前回は,"話が分からない"と言われたことがある人向けに,「上手く説明するために,どんなチェック・ポイントがあるか」を藤井と坂本の説明力を比較しながら見ていただきました。

 さて,今回も前回の続きとして,藤井に説明力についてアドバイスした際のエピソードを紹介します。今回も,“仕事に役立つ7つの科目”の「(3)説得的会話」に関するノウハウがテーマです。なお,PDFファイルで「"話が上手くない人"が説明時に受ける質問10例と原因,対策表」を用意しましたので,会社の研修,教育にご活用いただければと思います。

「話が分からない」と言われる人は,どんな質問をされているか。

芦屋:藤井,前回の打ち合わせで僕は君に「話が分からないと言われたことがあるだろう」と言った。そして,君は不満そうに「YES」と言った。

藤井:まあ,事実は事実ですので・・・

芦屋:君の話は「分かる説明」のルールを満たしていないから,「分かりにくい」と言われるんだ。ルールというのは,前回説明した「上手い説明の10のルール」だ。

上手い説明の10のルール
1.構造的に話す
2.「テーマや目的」を最初に明確に伝える
3.結論(概要)を最初に話す
4.重要なことから話す
5.重要事項を決めておく
6.事実と意見,推定は分ける
7.感情的な表現は省く
8.修飾語を必要以上に混ぜない
9.省略しすぎない
10.一歩,一歩理解させながら話す

芦屋:基本的にこれに注意すれば,最低限の「分かりやすさ」は担保できるように考えてある。これを使ってちょっと前回の君の説明と,坂本の説明を比べてみよう。