Slackいいよねって言ってる人と、SlackのUIのどこがいいかわからないって両方の人がいて面白い。
使ってて思うのは、Slackも別にメッセージの見落としやコミュニケーションの円滑な実現をする銀の弾丸ではないということ。はっきり言って、流れたコメントを追いかけるのは相当面倒くさい。一応、未読ポイントに戻ってくれる素敵な機能はあるのだけど、何が未読なのかがわからないし、そもそも過ぎ去った過去のコメントに戻りたいとも思わない。
Slackにはリアルタイムが故の文脈ということがあって、前後の会話が理解できなければ、そこに書いてあるピンポイントの情報も理解できない。
Slackでのやりとりは、圧倒的にフローなツールであって、少し整理されて、カジュアルが故に大切な文脈が落ちてしまっている電子メールと同じかなってところ。チャットってそういうことだと思うけど、フローはフロー、ストックはストックの文章のあり方ってのがあって、本来、仕事においてはストックを前提とした文章作成スキルが望まれていたわけだけど、人間はフローの方が得意だったということでしょう。
これは情報伝達の時間にも影響してると思う。書面においては、不明点をやりとりするための時間がかかるからストックだったのに対して、その場で聞き返せるならフローの方が望ましい。ただし後から見た時の文脈の再現性は低い。レスポンスタイムもまたコンテンツの一つということだと思う。大企業の方との打ち合わせで「他の人に見せる必要があるから企画書として情報をください」ってのがあるけど、それこそがストックを求める声で、後の情報共有のために論理的に整理された文章をくださいってことだと思う。論理的に情報を構成するのは、多くの人は苦手な仕事。
話がそれちゃったけど、IA的に素敵に整理されてる的な感じではなくて、LINEグループなどと同じく、今を切り取るフローツールとして素敵ですね、という部分なのかも。多分、Slackいいよねって言ってる人と、そうでないって思う人は見ている場所が違うような気がする。
もちろんapiでメッセージを集めることができるあたりもギーク受けが強い。そこはそもそも、そんなにUIやカジュアルユーザー向けのUXが優れていた訳ではないIRCの置き換え需要というポイントもあっただろうしね。
今のところ、圧倒的なエンプラにおける情報流通量を適切かつ快適、セクシーに解決する手段というのはなくて、どこかの快適性を重視すると、それがキーとなって刺さるのかな?という印象ではある。できる、できないではなく、使いたい、使いたくないという「人間によりそう」部分も含めて、あらゆる問題を網羅的に解決できるソフトウエアってのはないのかな、とつくづく思うところ。
結論としては、Slackで僕に投げた仕事、2日以上レスポンスなく忘れられてたら、ほぼ取り戻せることはないと思うので、改めてリマインドしてくださいませ m(__)m
参考記事:
テック界隈の諸行無常──2014年の振り返りと2015年の予測 – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)