クラウドワークスは2012年3月21日14時から、同社のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」ベータ版の提供を始めた(関連記事:クラウドワークスが増資、“時給払い”も可能なクラウドソーシング事業を加速)。
クラウドワークスは、あらかじめ登録している発注側の企業(クライアント)と、受注側のエンジニアやクリエーター(メンバー)との間でネットを介して仕事のマッチングを可能とするサービスプラットフォームである。非対面のままで仕事のマッチングだけでなく、業務遂行、報酬支払いまでを可能とする機能も用意する。
同社の吉田浩一郎社長に、開発の背景や現時点での手ごたえを聞いた。
このサービスを始めることにした動機づけを教えてください。

エンジニアのマネジメント8年やってきた経験から「今の企業の環境では、エンジニアの集中力が最大化されていない」と感じていました。
具体的に言うと、朝9時に来て夕方5時に帰るという企業の就業規則では十分に力を発揮できないエンジニアがいます。深夜に仕事をする優秀なエンジニアが実は多いのですが、彼らは残業代が欲しいから夜に仕事をしているのではなく、その時間に最も集中力が高まり成果があるから仕事をするのです。
しかし、企業としては残業代を払いたくないとか、深夜の労働は避けたいと考えます。管理部門との摩擦だけでなく、企業のコアタイムにいないというだけで「彼は怠けている」という社内のあつれきも生じかねません。
そこで、フリーランスのエンジニアが、自分のペースで最大のパフォーマンスが発揮できる環境とはどのようなものかを考えました。それが企業と開発者を結び付け、進捗も管理できるクラウドワークスです。スマートフォン向けアプリに代表されるように、Web上での共同開発が簡単になってきたことが追い風になりました。
クライアントの期待を感じる
ターゲットは、開発スキルの高いエンジニアということになるのでしょうか?
そうです。実際に、現状登録されている案件の一部を抜粋しますと、「クローラー開発」「HTML 5の開発」「電子書籍のアプリ」など最先端の案件が数多く寄せられています。
またその時給も2000円~4400円と比較的高単価のものもあり、優秀な技術者との出会いを楽しみにしているクライアントの期待を感じます。現在登録されている案件は、当社のWebページで一部を見られます。
ベータ版の公開前に先行募集をかけたのですね。
クラウドワークスは、受注者と発注者がそろわないと成立しないサービスです。両方が無い状態から始めるときには、いわゆる「にわとりと卵」の問題があるので、発注側のリストをある程度先行してそろえることにしました。これによりエンジニアの登録者を増やし、それを見てさらに発注側の数が増えることを期待しています。