写真1●米シスコシステムズのジョン・チェンバースCEO
写真1●米シスコシステムズのジョン・チェンバースCEO
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写真2●IoEの概要
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写真3●広がるビジネスチャンス
写真3●広がるビジネスチャンス
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写真4●Cisco Unified Frameworkの概要
写真4●Cisco Unified Frameworkの概要
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写真5●Catalyst 6800シリーズ
写真5●Catalyst 6800シリーズ
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 「IoE(Internet of Everything)を強力に推進していく」---米シスコシステムズのジョン・チェンバースCEO(写真1)は2013年6月25日(現地時間)、米国で開催中の同社イベント「Cisco Live 2013」の基調講演で、モノや人、プロセスなど全てをネットワークでつなぎ価値を生み出していくことの重要性を強調した。

 同社が掲げるIoEとは、モノのインターネットである「IoT(Internet of Things)」を拡張したものと言える。人とプロセス、データとモノの四つの要素をネットワークで結ぶことで、より情報活用のレベルを上げようというコンセプトだ(写真2)。現状、四つの要素間の連携は「マシン対マシンが45%、人と人が31%、マシンと人が24%」(チェンバースCEO)だという。

 IoEの取り組みを進め、四つの要素をうまく連携させることで、新たなアプリケーションも生まれてくる。講演では、飲料からサプライチェーンにさかのぼり、原料の生産状態を把握するといったデモが披露された。チェンバースCEOは、「医療や教育分野など、パートナーのビジネスチャンスも大きく広がる」と、IoEのビジネス面への期待にも言及した(写真3)。

 ネットワークを中心に、こうした新たなアプリケーションを生み出すためのIT基盤が「Cisco Unified Framework」である(写真4)。「複雑になり過ぎたITインフラをシンプルにし、新しいアプリケーションの開発に求められる俊敏性や柔軟性を提供する」(チェンバースCEO)ものだ。

 Unified Frameworkは「Applications」「Platform」「Infrastructure」の三つから成り、Platformをはさむ形でAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を介して3者が連携する。「PlatformとInfrastructure間は、Cisco onePKなどのインタフェースで連携できる」(チェンバースCEO)。

 Cisco onePKは、同社のネットワーク製品で共通のAPIを利用するためのツールキットだ(関連記事)。6月25日(現地時間)に発表されたネットワークスイッチの新製品「Catalyst 6800シリーズ」(写真5)をはじめ、今後Cisco onePK対応が進むものと見られる。Unified Frameworkを中心に、アプリケーションとネットワークを連携するための基盤づくりが加速しそうだ。