GMNマンスリー(第9回)
「ママ目線で考える社会貢献
~国際協力と被災地支援、そして地域活動~」
- 日時: 2012年4月21日(土)
- 会場: アトムCSタワー5階(港区新橋4丁目31-5 地図)
- 時間: 13:00~16:30
- 主催: 一般財団法人International Women’s Club JAPAN (IWCJ)
- 協力: アトムリビンテック株式会社
開催概要:
~ママだからこそできる社会貢献活動とは何か、考えてみませんか?~
東日本大震災を機に、たくさんの人が社会貢献を意識するようになりました。被災地の母子の状況を知るにつけ、胸を痛めたママも多いのではないでしょうか。途上国の妊産婦支援NGOジョイセフには、震災直後から「被災地のお母さんや赤ちゃんのために何かしたい」という声が多数寄せられたそうです。そこで、ジョイセフは国際協力での経験を生かして被災地の母子の支援に乗り出し、たくさんのママたちがそれを応援しました。今では、被災地支援をきっかけにジョイセフのアフリカでの活動、途上国の妊産婦の過酷な状況を初めて知ったママたちが、国際協力にも関心を示し、応援してくれるようになったそうです。震災後、世界中から支援が寄せられた背景には、ジョイセフのようなNGOや日本政府が地道に行ってきた国際協力の実績がありそうです。
私たちGMNが考える「グローバル」とは、「Globe(地球)をシェアするすべての人・環境の多様性を認識した上でリスペクトし、その中で自分の居場所を見つけて生きること」。共感する力・共存する姿勢を育むことが大切だと考えています。お母さん自身が国内や世界で起こっていることに関心を持ち、出来る範囲で問題解決に携わっていこうという姿勢を持つことで、子どもは多くを学ぶのではないでしょうか。妊娠・出産や子育てといった共通体験を通じて地域や国境を越えて連帯感を持ちやすく、想像力を働かせることができるママたちは、社会貢献の重要な担い手でもあります。
そこで、4月のGMNマンスリーでは、国際協力・外交のプロフェッショナルとして最前線で活躍する小野美智代さん(ジョイセフ)と小野日子さん(外務省)をお迎えし、「ママ目線」から、国際協力や被災地支援についての現状や課題、一人ひとりのママがとれるアクションについてうかがいます。さらに、お二人が今のキャリアを目指したきっかけ、仕事が子育てに、子育てが仕事に互いにどんな影響をもたらしているか?国際協力や外交で活躍する人材に必要な資質とは?といった点についても、お話を聞けるかもしれません。奮ってご参加ください!
小野美智代(おの・みちよ)紹介:
妊産婦と女性を守る国際協力NGO ジョイセフの広報。3才の娘と同い年の夫の3人家族。98年より大学のジェンダーフォーラムの立ち上げや、地方行政の男女共同参画条例づくりに携わる。03年ジョイセフ勤務。05年事実婚を機に静岡県三島市に転居。妊娠〜出産を経て、日本の母子保健の手厚さと優れた助産技術を体感し、ジョイセフ復帰を決意。育休中、母親として、我が子にいのちの誕生の素晴らしさ、リプロダクティブ・ヘルスを伝えていくことの重要性を痛感し、誕生学®アドバイザーの認定資格を取得。職場復帰後すぐ広報グループが新設され初のグループ長に就く。
小野日子(おの・ひかりこ)紹介:
外務省広報文化交流部総合計画課長 8歳男児(小2)の母。戦争体験のある両親の下で育ち、世界の平和のために何かしたいとの一心で、海外生活の経験もないまま外務省へ。以来、気候変動、生物多様性保全等の地球環境問題や、アフガニスタンやハイチ等への途上国支援に取り組む。現在は、予算削減の波に揉まれつつ、日本の文化や魅力を世界にどうアピールしていくか、に頭を悩ませる毎日。英国留学を経て外務省同期と結婚。ワシントンの米国大使館勤務中に長男出産。好きなものは子供の笑顔と寝顔、お茶室でのひととき、散歩・旅(=食べ歩き)。
イベント報告(治部れんげさんのTwitterより):
美智代さんが妊産婦支援に目覚めたきっかけのひとつはネパールの友人が亡くなったこと。英語を解す明るい若い女性がなぜ妊娠出産で命を落とすのか?と怒りを覚えたそうです。途上国女性は水汲みに毎日6時間もかかることがあるそうで、流産や妊婦自身の死が珍しくない環境。一方、日本では安全に妊娠出産できるのが当たり前。途上国の実態を共感ベースで理解してもらうため、出産経験のある著名人にアフリカの妊産婦と会ってもらうことで、支援の必要性を広く日本人に知ってもらうことに成功。昨年の震災後は、被災地の妊産婦支援で活躍しました。特に印象的だったのは妊産婦自身の口座に義援金を振り込むための仕組み作り。世帯主(=男性)ではなく本人に確実にお金を渡すために尽力したのですが、そもそも口座を持っていない女性が多く苦労があったそうです。また、途上国の妊産婦支援では健診を受けてもらうため、日本メーカーの新古着を配るといった工夫も。
日子さんからは、震災後に多くの国が日本に救いの手を差し伸べた理由やODAのお話、危険な地域に出張して交渉に臨まれた際のエピソードなどをうかがいました。地道な活動で現地から感謝されている、といった話がほとんどメディアで取り上げられない問題を感じました。ODAとか霞ヶ関の役所を大雑把にひとくくりにして「ODA=黒い闇」とか「官僚=巨大な権力機構、何かわるいことしてるはず」といった報道のトーンを信じ込んでる若い人には、日子さんの話を一度聞いてほしい。メディアに携わる者としては「大組織」でなく、個人を主語に事実を伝える必要があると思います。
司会をした元UNDPの麻子さんのお話も興味深かったです。海外の山奥に、外国人の同僚と出張すると、なぜか麻子さんだけ親切にされる、と。それは彼女が日本人だからで、山奥までやってきて現地の人と生活を共にして汗を流している海外青年協力隊などの努力のたまものだそうです。
あと、母親が死ぬと女の子の生存率が男の子より下がる(ある途上国の話)というデータもありました。私は日頃、ほぼ同じ国々を「途上国」ではなく「新興国」と呼ぶ経済のはなしにどっぷり浸かっているのでショックです。対談後は参加者の意見交換など。地域で色々な活動をしている/計画中の方が次々に発言して、双方向でとても実りの多い時間でした。会場のアトムCSタワーがとても素敵な空間で、しゃれたリビングルームのような雰囲気でお話を聞けました。 終
<プログラム>
12:50 開場
13:00 オープニング
13:10 対談:小野美智代×小野日子(聞き手:大崎麻子)
「ママ目線で考える社会貢献~国際協力と被災地支援~」(仮)
14:40 質疑応答
15:00 ティータイム&歓談
15:20「わたしの社会貢献・地域活動」~(参加者の皆さまから募集します!)
15:50 まとめ&お知らせ
16:00 懇親会 (最長16:30まで)