「レモンジーナ」は“土の味”がする……? 発売後にTwitterを駆け巡ったその感想を検証すべく、味覚について研究している“味博士”が検証を試みました。3種類の土を用意し、レモンジーナの味覚と土の味覚が似ているのかを、味覚センサーの数字で比較。実験結果を提示するとともに、なぜ「レモンジーナは土の味がする」とと言われたのかについて迫っています。
▽ 「レモンジーナは土の味?」を味覚センサーで科学的に検証してみた! | 味博士の研究所
▽ http://orangina.jp/lemongina/
サントリー食品インターナショナルが3月31日に発売したレモンジーナは、1936年にフランスで発売され、日本でも人気を集めている「オランジーナ」から派生した炭酸飲料です。レモンジーナの販売は世界で初めて。日本の研究者が2年以上にわたってフランス・パリに駐在し、日本人の味覚にも合う独自のレモンピールエキスを開発したそうです。
しかし発売後、Twitterの一部では「土の味がする」などと話題に。これを受け、味覚を研究する鈴木隆一さんは、人間の舌をモチーフにした味覚センサーで検証を試みました。味覚センサーでは、味覚の基本5味である「甘味」「旨味」「苦味」「塩味」「酸味」を数値で示すことができるそう。サンプルとして栃木産の腐葉土、愛知産の園芸用の土、東京にある研究所メンバーの家の花壇から堀った土の3種類を用意し、レモンジーナの味覚と近い土を探りました。
レモンジーナの味覚は、圧倒的に酸味が強く、苦味と甘味が少しあると判明。その後に明かされたそれぞれの“土の味覚”は、数値に大きな動きが見られず、いずれも無味に等しいという結果になりました。「カブトムシの土の匂いがする土」として用意された園芸用の土は、多少の苦味があったものの、レモンジーナのように強い酸味や苦味は検知されなかったそうです。
鈴木さんは「レモンジーナは”味覚上は”土の味ではなかった」との結論を出しながら、それではなぜ“土の味”を感じた人がいるのかと再び提起。これには嗅覚による影響があるかもしれないとの仮説を立てました。続けて「レモンジーナから『大地の香り』を感じたために、脳が『土っぽい味だ』と錯覚したのかもしれません」と解説しています。
実験結果について、はてなブックマークのコメント欄には「飲み込むと一瞬だけそれっぽい香りがふわっとした。口に含んでるだけだと土っぽさは感じなくて、後味にも全然感じないし、ほんの一瞬だけだから面白かった(つまり味じゃなくて匂いのせい)」「鼻つまみながら飲み食いすると味全然無くなるよね。香りって凄いんだろうなって思う」「土の味と聞いて恐る恐る飲んだけど美味しかったよ。ちゃんとレモン味」などの感想が集まっています。