情報処理推進機構(IPA)は2011年1月31日、プログラミング言語RubyおよびWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」の利用方法やプログラミング技法、最新動向などを遠隔からグループ学習するための教材と実習環境「Ruby研修用コンテンツ」を無償公開した。
実習環境は、IPAが提供しているインターネットを通じたオープンソースソフトウエア(OSS)実証評価環境「OSSオープン・ラボ」のサービスメニューの一つとして提供される。利用するには、OSSオープン・ラボの利用予約が必要となる。研修実施担当者が、同ラボのWebページ下部に記載されたメールアドレスあてに、予定人数や研修会場の場所と回線種別、実施予定日などを記入して申し込むことで利用できる。研修当日は、受講者ごとにラボ側で仮想OSが用意され、受講者はWebブラウザでアクセスしてコンテンツを利用する(図)。
Rubyを学びたいユーザーの目的に合わせて「Ruby利用者向けコンテンツ」と「Ruby開発者向けコンテンツ」の2種類を用意した。それぞれのコンテンツは、コース運営者用マニュアルと講義用資料を含む「研修運営者向け教材」とハンズアウト資料とグループディスカッション用ワークシート、アンケート用紙を含む「受講者向け教材」で構成される。各教材は、日本語版と英語版が用意されている。「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 2.1」で配布され、原著作者のクレジットを表示すれば複製や頒布、二次的著作物の作成が可能。
Ruby利用者向けコンテンツは、Rubyに興味を持ち学習しようと考えているユーザーやRubyを導入しようと考えている管理者や、Ruby開発の発注を考えている企業向け。簡単なアプリケーションの作成を体験することで、RubyおよびRuby on Railsの魅力や特徴を理解できるようになっている。また、Rubyの新機能を利用した技術や、クラウド環境下でのRubyの活用例などを通じてRubyを取り巻く市場動向についても学べるという。
Ruby開発者向けコンテンツは、高度なプログラミングテクニックを学びたいと考えている開発者向け。IPAでは、「具体的なアプリケーションのシステム開発を行う体験的学習を通じて、RubyおよびRuby on Railsの特徴を生かした開発スタイルを、最先端の技術要素を取り入れつつ基礎から応用まで効果的に学べる」としている。