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2016年10月9日  
 

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ノーベル賞受賞の大隈良典氏、日本の科学研究の将来に憂慮

人民網日本語版 2016年10月09日09:53

2016年初のノーベル賞受賞者は日本人となった。10月3日、大隈良典さんは「オートファジーのメカニズム」の新しい研究により、ノーベル医学・生理学賞を受賞した。これにより、21世紀にノーベル賞(自然科学分野)を受賞した日本人科学者(外国籍の日本人を含む)の数は17人に達した。日本の科学は雨後の筍のように次々と成果を上げているが、大隈さんは近年日本人ノーベル賞受賞者が増加していることから日本がすばらしいとみなすことはできず、むしろ日本の科学研究の空洞化などの問題が潜んでいる点を憂慮している。科技日報が伝えた。

中国科学院生物物理所の張宏研究員は大隈さんとは親しく、二人で第4回「中日細胞オートファジーセミナー」を開催したこともあるという。張研究員は取材に対して、「大隈さんは多くの極めて重要な研究を行ったが、CNS(「Cell」、「Nature」、「Science」の生物医学分野で有名な科学雑誌3誌の総称)への論文掲載を全く求めていなかった。彼はCNSに対する過度な評価体系を批判しており、CNSには多くの間違った論文もあるとしていた。論文が掲載されればそれで良く、大切なのは地道に研究をすることだと大隈さんは考えていた。今年7月、大隈さんは科学雑誌の『Developmental Cell』で、オートファジーのメカニズムに関する重要な論文を発表した。大隈さんはいつも基礎科学が医学に結びつくことの重要性を強調し、基礎研究をとても大切にしていた」と語った。

大隈さんは今月4日の記者会見で、科学研究において功績をあげることばかりに焦る現状に対する憂慮を明かした。大隈さんは日本の若い研究者が減少し、科学研究費も不足していることを素直に認めた。また、応用研究を重視する社会の現状を心配しており、科学が「役に立つ」という言葉が社会をダメにし、基礎科学の発展を妨げていると考えているという。さらに、大隈さんは、「今の日本の修士課程の学生は現実を考慮して、博士課程への進学に踏み切るのが難しくなっている。若い学生は5年、10年後のことを考えてほしい」との見方を示した。


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