イラン大統領、「西側の経済制裁には対応できている」

イラン大統領、「西側の経済制裁には対応できている」
10月2日、イランのアハマディネジャド大統領は、西側による経済制裁で同国の石油関連収入は減少しているが、同国はこれに対応できており、中央銀行は輸入資金調達に充分な通貨を供給していると述べた。写真は9月、ニューヨークで撮影(2012年 ロイター/Brendan McDermid)
[ドバイ 2日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は2日、西側による経済制裁で同国の石油関連収入は減少しているが、同国はこれに対応できており、中央銀行は輸入資金調達に充分な通貨を供給していると述べた。
リアルの対ドル相場は2日、過去最安値を付け、リアルの価値は過去1週間で約3分の1低下した。国民はパニックに陥り、高インフレとこれ以上の通貨価値目減りを回避しようと外貨への交換を急いでいる。
アハマディネジャド大統領は記者会見で、上半期の同国輸入が260億ドルで、前年同期の290億ドルをわずかに下回ったと指摘したうえで「輸入に必要な通貨は、すべて中銀が提供している」と述べた。
大統領は、敵国が同国に「心理戦」を仕掛けているとし、「敵国は我が国の石油輸出を押し下げることに成功したが、われわれはそれを相殺できるだろう」と付け加えた。
イランの財界や一般市民からは、通貨危機の責任は政府にあるとの声がでており、議会でも反大統領派が大統領を批判している。
リアルは過去1年以上にわたって下落し続け、2011年6月以降で約3分の2の価値を失った。政府は9月24日、一部基本的品目の輸入業者にドルを供給することを目的とする「為替センター」を立ち上げたが、企業からは同センターがドル需要を満たしていないとの不満の声が上がっており、リアル相場の下落に拍車がかかっている。

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