日本人が住みたい国1位のマレーシアで海外ノマドしてみた
ノマドとは近年定着しつつある「特定のオフィスなどを持たない働き方」ですが、ノマドをマレーシアでやったらどんな生活を送る事になるのか。実際に体験してみました。
こんにちは!世界新聞特命記者の豊永奈帆子です。今年の4月から、パソコン1台で働きながら1ヶ月ずつ場所(国)を変えて旅をしています。香港、タイ・チェンマイ、ラオス、中国・大理に続いて、5ヶ国目のノマド滞在国として選んだのがマレーシアのマラッカです。
マラッカを選んだ理由は、3年前に旅行でマラッカを訪れた際に「キレイな街だな。いつか住んでみたい」と思ったからです。また、街のサイズ的に徒歩、自転車で十分楽しめること、その前に滞在していた中国の昆明からLCC(格安航空会社)であるエアアジアが飛んでいたのも決め手になりました。ちなみにマレーシアはフォーランドリアルティネットワークのサイトによると、財団法人ロングステイ財団の調査において、8年連続(2006~2013年)で日本人が住みたい国No.1に選ばれています。
マラッカの街並み。2008年にユネスコの世界遺産に指定されただけあって、すごく魅力的です。特に、川沿いの雰囲気はロマンティックです。
◆マレーシアの魅力
マレーシア滞在で刺激を受けたのが、マレーシアが「多民族国家」であることでした。
Wikipediaの「マレーシア」の記事によると、「マレーシアは、民族構成が極めて複雑な国の一つであり、多民族国家である。単純な人口比では、マレー系(約65%)、華人系(約24%)、インド系(印僑)(約8%)の順で多い」とあります。
20年以上を日本で過ごした私にとっては、マレー系、華人系、インド系の人達がそれぞれ「マレーシア人」として同じ国に生活しているのが興味深かったです。街の中でも住み分けがあり、一歩中華街(チャイナタウン)に入れば、看板も中国語表記だらけでした。
リトル・インディアと呼ばれるインド街では、たくさんのインドの服が売られていました。
◆マレーシアの食事情
多民族国家であるマレーシアでは、中華系の人が作る中華料理、インド系の人達が作るインド料理など本格的な味を楽しむことが出来ました。インド系のレストランはお客さんもほぼ全員インド系で、「私はインドにいるのでは?」と錯覚してしまうこともありました。ただ、中華系レストランでは中国語、インド系レストランではマレー語のみのメニュー表記のお店が多かったのは多少苦労しました。
インド料理のお気に入りはバナナリーフカレー。4.5リンギット(約150円)
節約したければロティ・チャナイ(薄くのばしたパン生地を何層にも重ねて焼き上げたもの)を頼めば、カレーが付いてきます。1リンギット(約30円)。
中華といえば飲茶。1人10リンギット(約300円)。
定番のココナッツたっぷりのラクサ(ココナッツミルクベースのスパイシーなスープに麺が入ったもの)。4.5リンギット(約150円)。
現地のかき氷チェンドルも2.5リンギット(約80円)。ここのお店は昭和の雰囲気が好きでよく通いました。
作業用のカフェは、個人経営のオシャレなカフェもありましたが、早くに閉店してしまうお店が多かったため、香港のチェーン店であるPacific Coffeeに行くことが多かったです(営業時間:10時〜0時)。
◆マレーシアの住居事情
マレーシアでは、1ヶ月間ホステルの一人部屋に滞在していました。元々はドミトリーで一泊15リンギット(約450円)を予約していたのですが、1ヶ月滞在するということを話すと特別に1ヶ月300リンギット(9000円)で泊めてくれることになりました。長期滞在の場合は割引してくれる宿泊先が多いと感じるので、長期滞在が決まっている場合はぜひ事前交渉してみることをオススメします。
一人部屋。必要最低限ですが、これまでドミトリーに泊まることが多かったので、プライバシーが確保できて良かったです。
屋上の共用スペースは夜になるとホステルの宿泊客との飲み会スペースになることもありました。
◆マレーシアノマドのある一日
7時:起床。この時間だとマレーシアはまだ薄暗いです。水シャワーを浴びて目を覚まします。
8時:ホステルで朝食(トースト3枚無料)。朝食を外で買わずに済むのは嬉しいです。
9時:ホステルの共用スペースで仕事。日中は暑くなってしまうので、できるだけ涼しいうちに仕事を片付けます。
12時:お昼。屋台で好きな串を選んで食べます。
13時:カフェに移動して作業。
19時:ホステルのゲストと自転車で夜ご飯へ。
19時半:夜ご飯はマラッカ名物チキンライスボール。写真は二人分。チキン1人前で4リンギット(約120円)。ライスがお団子状に丸められているのが特徴です。
21時:ホステルの共用スペースで仕事。飽きたらホステルのゲストと話して気分転換。
