「3Dプリンター銃」が米国で物議、規制推進派からは反発の声

「3Dプリンター銃」が米国で物議、規制推進派からは反発の声
3月1日、米テキサス州の非営利団体が開発した「3Dプリンター銃」が物議を醸している。写真はロイターテレビの映像から(2013年 ロイター/Reuters TV)
[1日 ロイター] 昨年12月に米コネティカット州で児童らが犠牲になった銃乱射事件をきっかけに、米国では銃規制をめぐる議論が盛んになっている。そんな中、米テキサス州の非営利団体が開発した「3Dプリンター銃」が物議を醸している。
「ディフェンス・ディストリビューテッド」は、ライフル銃AR-15のレシーバー部分の設計図を開発。設計図はダウンロードすることができ、3Dプリンターを使えばその部分の複製を作ることが可能だ。レシーバー部分が3Dプリンターで作られた銃も、本物と同じように発砲することができる。
団体の創設者コーディー・ウィルソン氏は、「デスクでプリントアウトできる武器製造のシステムを現実のものにする。コンピューターがあれば、そこで武器が作れるという仕組みだ」と語る。同氏によれば2月25日以降、AR-15だけで1万回以上のダウンロードがあったという。
だがこうした動きに反対する声もある。「3Dプリンターでプラスチック製の銃が作れるようになるのは非常に恐ろしい。銃を買う時に行われる身元調査も実施されず、精神的に重い病を抱えた人や子どもでも手に入れることができてしまう」。ニューヨークなどで銃規制の強化を訴える非営利団体の関係者は不安を募らせる。
また、プラスチック製の銃は金属探知機にも引っかからないため、安全保障面での大きな課題となると指摘する人もいる。

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