日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は2017年9月7日、クラウドサービス「IBM Cloud」の上でPaaS(Platform as a Service)として提供するブロックチェーンサービス「IBM Blockchain Platform」を同年10月に開始すると発表した。オープンソースのブロックチェーンフレームワーク「Hyperledger Fabric 1.0」を基盤として利用する。このサービスを使うことで、ブロックチェーンを使った金融システムや取引システム、台帳管理システムといった様々なシステムを開発できる。
取引履歴と資産の状況を保存して共有する「分散台帳」、取引ルールを規定して処理を自動化する「スマート・コントラクト」、取引をシステム上で確定する「合意形成」といった機能を備える。取引の安全性を確保するための暗号機能も持つ。加えて、ブロックチェーンを活用するアイデアをすぐ形にできるアプリケーション開発環境「Hyperledger Composer」も用意する。
「エントリー」「エンタープライズ」「エンタープライズ・プラス」の3種類のプランを用意する。エンタープライズ・プランは2017年10月、エントリー・プランとエンタープライズ・プラス・プランは2017年内に提供を開始する。
エントリー・プランは実証実験向けで、コンピューターのリソースを他のユーザーと共有する形態。合意形成機能を備えていないため、複数の企業が参加するようなシステムは作れない。利用料金は1時間当たり52.5円(予定、サービス開始時に変更の可能性あり)。1カ月に換算すると約4万円になる。
エンタープライズ・プランは、本番利用を想定したプラン。合意形成機能を備えており、複数の企業が参加するコンソーシアム型のシステムを実現できる。利用料金は月額30万円から。エンタープライズ・プラス・プランはセキュリティや性能要件が厳しい業界向けで、専有環境で提供する。利用料金は未定。
同サービスは、日本を含む世界5カ国のデータセンターにある次世代Linuxサーバー「LinuxONE」でHyperledgerを動作させることで実現しているという。今後は5カ国以外の国のデータセンターでも動作させる予定だ。