受けた電波で発電するのでバッテリー不要&ワイヤレスでプログラムの書き換えが可能なコンピューター「WISP」
あらゆるモノがインターネットにつながるIoTによって、日常生活は一変すると期待されていますが、IoT端末の実用化にあたって小型で容量の大きな高性能バッテリーの登場が待たれています。しかし、そもそもバッテリー不要であればバッテリー切れを心配する必要もないということで、電波を受けるとエネルギーが生じてバッテリー不要で駆動できる小型のコンピューター「WISP」がワシントン大学の研究者によって開発されています。
Wisent: Robust Downstream Communication and Storage for Computational RFIDs
(PDFファイル)http://arxiv.org/pdf/1512.04602v2.pdf
This Battery-Free Computer Sucks Power Out Of Thin Air | Co.Design | business + design
http://www.fastcodesign.com/3059141/this-battery-free-computer-sucks-power-out-of-thin-air
WISP Technology Needs Neither Battery Nor Wires | Digital Trends
(ムービー自動再生)http://www.digitaltrends.com/cool-tech/wisp/
バッテリー不要の小型コンピューター「WISP」がどんな端末なのかは、以下のムービーを見れば分かります。
TU Delft TV - Short | Wisent - YouTube
研究者のプレゼミスロウ・ポールクザック氏が手に持っているアンテナのような端末が、バッテリーなしで使えるコンピューター「WISP」です。
WISPは受けた電波をエネルギーに変えて駆動できるコンピューターで、バッテリーなしで使えます。バッテリーはないので、当然、充電は必要ありません。
バッテリーなしで動くWISPですが、これまではプログラムを書き換えるためにケーブルを使ってPCと接続する必要があったとのこと。
今回、研究者たちはWISPプログラムをワイヤレスで書き換えることに成功。つまり、WISPはバッテリー要らず&ケーブル要らずで無線でプログラムを書き換えることが可能ということで、適宜プログラムの更新を受けて半永久的に駆動できる端末になったというわけです。
バッテリーがいらないだけでなく、ワイヤレスでプログラムを書き換えられるWISPはIoTでの活用範囲は無限大です。
WISPはワシントン大学センサーラボの研究者が開発した小型のバッテリーレスコンピューターで、帯域幅はBluetooth LEと同等程度で演算性能はウェアラブル端末Fitbit程度を実現しており、主にセンサー情報を継続的に測定するような用途での使用が想定されています。
まだ開発初期段階のWISPですが、すでにバッテリーなしでセンサー情報を読み取ることに成功しており、今回、遠隔からのワイヤレス・リプログラムに成功したそうです。バッテリーレス&ワイヤレスプログラム更新が実現することで、WISPの活用例として、ユーザーの健康状態を追跡して送信するフィットネス用ウェアラブル端末や高速道路の橋桁など構造物の状態を検出して送信するセンサー端末などへの応用が検討されています。バッテリーが不要で遠隔でプログラムを更新できるWISPのような端末の登場で、今後、さまざまなIoT端末が登場が期待できそうです。
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