勢いには勢いで。

スーツにはスーツの道がある - GoTheDistance
スーツ側の人は業務内容が密接にプロジェクトや会社の中の話と結びつくことが多いので、はてな界隈ではなかなかスーツ側の人はスーツ側の濃ゆい話を書くことが出来ないことが多いようだ。圧倒的にスーツ側の人間がはてなを始めとしたブロゴスフィア全体で少ないなぁとつくづく思う。QAも少ないけど。この辺をアツく語るブロガー出てこないかなー。

ギークとスーツの違いは、何を身に纏っているかの違いではない。

魂に何を纏っているかの違いなのだ。


その意味で、

結局その当時のPMとパートナーさんに相談して設計からやり直した。パートナーさんの英知を借りて結果としてコード数が半分以下になり相当イケてるコードになった。今となっては英断だったと思うがその代償でほとんど土日を使い潰してしまった。コードの怖さを思い知った夏でした。

これは立派なギークの所行である。口を動かすのがスーツなら、手を動かすのがギーク。それさえわかれば、何を着てようがギークを名乗っていいしそうするべきである。スーツを着ているから、スーツな仕事をしているからギークにあらずという輩は、はっきり言ってまだギーク度が足りない。

スーツ寄りの人間が最もやらねばならないのは、人を動かすことだと思うのです。

違う。

スーツの言葉など、当のスーツすら動かせない。手の裏付けのない言葉はあまりに安い。人を動かしたかったら、まず自分の手を動かせ。手が塞がっていたら、手を動かした経験を語れ。口で語るな手で語れ。

Powerpoint1つとっても、結構ディープだよ。

だったらPowerpointについて語れ。Powerpointについて語ることについて語るのではなくて。

私の知っている最高のパワポ使いは、Damian Conway。他はこの人より二段以上劣る。もちろんギークだ。

その Damian Conway すら霞むプレゼンターと言えば、やはりSteve Jobsだろう。この人は立場上はスーツ以外の何者でもないが、ギークを率いて仕事をしている。この人はプレゼンをきちんとやりたいがために、Powerpointでは満足出来ずKeynoteを作らせてしまった。人を動かすというのはこのレベルの話なのではないか。

しかしKeynoteですら、最先端のギークたちにはまだるっこしいのかも知れない。今やオープンソース系のカンファレンスでは、Powerpointはマイノリティーですらある。プレゼンツールを自作してしまうのである。amachangsatoshiさんのように。私自身ここ2年ほどは自作だ。

スーツの基本技である、スライド作り一つとってもこの有様である。スーツを着るだけしか能がない輩に残った勝算は、ゼロである。

全然考えがまとまってないんだけど、スーツはスーツで結構奥深く多面的に色々なことを求められるのが本筋であり、スーツにはスーツのロールモデルがあって然るべきだってことが言いたいのです。スーツ着たら負けだと思いたくないのです。

スーツのロールモデルが何か?、もう言うまでもないだろう。

ギーク、である。

もう私も言葉をスーツ的に着飾るのはいいかげん飽きたし、スーツに対しても意味がないことがやっとわかったのでもうはっきり言う。ビジネスの世界で一等市民になるには、ギークになるしかない、と。ギークとスーツの関係は対立関係じゃない。上下関係だ。

スーツを身にまとっても、負けじゃない。しかしそれを魂に纏ったら、負けなのである。

晒している人こそ、強いのだから。

ギークとは、魂に纏わないもののことである。

スーツを身に纏っても、そのことさえ忘れなければ君は立派なギークなのだ。

Dan the Geek


編集部より:今回の記事は,小飼弾氏のブログ404 Blog Not Foundより編集し転載させていただきました。本連載に関するコメントおよびTrackbackは、こちらでも受け付けております。