<b>写真1 Fedora 7のデスクトップ(test4のもの)</b>
<b>写真1 Fedora 7のデスクトップ(test4のもの)</b>
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&lt;b&gt;写真2 Fedora Core 6のデスクトップ&lt;/b&gt;
<b>写真2 Fedora Core 6のデスクトップ</b>
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&lt;b&gt;写真3 Fedora Core 5のデスクトップ&lt;/b&gt;
<b>写真3 Fedora Core 5のデスクトップ</b>
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 Fedora Projectは2007年5月31日,個人ユーザーなどに人気が高いLinuxディストリビューションの最新版「Fedora 7」(フェドラ・セブン)を公開した。

 Fedora 7は,これまで「Fedora Core」(フェドラ・コア)と呼ばれていたディストリビューションの最新版である。名前から「Core」が取れることになったが,これは「Fedora Core」と「Fedora Extras」の2つに分かれていた開発体制が一本化されたことを受けたため。機能的やパッケージ構成に根本的な変化があったからではない。

 Fedora 7では,3種類のディストリビューションが配布される。(1)ハード・ディスクにインストールして利用できる汎用のLinuxディストリビューション「Fedora 7」,(2)CDから起動できる「LiveCD」のGNOME版,(3)「LiveCD」のKDE版,である。

 デザインの質も高まった。Fedora 7のデザインのモチーフは「気球」(写真1)。Fedora Core 6(写真2)のモチーフだった人の発言を意味する「吹き出し」と,Fedora Core 5のモチーフだった「泡」(写真3)とを合成したものだ。プロジェクト刷新による「上昇」もイメージしているという。

VMwareの上で高速に動作

 Fedora 7の特徴の一つといえるのが,仮想化機能が強化されたカーネル2.6.21を採用したことだろう。このカーネルは,「VMI」(virtual machine interface)と呼ぶ仮想化インタフェースに対応している。

 VMIは,仮想化ソフトとゲストOS(仮想マシン上で動くOS)との間のプログラム・インタフェース仕様。VMIに対応したゲストOSは,VMIに対応した仮想化ソフト上で「準仮想化モード」で稼働させられる。準仮想化モードとは,簡単に言うと,「実機のOSをそのままゲストOSとして動かすことはできないが,仮想化ソフト向けに少し改造すれば,実機に近いくらい高速で動く」というモードである。

 現在,VMIに対応している仮想化ソフトは,VMIを策定した米VMware社の「VMware Workstation 6」などである。つまり,VMwareとFedora 7を組み合わせれば,Fedora 7が仮想マシン上で高速に動作する。例えば,Windows上でVMware Workstation 6を動作させVMIを有効にすれば,Fedora 7を直接実機にインストールしているかのように,サクサク動かせる。

 強化された仮想化機能はこれだけではない。Fedora 7が搭載するカーネルでは,カーネル組み込みの仮想化モニター「KVM」の使用時に,ゲストOSを稼働させたまま,別のマシンに移すことができる「ライブ・マイグレーション」機能に対応した。