はてなアルバイト振り返り
はてなアルバイトになって1年が経った*1。仕事はどうですかとよく聞かれるのでたまには書いてもいいんじゃないかと思う*2。
僕が所属しているのはid:onishi,id:antipopが率いる運用チームで、これはダイアリー、グループ、ハイク、フォトライフといった各既存サービス(ブックマークなど一部除く)の保守改善や新機能提案をするチームだ。はてなアイデアに寄せられる不具合も基本的に運用チームが担当する。新規開発だとダイアリーのコメント/トラックバック管理やはてな市民などに噛んだ。
僕たちエンジニアアルバイトははてなに入るとすぐに運用チームで数出社日の課題研修を受け、そのレビューを通して実戦投入される。はてなに入る前の感覚で普通に考えると恐ろしいが、一年間なんとかなったという気持ちもある。
趣味でプログラミングをやったことはあったが、バージョン管理、テスト駆動、チケット駆動、コードレビュー、ペアプログラミングといった開発手法ははてなで、特に課題研修後の1ヶ月で集中的に学んだ。それまで経験したことのあるチーム開発に比べ何もかもが整然として効率的で、一度味を覚えると他所での開発が嫌になるのではないかという不安すらある。OOやパターンに基づいた各レイヤーの設計などはまだ職人芸という感じで、経験値を上げるべく意識的に勉強(のしかたを勉強)していかねばならない。
はてなの社内福祉といえばオフィスランチやTGIF,東京とのポリコム会議が有名だが、各種勉強会や訪問者のプレゼンなど常に刺激に恵まれる環境もなかなかない*3。
運用チームには4月から、去年のインターン生なので研修のない新卒即戦力id:ninjinkunが入り、一緒に仕事ができると考えると楽しくて仕方ないのだが、僕自身は大学の講義が詰まっていてシフトをかなり減らさざるを得ず、少し寂しい。
仕事の醍醐味は、これあったらいいよね、これ直ってよかったね、という思いを他のはてなユーザーと共有しながら開発できることかな。自分で触るサービスに自分で手を入れられるということと、それからユーザーからのフィードバックがモチベーション。どうもありがとうございます。
さて、id:hxmasaki:20090422:1240345446に倣い何か書こうかと思ったのだが、考えた末、僕がこの一年間にはてなで出会った言葉を紹介したいと思う。僕にとってはどれも大変強烈で、クセがあり、心に刺さってなかなか抜けない言葉たちだ。
珠玉の言葉
え、まだ起業したことないの? / onishi
第1期インターンの送別会でonishiさんがおどけて発した言葉。onishiさんははてな創業以前に1回別の事業を起こしているので実は2回起業している。シリコンバレーならともかく、「ひょっとして起業とか興味ある?」程度の盛り上がりが普通の日本において、酒の勢いとはいえ一段上のレベルの言葉が出る人がいるというのが新鮮で衝撃的だった。
つまらない理由でサービスをやめない / mala
webサービスの保守についてmalaさんがボソッと言った言葉。この人はサービスを愛しているんだな、かっこいいと純粋に感動した。
気持ちは分かるけど、それは君自身の問題で、自力でそういう苦労を乗り越えてきた人こそ一緒に仕事したいと思える人だ / naoya
面談で個人的な悩みを相談したときに言われた言葉。いくら苦しくとも、自分の問題は他人に肩代わりさせることはできないし、他人に解決してもらっても自分のためにはならない。当たり前のことを再認識させられた言葉。
嫉妬、僻みを解決する方法は「自分の成長」以外にはない / naoya
直接聞いた言葉ではない*4が、自分の嫉妬や無力感といったネガティブで非生産的な感情を昇華すると同時に、他人の嫉妬に無駄に振り回されないための強力な処方箋。
いい大人なんだからノベルティもらって浮かれてるんじゃない / naoya
シリコンバレーから帰ってきた日のTGIFで言われた言葉。単なる訪問で終わらせず、自分なりの行動に移らなければという思いを新たにした。*5
軽い事ばっかり言おうとしてたら、本当に軽い人間になってしまうで。/ jkondo
飲み会で取り組んでいる仕事の調子を聞かれ、つい冗談で答えようとした僕を咎めた言葉。気迫のこもった独特の目で言われ、返す言葉もなかった。この人は本当に真剣に生きているんだな、と思った。
本業やる気はないん? / jkondo
同じく酒の場で、目前のタスクに追われて満足している僕にぶつけられた問い。「本業」の意味がよくわからず戸惑ったのだが、そのニュアンスは「本質的に新しい、世界や生活を変える仕事」。まさにその時誰かに突っ込んでほしいと思っていたが故に、悔しさでいっぱいになった。
コードで人とつながらなあかんで。 / jkondo
同じく(ry)、課題研修中の僕をはてな的生活へと誘った言葉。こういった言葉をくれる人に共通するのは、人に会うことに必死になっているレベルから脱する、という思想が言葉の端々に見え隠れすることだ。
こうして振り返ると、「不言実装」の人が多いはてなにおいてid:satzzは未だに舌先三寸のひよこですが、外の人も中の人もこれからもよろしくお願いいたします。