NECは2011年4月6日、プロジェクト管理手法を2012年3月までに全社で統一すると発表した。企業や自治体向けのシステムインテグレーションを手がけるITサービスビジネスユニット(BU)で2002年から使ってきたプロジェクト管理体系「APPEAL(アピール)」をベースとする。
ITサービスBU以外にAPPEALを次の四つのBUに展開する。OSやミドルウエアなどを開発する「プラットフォームBU」、通信事業者向けにネットワークインテグレーションを手がける「キャリアネットワークBU」、放送や航空宇宙といった社会インフラを構築する「社会インフラソリューションBU」、携帯電話やパソコンを製作する「パーソナルソリューションBU」である。国内の主要子会社のほか、中国やインド、ベトナムにあるオフショア開発を担う子会社にも2012年3月までに展開する。
これまで各BUではそれぞれプロジェクト管理手法を策定していた。BUをまたがるプロジェクトが増えてきたことを背景に統一に踏み切った。APPEALは「各BUの手法と比べて最も高いレベルで体系化されていたため全社の標準に選んだ」(システム技術統括本部の池上弘之本部長)。全社展開を前に、プロジェクト管理ツールも刷新した。プロジェクトの報告書作成作業などを自動化できるため、管理作業の手間を3割削減できるという。
NECは今回の刷新により、「システムやサービス、製品の品質が向上する」(同)としている。「これまでBUによってはQCD(品質・コスト・納期)のすべてを指標化できていないケースもあった。今回、これらをすべて可視化できるため、経営層やPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)が品質改善の指示を出しやすくなる」と池上本部長は話す。