kumasyunn5さん NaHSO4、NaHCO3の液性については 高校化学では答えられるようにしておくべきですが、 これはH^+の電離と 加水分解のどちらを起こしやすいか 知らなければ分かりません。 ２価の酸H2Aの 第一電離定数をK1、 第二電離定数をK2、 HA＾－ ＋H2O →← H2A ＋OH^- の加水分解定数をKhとします。 ここで、水のイオン積Kw＝[H^+][OH^-]を用いると、 Kh＝Kw/K1 と表せます。 なので、 K1とK2の値が分かれば、 HA^-の電離と加水分解のどちらが起こりやすいか 調べることができます。 硫酸の場合、 ２５℃において K1=１０＾５ mol/L、 K2＝１．０×１０＾（－２） mol/L、 Kw＝１．０×１０＾（－１４） (mol/L)^2 なので、 K2＞Kh となり、 HSO4^-の電離と加水分解では 電離の方が起こりやすいと分かります。 一方、 炭酸の場合、 ２５℃において K1＝４．５×１０＾（－７） mol/L、 K2＝４．７×１０＾（－１１） mol/L Kw＝１．０×１０＾（－１４） (mol/L)^2 なので、 Kh＞K2 となり、 HCO3^-の電離と加水分解では 加水分解の方が起こりやすいと分かります。 しかし、逆に言うと、 このように（高校化学で学ぶ電離平衡の知識に加えて） 電離定数の値を知っていないと調べられません。 １度このような計算をしてみて 納得しておくことは大切ですが、 K1,K2の値を記憶することに意味はありませんので、 ここは感覚的に硫酸は強酸だから 第二電離の平衡は右に偏っていて、また、 HSO4^-の加水分解はほとんど起こらないと考えられるため、 NaHSO4の液性は酸性、 炭酸は弱酸だから 第二電離の平衡は左に偏っていて、また、 HCO3^-の加水分解は比較的よく起こると考えられるため、 NaHCO3の液性は塩基性 と理解すべきでしょう。 補足 はい、そのような解釈で合っています。 そのように理解して液性を記憶するようにして下さい。 また、電離平衡の分野を学ばれたら、 電離定数が与えられたら、電離と加水分解のどちらが 起こりやすいか調べられるということも認識しておくと良いと思います。 実際にそのような計算をさせる問題が大学入試で出題されることがあります。