尿酸値の敵はビールではなく、アルコールそのもの
第3回 仕組みから分かった! 尿酸値を減らすポイントとは
村山真由美=フリーエディタ―・ライター
健康診断で尿酸値がひっかかっている人は、放置すると痛風発作を起こす可能性が高まるので要注意だ。痛風はある日突然襲ってくる。痛い思いをする前に、痛風とはどんな病気なのか、そして、発作を防ぐにはどうしたらいいかを知っておこう。第1回、第2回では痛風・高尿酸血症の現状と、痛風発作の典型例や応急処置などについて解説した。今回は、尿酸値とプリン体の関係と、仕組みから見えてきた尿酸値を減らすポイントを、帝京大学医学部名誉教授の藤森新さんに聞いていく。
プリン体の7~8割は体内で作られる
第1回 で紹介したように、尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態は「高尿酸血症」と呼ばれ、痛風の発作を起こす可能性がある。尿酸値が基準値を超えている、もしくは徐々に近づいている人にとっては、尿酸値を下げることが課題となる。
では、すべての元凶となっている尿酸をどう減らせばいいのだろうか。
「尿酸はプリン体から作られる」――。これはよく知られていることなので、ご存じの方も多いだろう。
だから、「尿酸値が高い人はプリン体を多く含む食品の摂取を控えたほうがいい」といわれる。そこで、「プリン体ゼロ」の発泡酒を選んだり、レバーや魚卵などを控えている人も多いだろう。
しかし、プリン体は体内でも作られていることをご存じだろうか。食品から摂取するプリン体は全体の2~3割だが、残りの7~8割は体内で作られている。つまり、食事由来のプリン体よりも、体内で作られるプリン体のほうが体に与える影響は大きいのだ。
少し前の食事指導では、痛風や高尿酸血症というと、プリン体を含む食品をとらないようにと言われることが多かった。しかし最近では、食品から摂取するプリン体の影響が必ずしも多くないことが分かってきたため、以前ほど強く言われることは減っている。
とはいえ、高プリン体食品を大量に摂取すれば、その影響は出る。レバーや干物など、プリン体を多く含む食品をよく食べる人は、尿酸値が上がりやすく、痛風になりやすい。だから、尿酸値が高い人は高プリン体食品は控えたほうがよい。※詳しくは第4回で詳しく紹介します