【子連れ帰省のイロハ】第1話:子どもとラクに移動するための、ごきげん旅じたく
編集スタッフ 寿山
小さな子どもと一緒に出かけるときは、何かと準備が必要ですよね。
「備えあれば憂いなし」と言いたいところですが、どんなに入念に準備しても、ときにハプニングは起きるもの。
まして子連れの帰省や旅行となると、さまざまな交通機関を乗り継ぐ場合もあり、ただただ無事に目的地に着くことを祈るばかり……
1歳9か月の娘がいる私は、子どもと二人きりで実家のある九州に帰省するとき、いつもプレッシャーを感じてしまいます。
私と同じような悩みを抱くママが、少しでも気楽に子どもと旅を楽しめたらと生まれた今回の特集。
子連れ帰省の経験が豊富で、“整理収納” を仕事とするライフオーガナイザーの田中由美子さんに、帰省の際の準備について詳しくお話を伺いました。
「家を出た瞬間から勝負の連続ですよね」
笑顔で帰省にまつわるいろいろなエピソードを話してくれた田中由美子さん
大阪出身の田中さんは、年に1〜2回ほどご実家へと新幹線で帰省しています。ほとんどの場合、ご主人は仕事の都合で留守番。5歳になる息子さんと2人きりで移動しています。
子連れ帰省の回数は、もう十数回目。その都度さまざまなハプニングを経験してきました。
田中さん:
「もう家を出た瞬間から勝負の連続ですよね。子どもって何をするかわからないから。慣れはしても、今日は完璧なんてことはなくて。だからこそ思いつく限りの対策はしたいんですけど。
子連れだから、なるべく荷物は減らしたいですし。毎回葛藤しています」
どうやら田中さんも、私と同じような悩みとプレッシャーを抱えてきたよう。では、これまでどのように子どもと二人きりの帰省を無事に乗り切ってきたのでしょうか?
多くの経験を踏まえた、田中さんの子連れ帰省のコツを教えてもらいました。
必要なものを「配送」「手荷物」「現地で買う」3つのカテゴリーに分類
田中さんの荷づくりは、持ち物リストをノートに書き出すところから。
まずは帰省に必要なアイテムを「配送」「手荷物」「現地で買う」と3つのカテゴリーに分類し、配送用のダンボールを準備。
ダンボールには、おもに着がえと帰省中に読む本、それに洗濯ネットと家にある空き箱を入れるといいます。
洗濯ネットは、自分たちの洗濯物が実家のものに紛れ込まないための必需品。空き箱は荷物の仕切りにもなれば、実家暮らしでの簡易収納として活用できるそう。
およそ半分ほどは余白を空けておき、現地で買ったものや土産品をつめるスペースに。オムツやおしりふき、その他日用品は現地で購入し、荷物を最小限に抑えています。
帰省時のカバンの中身を見せてもらいました
手荷物は、「PORTER」の リュック(商品名は “UNION” )に詰めて。入れるものは、ふだん持ち歩いている小ぶりのトートバッグと財布などの必需品に、出発当日の朝まで使うメイク道具や充電器、常備薬を加える程度。
大きなリュックなので、これらを詰めても、半分以上のスペースが残るそう。
空いたスペースは、子どもが汚した服やタオルを入れたり、準備し忘れた手土産を買って入れたり、予期せぬ状況に備える余白だといいます。
不在中に、手配しておきたいこと
田中さんが大切に育てているグリーンたち
長期にわたって家を空ける際、不安はつきもの。仕事で帰省できずに留守番することが多いご主人のためにも、田中さんが前もって手配しておくことを教えてもらいました。
田中さん:
「不在中は、グリーンが枯れてしまうのではと心配になります。枯らさないためにも、あらかじめ夫が水やりしやすいよう、鉢植えをベランダの出入り口付近に集めておきます。
ガーデニングポットもそばに置いておき、水をあげて欲しいタイミングでメールすれば安心です。
もうひとつ心配なのが、冷蔵庫の食材。一週間以上家を空けるときは、思いきって冷蔵庫を空っぽにするんです。
私がいないとき、夫は外食することがほとんど。食材を残しておいても、無駄になってしまうこともあるので。
ついでに隅々まで掃除すれば、年末の仕事がひとつ減ってラクですよ」
キッチンはご主人とDIY。タイルを貼ったり飾り棚を設置したり、少しずつ理想をカタチにしていったそう
