こんにちは、アイデア総研の大澤です。
数多くあるアイデアの発想技法の中でも、使いやすさや有用性で”鉄板”といわれるものがいくつかあります。
今回紹介する”マンダラート”もその1つで、多くの企業やワークショップなどの場でアイデア発想法として活用されています。
またマンダラートはアイデアの発想以外にも思考の整理や目標設定など、幅広く活用可能な万能思考ツールでもあります。
そんなマンダラートのやり方と活用法について、詳しくご説明したいと思います。
マンダラート(マンダラチャート)とは
みなさんは曼荼羅(マンダラ)をご存知でしょうか。
曼荼羅とは仏教(密教)における世界観を視覚的にあらわした絵画で、古代インドを起源として日本でも多く製作されています。
この曼荼羅のように中央から放射状に広がるマスを用いた発想法がマンダラート(マンダラチャート)です。
マンダラートはデザイナーの今泉浩晃氏によって考案された発想法で、その使いやすさと有効性からビジネスの場で広く活用されています。
マンダラートのやり方は非常にシンプルです。
紙やパソコンで3×3のマスを作成し、考えるべきメインテーマを中央に書き、それに関連した事柄を周辺に書いていきます。
ハスの花を広げるようにアイデアをどんどん展開していくことで、さまざまな視点からのアイデアが次々と生まれます。
決められたマス目をすべて埋めるという点では、2×2マトリックスを用いた発想法(マトリックス法)と類似しています。
マトリックス法との大きな違いは、8つのマスの位置関係にはこだわらなくてよいという点です。
マンダラートのやり方
マンダラートを行うには、マスを書くための紙やホワイトボードが必要です。
手帳を用いる場合は手のひらサイズのもので十分です。
パソコンを使用するのであれば、Excelなどが表演算ソフトがあると便利です。
マンダラートの作り方
まずは3×3のマス目を作成しましょう。
はじめに、中央のマスにこれからアイデアを検討したい”メインテーマ”を書きましょう。
スペースが限られているので、自分だけがわかるように短い単語にしてかまいません。
ここでは”新しい傘のアイデア”を考えてみたいと思います。
その後、周囲の8つのマスにメインテーマから連想した単語を書いていきます。
書く内容には細かいルールはありませんので、とにかくメインテーマを見て頭に直感的に浮かんだものをどんどん書いていきましょう。
この段階では、具体的なアイデアというよりは連想した単語のままでかまいません。
今回の例であれば、傘を構成する要素を8つあげてみることにしましょう。
マンダラートの唯一のルールは”必ず8つ全てのマス目を埋める”という点です。
アイデアは出なくなってからのほうが独創性が高くユニークなものが出やすいといわれており、無理やり埋めた最後のマスにユニークなアイデアが出ることも少なくありません。
この8つという数が絶妙で、多すぎず少なすぎず、強制的に連想を行うのにちょうど良い数なのです。
マンダラートを展開しよう
ここまででメインテーマに関する8つの切り口が得られました。
次に、作成した8つのマスのうちの一つを選び展開していきます。
ここでは”素材”を展開してみましょう。
あらたに3×3のマス目を作成し、中央に”素材?”と記入します。
同じように、周囲の8つのマスに”傘の素材”で思いついた言葉を書いていきましょう。
この段階までで、すでに新しい傘に関する8つのコンセプトを得ることができました。
このように、新たなアイデアの種となるコンセプトを数多く得ることができるのマンダラートの利点なのです。
マンダラートの活用法
マンダラートの基本的なやり方がわかったら、さまざまなケースで応用してみましょう。
多方面に展開していく
はじめに3×3のマンダラートを作成したら、出された8つのマスそれぞれを中心とした新たなマンダラートを計8つ作成します。
時間はかかりますが、すべてのマス目を埋めることで8×8=64のアイデアを得ることができます。
中にはアイデアを展開しにくいテーマも出てきますが、普通に発想しては得られないような意外な観点からのアイデアを得ることができるでしょう。
”何かありそう”な場所を深堀りしていく
マンダラート8つのマス目のうち、”何かありそう”と感じるマスのみをどんどん深掘って展開していきます。
たとえば、新しい傘の素材で得られた切り口のなかで「紙の傘って何かあるんじゃないかな?」と直感的に感じたとしましょう。
メインテーマを”紙?”としたマンダラートを作成してみます。
たとえば紙製で折り紙のように薄く折りたたみ可能で、使い終わったら燃えるゴミとして捨てられる傘というアイデアはいかがでしょうか。
このように繰り返し深掘りを行うことで、ボンヤリしたイメージが徐々にブラッシュアップされ、具体的な企画として落とし込まれていきます。
結果として、直感的に短時間で具体的なアイデアまで落とし込むことが可能です。
さかのぼって考える
さらに応用編として、さかのぼりマンダラートを作成してみましょう。
傘をテーマとして、3×3のマス目の周囲の部分にテーマをおいて考えます。
とりあえず傘と近い概念のものを7つ考えてみましょう。
これらの中心にくるべきメインテーマは何でしょうか。
”雨に濡れないためのグッズ”ですね。
テーマをさかのぼって考えることで、そもそも考えるべきテーマは”新しい傘”ではなく”雨にぬれないための新しい方法”であることに気付くかもしれません。
それによって、傘という概念を超えた全く新しい雨具のアイデアにたどり着けるかもしれません。
大谷翔平選手のマンダラート
マンダラートは目標設定にも活用することができます。
投手と野手の二刀流で有名な現北海道日本ハムファイターズ所属の大谷翔平選手が高校時代に作成した目標達成表にもマンダラートが使用されていました。
花巻東高校の佐々木洋監督がビジネス書で出会い指導に取り入れていたということですが、その完成度の高さはまさに驚きの一言です。
技術的な課題のみならずメンタルや人間性にも目を向けているあたりは、大谷選手が後にプロとして大活躍するための素養が感じられます。
アイデア創出のためだけにとどまらず、目標設定にも使用できる応用性の高さこそがマンダラートの真骨頂といえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マンダラートはさまざまなアイデア発想法の中でも最もシンプルで使いやすいものの1つなので、まずは試しにやってみましょう。
”今週中にやることリスト”を書き出してもよいですし、今悩んでいることや将来の夢を書き出してみるのもよいでしょう。
思いのほかすんなり8つのマス目が埋まることに驚くのではないでしょうか。
作成したマンダラートは後から見返すことで、アイデアを確認したり思考を整理することができます。
一生使える思考ツールとして、末永く愛用してください。
source:newspicks.com
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