産業技術総合研究所は2006年6月23日,CD-ROM/DVD-ROMから起動してインストールすることなく利用できるLinuxディストリビューションの新版「KNOPPIX 5.0.1 CD/DVD日本語版」を公開した(写真1,関連記事)。
2006年4月13日に公開した「KNOPPIX 5.0」のバージョンアップ版に相当する。5.0ではDVD-ROMイメージのみが公開されていたが,5.0.1版では更新されたDVD-ROMイメージと併せてCD-ROMイメージ(knoppix_v5.0.1CD_20060601-20060614+IPAFont_AC20060623.iso)も作成した。CD-ROM版は,2005年9月に公開された4.0版以来の新バージョンとなる。
CD-ROM版,DVD-ROM版ともに,KNOPPIX 5.0と同様,高速化ツールキット「LCAT」を採用し,起動時間を約50秒間短縮できたという(写真2)。
主な変更点は,coLinux,パッケージ,起動画面設定などである。coLinuxは,従来Windows側のXサーバーとしてCygwinを用いていたが,VNCも利用できるようになった。パッケージでは,X Window Systemを実装するX.orgを6.9から,モジュール対応の7.0に更新している。カーネルも2.6.15から2.6.17rc版にアップデートした。Firefoxは1.5.0.1から1.5.0.3に,OpenOffice.orgは2.0.1-5から2.0.2-3になるなど,主要アプリケーションも更新した。注意点として,今回からCD-ROM版にはEmacsを収録していない。これは容量の制限による。
細かな変更では,起動時オプションにCAPSキーとCTRLキーを入れ替えるものが追加されている。