に加えて、その世界からいかに浮いているかというのも、美少女キャラが美少女キャラとして受け取られる要因の一つなんじゃないかな?と思いました。
あわせて、その少女に対してどれだけ作家さんが「この子は美しいんだ!」という念を込めて描くかも伝わってくると思います。小説でもマンガでも、描写が細かく丁寧だと特別に見えてきます。
 
他にも思いついたところでは、「マリア様がみてる」の志摩子さん、「スクールランブル」の八雲や沢近、「らいか・デイズ」の蒔奈なんかもそういうオーラありますよね。確かにセリフでも美少女扱いされてますが、描かれる仕草や周囲の反応も細かいし、作者がその子をいかに特別に「美少女オーラ」放とうとしているかが伝わってきます。
もちろんそれぞれおっちょこちょいだったり欠点があったりするからこそ人間味もわきますが、それも「この子は美少女」という設定が確固とした板になっている上だから成り立つ話。
 
作品内のキャラの評価+作家の「美少女を描く」という意気込み+ちょっとしたウィークポイント=美少女度。
必ずしもじゃないけれども、そんなキャラ誕生の仕方もあるかも。
ウィークポイントは個人的には、あったほうが人間味がますからさらにキャラとして魅力的だと思うけど、どうなんだろう。
完璧な少女像に突っ走っていくのも美少女のありかたですが、そうなると「萌え」とは離れていきそうなのも興味深いかもしれません。
 
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はて、余談ですが「じゃあ周囲から人気の無いキャラは美少女じゃないのか」と言われると、それは作品によると思います。
それこそ周囲から散々な評価を受ける子も、性格や一緒に住んできた環境など総合した、こちら側のわからない点数がついてるため、客観的に見たらめちゃめちゃツボなんてこともあると思います。
また、属性持ちは評価を受けずらいキャラの場合も多いですよね。ヤンデレとか特に。しかしこっちから見たらかわいい、と思う人も当然いるわけで。
絵柄の好みの問題もあります。その作品内では地味なキャラでもツボにはまってしまう人は当然いるわけです。思い浮かぶところでは「ぱにぽに」のベホイミなんかがそうかもしれません。熱心なファンにしてみればあの地味さがいいんです。
どちらかというとウィークポイントに「ぼくだけがみたかわいさ」が表現されるタイプの美少女。ツンデレのデレはぼくだけが知ってるんだぜ的なニヤニヤ感。
「萌え」の流れはこっちの方に走っていくベクトルなのかな。
 
しかし、こちら側の評価はやっぱり物語の中の評価に比例するもの。むしろこっちを置いてきぼりにするくらい燦然と輝く「美少女」と評される「美少女」の「美少女」っぷりが見たいものです。
 
あと余談の余談ですが、言葉で「かわいいかわいい」って言われると、単純にこっちも刷り込まれますよね。「かわいい」「キレイ」って短い言葉だけど、力があるわあ。
余談の余談の余談。みんなが「この人は醜い」「この人は嫌い」という嫌われキャラで、逆に愛したくなる天邪鬼心をくすぐるヤツラもいると思います。たとえば「かってに改蔵」の地丹や、「絶望先生」の臼井くんなど。これも周囲の反応から考える例の一つでしょう。