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コラム

「月経前症候群(PMS)」の症状をなんとかして緩和する方法まとめ


月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)とは女性の約80%が経験したことのある、月経前の「イライラする」「気分が沈んでしまう」「からだの具合が悪くなる」という症状のこと。この症状が起きるのは月経の約2週間前(黄体期)で、基礎体温が普段と比べて0.3~0.5℃上昇している時期にあたります。

PMSについてはあまり広く知られているとは言えず、男性はもとより女性間でも認識にギャップがあるのが実態です。PMSに苦しめられている人の一番の敵は無理解であり、そのために自分がPMSにかかっているということも気づかない人がいることや、周囲から「さぼり癖がある」などと認識されてしまう可能性もあり、しかも原因が特定されていないため治療法もまだ確立されておらず、現在は薬物療法か、生活習慣の改善によって症状の緩和を目指すのが主流となっています。

というわけで、つらい症状をなんとかして緩和する方法まとめは以下から。◆PMSの症状を緩和する方法

1:低用量ピル

by starbooze

ピルは避妊にも用いられる女性ホルモン剤で、妊娠時に分泌されるエストロゲンとプロゲステノーゲンを少量含有しており、体のホルモンバランスを妊娠している状態に似たようにして排卵を抑制する薬です。避妊効果の他にPMSや生理痛軽減などの効用もあります。

低用量ピルって何のために飲むの?

低用量ピルを飲むとこんな効用があります。
* 確実な避妊
* 生理痛・PMS(月経前症候群)の軽減
* にきび・多毛症の改善
* 生理不順の改善(月経周期が規則正しくなる)
* 月経スケジュールの調節
また、低用量ピルを長期服用すると卵巣がん、子宮体がん、乳房良性疾患が減るなどの副効用があります。
そのため、生理痛が酷いから婦人科で勧められて低用量ピルを飲み始める人もいれば、より確実で安心な避妊のためにピルを飲み始める人もいますし、生理不順が酷くて飲み始める人もいて理由はさまざまです。

低用量ピルは毎日決まった時間に1日1錠飲む必要がありますが、上記のような効用があり、PMSの症状軽減に最も効果があると考えられています。そのため、産婦人科での治療はピルを軸にしたものとなることが多く、筆者自身のかかりつけの病院もピルによる治療を推進しています。

低用量ピルにもいろいろあってホルモン含有量などが異なっているため、自分に合うものを探すことも重要です。体に合っているのか合っていないのかというのはある程度の期間飲み続けていないとわからないところがあり、医師によっては3ヶ月飲み続けてみて体調の改善が見られなければ別のものを試すという方針の人もいるようです。

低用量ピルは保険適用外の薬品となっていて、1シート(1ヶ月分)2000円~3000円程度で産婦人科で販売されています。個人輸入でもう少し安価に入手することもできますが、すべて個人の責任において海外の業者あるいは輸入代行業者と取引することになるので、リスクを覚悟の上で行う必要があります。個人輸入にしても病院での購入にしても、年に1回程度の定期検診は必ず行い、副作用が強く出ていないか、身体に異常は起きていないかをちゃんと確かめることが大切です。

ピルの仕組みと日本での認可の経緯などの詳細に関しては下記サイトが詳しいです。

ピルとのつきあい方

2:食生活の改善

by Smaku

PMSの症状が現れる時期は栄養バランスの乱れが不調に直結することもあるので、食生活の改善も治療の一環となります。積極的に食べたい食品と、逆に避けた方がよい食品には下記のようなものがあります。

PMSUPPORT CARE http://www.pmscare.ne.jp/

・積極的にとりたい食品
豆類(豆腐・納豆・みそ)

緑黄色野菜(ニンジン、カボチャ、ホウレン草)

海藻類(昆布、ワカメ、ひじき、海苔)

植物油脂(オリーブ油、大豆油、サフラワー油)

種実類(ゴマ・落花生・アーモンド)

精製していない穀類(玄米・そば)

・避けたい食品
砂糖(白砂糖・ジュース)

塩分(食塩・漬物・ベーコン・ハム)

カフェイン(コーヒー・紅茶・日本茶・チョコレート)

アルコール(ビール・日本酒・カクテル)

添加物(加工食品・既成食品)

漂白した小麦粉とその加工品(パン・ケーキ・パスタ)

