「Androidプラットフォームへの移植を可能にして、クロスデバイスの展開を推し進める」――。2011年9月15日、東京ゲームショウ2011の基調講演で「PlayStation Vitaの全貌」と題して講演したソニー・コンピュータエンタテインメントの松本吉生SVP兼第2事業部長(写真1)はクロスプラットフォーム展開を強調した。同講演で松本部長は、PlayStaton Vita(PS Vita)とAndroid端末上で同じように動作するアプリケーション(ゲーム)を作成するための開発ツール群「PlayStation Suite SDK(Software Development Kit)」のβ版の提供を2011年11月にデベロッパー向けに開始すると発表した。
このSDKを使って開発したアプリケーションは、PS VitaやAndroid搭載端末上の仮想マシンで動作し、PS VitaだけではなくAndroid搭載端末でも動作する。開発に利用するプログラミング言語はC#。このほか、ゲームを作成するための3DグラフィックライブラリやUI(ユーザーインタフェース)を作成するUIツールキットも提供するという(写真2)。
作成したアプリケーションはソニー・コンピュータエンタテインメントの審査を経てから、PlayStation Networkを利用して配信できる。リリース初期の段階では、同日に詳細が発表されたスマートフォンのXperia PLAYやこれから発売するタブレット端末のSony Tablet Sなどが対象になる予定だ。しかし、今後は対応する端末を増やす予定であり、「今後は、すでに販売されているAndroid端末でも稼働するようにクロスデバイスの展開を推し進める」(松本部長)と話した。