Charles Nutter氏とThomas Enebo氏は6月9日、JavaによるRuby処理系「JRuby 1.0」を正式リリースした。両氏が同日東京で開催されたイベント「日本Ruby会議2007」で明らかにした。
JRuby 1.0は,日本時間の6月9日現在,JRubyの公式サイトでもまだアナウンスされていないが,公式サイトのダウンロードページから入手できる。
JRubyは,Javaで記述されたRubyインタプリタ。RubyをJavaバイトコードに変換して実行することから「スケーラビリティが高く,Javaライブラリも使える」。両氏が示したベンチマークによると、JRubyはオリジナルのRuby処理系より速いケースもあるという。
Nutter氏とEnebo氏は米Sun Microsystemsの社員で、業務としてフルタイムでJRubyの開発を行っている。
講演では、JRubyでJavaのGUIライブラリSwingと、JRuby上で動くRails「JRuby on Rails」のデモを披露した。Rubyで記述した簡単なプログラムで,Swingによるウインドウやボタンを表示。またRuby on Railsのサンプル・プログラムを動かして見せた。
「JRubyではJDBCを使えるので、JDBCがサポートする膨大な種類のDBMSにアクセスできる。またJava Enterprise Editionのエンタープライズ向けの様々な機能を利用できる」
今後の計画として,両氏は「JRuby on RailsをファーストクラスのWebアプリケーション・フレームワークに成長させて,RailsのマジックをEJBでも利用できるようにしたい」と語った。