◆ マレーシアで出会った人達
マレーシア滞在中には、ホステルでは数多くの外国人、また、ホステル外ではたくさんの中華系マレーシア人の友人を作ることができました。
・マカオ人の翻訳家ノマド
滞在中のホステルで、マカオ人の翻訳家に出会いました。ポルトガル語と中国語の翻訳をしながら、2009年から数ヶ月毎に違う国に住む生活をしているということでした。私は、ノマド生活5ヶ月目にしてすでに、一つの国に落ち着きたい願望が出てきましたが、彼女は「移動続きの生活が飽きっぽい自分には合っている」と言っていたのが感慨深かったです。
・中華系マレーシア人のマッサージ店のオーナー
最近、マッサージ機器のお店をオープンさせたという中華系マレーシア人。中華系の人は、どこに住んでいても「オーナーになりたい」という意識が強いのに驚かされます。月曜日から日曜日まで毎日お店に居るといいますが、「前からやりたかったことだから、苦痛ではない」と言い切る姿が印象的でした。
・マレーシア在住20年の日本人女性
中華系マレーシア人男性との結婚がきっかけでマレーシアに移住。どこに住めばよいか迷う私に、「どこでも、住めば都よ!」という一言を頂きました。彼女の使う英語の単語もマレーシア人流の英語が混ざっていて、住んでいる場所から受ける影響は大きいと改めて感じました。
◆マレーシアノマド週末編
中華系マレーシア人達とのBBQでは、日本では見ないマントウ(中国の蒸しパン)などの食材を使うのに驚かされました。これは毎週末に開催されるナイトマーケット。多くの食べ物の屋台があり、演歌風の音楽が流れていたりして、日本の夏祭りを思い出しました。
◆マレーシアでのノマド生活収支(1ヶ月)
【支出】
ホステルのプライベートルーム:1泊10リンギット×30日間=300リンギット(約1万円)
食事、カフェ代:1日約15リンギット×30日=450リンギット(約1万5000円)
マラッカ内での交通費:なし
→ホステルでの自転車無料貸し出し+ほぼ徒歩移動のため
・マラッカまでの移動費
国移動費(中国の大理からクアラルンプールへ):9697円
空港からマラッカへのバス:35リンギット(約1100円)
→私はマッサージチェア付きの高いバスを利用してしまい高くなってしまいましたが、もっと安いバスもあるようです。
合計:約3万6000円
(海外保険は年間10万円のものに加入しています)
【収入】
寄稿記事(5媒体):数万円
→旅行記事やアジアIT事情、英語学習についての記事など、GIGAZINEを含め5媒体に寄稿しています。
ブログ広告収入:数千円
→個人ブログ・海外ノマド女子〜Nahoko’s Way〜(日本語+英語)でのアドセンスとAmazonアフィリエイトの広告収入。
YouTube広告収入:数千円
→ YouTubeチャンネルで日本語、英語、中国語の動画を配信しています。
メルマガ収入:数千円
→ 毎日のノマド生活の日記をメールマガジンとして発行しています。
黒字化達成です。今のところ収入の主は寄稿記事なので、ブログやYouTubeなど自分のメディアでも稼げるように力を入れたいと思います。
◆マレーシアノマドまとめ
マレーシアでのノマド生活は、食事も種類が豊富で、手頃な値段で食べられるのが良かったです。ただ、日中は暑いので、暑いのが苦手な人には向いていないかもしれません。首都のクアラルンプールが注目されることも多いですが、もう少しこじんまりとした街が好きという人にマラッカはぜひオススメです。
また、マレーシアでは中華系の人も多いため、マレーシア人と間違えられて話しかけられることも多かったです。東南アジアの他の国では、明らかに観光客だと分かってしまう国も多いので、道を歩いていて目立つのが嫌な人にとって、マレーシアは良いと思います。
海外に行く際、現地語を勉強するのが一番ですが、数ヶ月しか住まない場合には現地語を勉強するモチベーションを上げるのは大変です。その点、マレーシアは英語力もアジアでもトップクラスであり、移住先として人気の理由の一つだと思います。また、マレーシアはビザなしで3ヶ月まで滞在可能なので、海外に数ヶ月住んでみたいという人には最適だと思います。入国カードの記入もないのには驚きました。
次は、カンボジアに飛びます。
文・取材:豊永奈帆子 http://jp.nahokotoyonaga.com
監修:世界新聞 sekaishinbun.net
・関連記事
中国でノマドしてみたらイメージが一変した - GIGAZINE
ラオスで1か月海外ノマドしてみたら生活費は3万円だった - GIGAZINE
アジアで3番目に安く過ごせるチェンマイでノマド生活してみた - GIGAZINE
香港で「海外ノマド」をやってみたら10万円の大赤字だった - GIGAZINE
・関連コンテンツ