砂糖は一時的には血糖値を上げて気分を落ち着かせてくれますが、その後の急激な血糖値の低下によって、かえって不安定な気分になってしまいますし、塩分は取りすぎると体がむくんでしまいます。コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは精神的な不調を促進する可能性があるため、なるべくPMS期間中は避けるように言われています。

また、PMSの症状が強く表れる場合、それは栄養素の不足が引き起こしていることもあるので、その期間は栄養バランスや特定のビタミン類の摂取を心がけると軽快する場合があるようです。PMSの精神的症状には大豆食品や野菜に含まれるカルシウム・マグネシウムが効果的だと言われています。また、女性ホルモンの活性化にはマグロやサバ、イワシなどの魚類やレバー類に含まれるビタミンB6、そして貝類やレバー類に含まれる亜鉛が効果的です。

しかし、月経前になると普段と食の好みが変化し、無性にジャンクフードが食べたくなったり、甘い物が食べたくなったりするという女性は多いかもしれません。そのような変化とは裏腹に、PMS症状を改善するには糖分や塩分の過剰摂取に気をつける必要があるのですが、それらを一切とらないようにとガマンするとストレスがかかってしまい、不調に拍車をかけることにもなりかねないので、個人的にはあまりにも過剰に食べなければある程度自分の欲求に従う方が楽に過ごせると考えています。

月経前の女性は血糖値を一定に保っていないとアドレナリンの作用で精神的症状が出やすくなります。1日3食という一般的な食事のペースでは血糖値の上下が起こってしまうため、少量にわけて食事(特に炭水化物)を食べるといいようです。個人的な経験から言っても、PMS症状が現れている時は1日3食ではなく、一日4~5回に分けてこまめに食事を取るようにしたところ、比較的体調は上向き、つらい症状が出ても悪化は免れました。

PMS(月経前症候群)の治療法、対処法

炭水化物が不足すると神経伝達物質であるアドレナリンが放出されますが、そうなるとPMSの症状であるイライラや起こりやすくなるなどの精神症状がより強く現れることになってしまいます。

月経前症候群~原因~血糖値の低下

PMSの女性は、月経前になると、食べたくてたまらない気持ちになったり、実際に過食になる方がいらっしゃると思います。あるいは、体がふらふらするような感じ、手足がしびれたような感じになることがあるかも知れません。
これらは、血糖値の低下と関係があります。
普通、女性は、血糖値が下がり、アドレナリン湧出の引き金になるまで、4~5時間過ごせると云われています。 (男性は、もっと長く、6~7時間)
しかし、月経前になると下限調節機構のレベルは引き上げられ、3時間ほどでアドレナリン湧出が起こります。
PMSの女性は、長時間食事をしないでいることに耐えられません。


3:ストレスをためない

by cjc4454

ストレスは万病の元とよく言われますが、PMSについても例外ではありません。ストレスとPMSの症状には関連があり、ゆううつな気分(うつ状態)になりやすいという説が知られています。

PMS(月経前症候群)で悩まないで -症状など

ストレスはPMS(月経前症候群)に影響を及ぼすものであることは明らかです。では何故ストレスとPMS(月経前症候群)には関係があるのでしょうか?まずセロトニンが低下するということが考えられます。脳内には神経刺激を伝達する作用をもつ、セロトニンという物質があります。セロトニンは神経線維の末端から分泌され、神経情報を伝達する役割を担っています。月経の前にはこのセロトニンが低下することが知られています。この月経前のセロトニンの低下が精神症状が出る原因ではないかという説も有力視されています。また、ストレスの蓄積は、脳内神経伝達物質であるセロトニンの分泌を低下させます。ストレスが、セロトニン欠乏状態に拍車をかけ、更に精神的症状を悪化させると考えられます。それから、βーエンドルフィンの低下が考えられます。脳の中で分泌され、モルヒネの作用があるβーエンドルフィンという物質が月経の前になると急激に低下し、その結果精神的に影響し、うつ状態になりやすいのではないかと言われています。

ストレスをためこむと精神的症状が顕著に表れやすいため、アロマテラピーや入浴でリラックスする、あるいは趣味に没頭するなどいろいろな角度から解消していくことで、精神的症状が緩和できます。