そのほかに、ご主人がわかりやすいようにゴミ出しのスケジュールを書き出して、玄関そばの扉に貼り出しておくそう。
そうして最低限やってほしい家事が滞らないよう段どりしておけば、留守番中のご主人も、帰宅したときの田中さんも困らないといいます。
玄関そばの防火扉に貼ってあるマグネット付きのファイルケース。ゴミ出しの情報のほかにも、夫婦で共有したい書類をしまってあるそう
さらにご主人に余裕があれば、アンティークのダイニングテーブルにワックスをかけてもらうのだとか。
田中さん:
「子どもがいると、家具のメンテナンスまではなかなかできないんです。だから帰省時にやってもらえるとすごく助かります」
ママの幸せを左右する、座席えらび
子どもと一緒の長旅で、荷づくりと同じくらい大切なのが、新幹線の座席えらびだと話す田中さん。今年で5歳になる長男にまだ授乳が必要な頃は、多目的室がある車両を予約していたそう。
田中さん:
「多目的室は原則として身体が不自由な人が優先して使用できる個室ですが、空いていれば授乳や着替え、体調不良のときなどに使わせてもらえるんです。
私が乗る東海道新幹線だと11号車にあります。ママや家族連れなど、同じような状況の方が多い車両で、気分的にもラクでした。
それに息子がグズったらすぐ席を立てるよう、なるべくデッキに近い通路側の席を選ぶのも、個人的に気をつけているポイントです」
ベビーカーを持ち込む場合は、どの車両でも最後部座席を予約すれば、座席のうしろに置くスペースがあるそう。
田中さんが利用するJRの東海道新幹線の11号車には、「車椅子対応座席」という席もあって、3列シートのうち1列分が空きスペースに。空いていれば利用も可能だといいます。
帰省シーズン中は予約したい席が空いておらず、自由席に座るために並ぶことも。そんなときは座席数の多い2号車がおすすめなのだとか。
出発したい時刻の1時間ほど前に駅へ行き、構内で絵本やおやつを買って、子どもと旅気分を楽しみながら待つそう。
そうして周囲にも子どもにも負担をかけない座席をえらぶことで、長時間でも安心して乗車できると田中さんは話します。
※現在JRでは、家族連れの乗車客に向けた「ファミリー車両」という座席も販売しています
帰り支度のすすめ
自宅へ帰りついた日は、子どもも自分も疲れていることが多く、なるべく負担を減らしたいと田中さん。そこでポイントになるのが「帰り支度」です。
田中さん:
「荷物は行きと同じように『配送』『手荷物』『処分』と3つに分類します。配送用のダンボールには、衣類のほかに土産品や買ったものなどもつめます。ワレモノがあれば洋服にくるんで。
前日までに洗濯できなかった汚れ物などは、洗濯ネットに入れておいて、帰宅したらすぐ洗濯機へ。
持ってきた本や雑誌は、そのまま実家に置かせてもらって。余ったオムツや日用品は、処分するか子どもがいる親戚に譲ります」
そうすることで荷物の量を最小限に抑え、また身軽に帰路につけるといいます。
出発前から帰宅するまで、田中さんの経験にもとづいた準備についてお届けしました。
徹底した荷物リストの見直しが、ママがごきげんでいるためのポイント。
当日無理をしないためには、何より出発前の入念な準備が大切だとういうことがよくわかりました。
ママの負担が減れば、子連れの移動をより楽しく過ごせるのではないでしょうか。
さて、次回はそんな田中さんの移動時間と滞在をハッピーに過ごすアイデアについてお届けします。
(つづく)
【写真】木村文平(9枚目のみクラシコム)
もくじ
田中由美子(ライフオーガナイザー)
横浜市で夫、5歳の男の子と3人暮らし。マイホーム購入を機に長年の片付け下手に向き合い、ライフオーガナイザー一級資格を取得。 “家を片づけて自分を好きになる事が出来た” という経験から、ライフオーガナイズで家も人生も「もっと楽に。もっと生きやすく!」をモットーに、片づけに悩む人、忙しいママ達を応援している。現在は個人での活動の他、宇高有香主宰「ウチカラ」の外部スタッフとして活動中。
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