産総研が公開している高速化前と後の起動時間比較ビデオ
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knoppixのデスクトップ画面
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 産業技術総合研究所(産総研)は6月20日,1CD Linuxの新版「knoppix5.0.1 CD/DVD日本語版」を公開した。起動を高速化したことなどが特徴。産総研のホームページから無償でダウンロードして使用できる。

 KNOPPIXはCDまたはDVDから直接起動するLinuxディストリビューションで,インストールすることなく使用できる。ドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発しており,産総研はKNOPPIXの日本語化や改良を行っている。

 knoppix5.0.1 CD/DVD日本語版は,LCAT(Live CD Acceleration Tool kit)を適用することによって起動を高速化した。産業技術総合研究所では同じ仕様のパソコンでLCATを適用したknoppixと適用していないknoppixの起動を比較する動画を公開しているが,LCATを適用したknoppixは約1分半で起動したのに対し,適用していないknoppixは起動に約2分半を要した。

 LCATは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」としてアルファシステムが開発した。CDまたはDVDのファイル・システム・イメージの配置を最適化し高速に読み込めるようにする,CDまたははDVDのデータを先読みしてキャッシュする,周辺機器検出を待たずに非同期に起動処理を進めるなどにより高速化している。

 産総研は,LCATがオリジナルのknoppixでも採用されるよう働きかけていく方針。