月経前症候群~原因~PMSとストレス

PMSの女性のうち、精神症状を強く訴える女性は、もともとストレスを内に溜めやすい傾向にあるようです。 PMSに対しても否定的で、時期を上手に乗り切ることが出来きないため、それ自体がストレスとなり、更に自らの症状を悪化させているようです。このような悪循環を避けるため、日頃からストレスを減少するよう心がけ、PMSに対してもネガティブな感情を抱かないようにしましょう。

精神的症状が強く出る女性はもとの性格が弱気であったり、ストレスへの耐性が低い傾向が見られるようです。しかしその根本にはPMSに対し、さらには自分が女性であることに対して否定的な感情を抱いてしまうことでストレスを感じ、余計にPMSの症状悪化を招いてしまうという悪循環があります。

一時期、私もPMSが完治しないことについて悩み、本気で女性であることをやめたくなったこともありました。しかしネガティブな感情を抱いていても何も始まらない上、症状も悪化する一方なので、もう開き直ってゲームを攻略するような気持ちで症状の改善を楽しむくらいの余裕が必要かもしれません。

4:運動


自宅でできるPMS対策~生活編 - [婦人病・女性の病気] All About

有酸素運動をしている女性のほうがPMSの症状が軽くなる傾向があるようです。実は知らず知らずのうちに、自分で運動を取り入れている人も多いので、思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

目安としては、一週間に少なくとも3回くらい、30分~60分の有酸素運動をするのがオススメ。週の半ばに1回、週末に1.2回ジョギングをしたり、水泳してみるなんていうのはいかがでしょうか。天気のいい日に1時間くらいお散歩なんていうのもいいですよね。

習慣として運動をすることでPMS症状が軽減するとも言われています。症状が出てしまう時期に行うのは厳しいものがあるので、普段から行うとPMS症状を軽くすることができます。運動は形にこだわらず好きな分野のものに取り組んだ方が長続きしやすいです。有酸素運動の例として「ジョギングや水泳」と書かれているからといって必ずしもそれにこだわる必要はありません。個人的にはサイクリングが楽しく、買い物の行き先まで自転車で行ってみるなどしたところ、その月は比較的体調が上向きました。

5:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

by monojussi

PMSの症状が現れる人のうち、5~8%の人は精神的症状が非常に強く出てしまうPMDD(月経前不機嫌製障害)と診断されることもあります。強い精神的不安を呈し、暴力的な行動に出たり、重度のうつ状態から自殺願望まで抱いてしまうことまであり得ます。要するに、主に精神的な症状が非常に重いPMS患者の女性のことをPMDDと診断します。

PMDDと思われる症状や、またPMSの精神的症状の治療に効果的と言われているのがSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ剤の一種です。シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することで抑うつ症状を改善する薬で、黄体ホルモンや卵胞ホルモンなどの作用によって低下していると考えられるセロトニンをおぎなう作用があります。副作用として気分が悪くなり吐き気がするなどの症状が現れることもありますが、1~4週の服用継続で消失することが多いため、服用する場合は一定期間試してみる必要があります。

PMS(月経前症候群)で悩まないで -症状など

最近になってこの月経前症候(PMS(月経前症候群))が脳内伝達物質の1つであるセロトニンの機能障害と関連しており、新しいタイプの抗うつ薬であるSSRI(選択性セロトニン再取り込み阻害薬)が有効であることがわかってきました。

PMS(月経前症候群)の原因の一つにセロトニンの活性の低下があげられています。抗うつ剤は、このセロトニン作用の低下がPMS(月経前症候群)の抑うつや不安、攻撃性、集中力の低下などの精神症状の原因と深く関わっているという考え方から、セロトニンの活性化を図り、PMS(月経前症候群)を改善しようというものです。

最近は各種のSSRIが開発され、PMS(月経前症候群)に対して有効であることが確かめられています。またSSRIは従来の抗うつ剤に比較し、副作用が少なく、服用しやすいこともメリットです。 PMS(月経前症候群)のうち抑うつなどの精神的症状が強い人には向いていると言えるでしょう。処方は産婦人科などでされる場合もありますが、処方されない場合は、精神科での処方となります。

6:サプリメント・漢方

by detritus

食事だけでは補うのがなかなか難しい栄養素をサプリメントで補うことも、症状の緩和に効果があります。即効性のあるものではないので、2~3ヶ月継続して服用して効果を見極める必要があります。

生理前のイライラ…PMS解消サプリ - [美しくなるサプリメント] All About

■テアニン(お茶)
テアニンはお茶に含まれているアミノ酸の一種で、リラックス成分です。でも、お茶の中には体を興奮させるカフェインも入っているので、大量に飲むことはおすすめできません。PMSケアとして使う場合は、テアニンだけを抽出した飲料やサプリメントを利用してみてください。精神バランスの乱れを感じたときに利用すれば、感情を落ち着けてくれます。

■γ-リノレン酸(ガンマリノレン酸)
γ-リノレン酸は、脂肪酸の一種で、女性ホルモンを整える成分として注目されています。PMS以外にも生理痛でお悩みの方にもおすすめです。PMSの時期だけでなく、毎日摂り続けることでホルモンバランスを整える手助けをしてくれます。
・月見草
・マツヨイグサ

■チェストツリー(イタリアニンジンボク/セイヨウニンジンボク)
ホルモンバランスを正常化するハーブで、母乳の出を良くしたり、不妊治療にも使われてきました。PMSの時期だけでなく、毎日摂り続けることでホルモンバランスを整える手助けをしてくれます。

ビタミンCやハーブのセントジョーンズワートなど、低容量ピルとの併用を避けた方がいいサプリメントもあるので注意が必要です。ただし、それ単体であればPMSの症状改善によい効果をもたらすこともあるので、状況に応じてサプリメントを選択するといいでしょう。

ビタミンCはピルと一緒に飲んじゃダメ? - [美しくなるサプリメント] All About

美肌サプリの定番といえばビタミンC。そのビタミンCですが、ピルとの併用にはちょっと注意が必要そうです。

1981年英国メディカルジャーナル  Briggs MH氏の論文にこんな報告があるのです。
『低用量ピル(トリキラー、トリファジル、ノルデット)の服用者12人が、50mgまたは1000mgのビタミンCサプリメントをピルと一緒に服用。その結果、ピルユーザーが大量のビタミンCを摂取すると、低エストロゲンピルでも高エストロゲンピルと同じだけの強い作用が見られるようになることがわかった。』

つまり、低用量ピルを摂っていても、高用量ピルと同じだけの作用が出てしまうのです。それはつまり、副作用も強く出てしまうということ。偏頭痛や吐き気など、ピルの副作用は人それぞれですが、副作用が気になっている方はビタミンCとの併用には注意しましょう。

ピルと併用した場合、セントジョーンズワートとの相互作用により、ピルの効果を弱めしまうことが知られています。避妊のためにピルを摂っていても、作用が弱くなれば妊娠の可能性が高くなります。また、子宮内膜症など治療のためにピルを使用している場合、ピルの作用が弱まれば病気の治療に支障をきたしてしまうので、ピルユーザーはセントジョーンズワートの併用は避けましょう。

PMSには漢方薬の服用も効果的と言われていて、産婦人科でも取り扱いのあるところでは保健適用で処方してもらえます。こちらもサプリメントと同様に、2~3ヶ月試して体に合う・合わないを見ていく必要があります。

ウーマンズヘルス|日常の予防|漢方薬に向いている人、向いている病気

月経前症候群(PMS)や月経不順、月経痛などの症状にも、漢方薬が効果を発揮することがあります。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、抑肝散(よくかんさん)

なお、女性同士でも「月経の前は体の調子が悪くなる」という共通の認識はあるものの、人によって症状は千差万別なため、PMSはなかなか理解されづらい病気です。日常生活に支障がない軽い症状の人がいる一方で、症状が重くて毎月必ず寝込んでしまうような人もいるのに、その両方がPMSという共通の原因によるものだと気付かないことも多いです。そして症状が重たい人は「精神的に参っているせいだろう」とか、「自分は体調を崩しやすい体質なのだ」と誤解している人も少なくありません。

事実、私自身も大学に入学するまではPMSという存在を知らず、定期的に激しい気分の落ち込みやめまいを感じてベッドから動けなくなっていたにもかかわらず、それは自分の性格の問題だと思っていました。大学時代に友人のアドバイスから低容量ピルの服用を始めたところ、完全に解消はされなかったものの、症状は劇的に改善され、現在はピルを服用しつつ他のアプローチからの症状改善を目指しています。

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in コラム,   Posted by darkhorse_log

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