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インテル、小型端末向けCPU「Atom」の詳細を発表

Atom(左)と対応チップセット(右)

Atomを手にするインテルの吉田社長
 インテルは、モバイルインターネット端末向けのCPU、「Atom」プロセッサーとその関連製品について、詳細を発表した。Atomプロセッサーは、インターネットの利用を主な目的とした小型端末向けのCPUで、搭載製品は今夏にも登場する予定。発表会ではNTTドコモ、UQコミュニケーションズから期待のコメントが寄せられたほか、ウィルコムからはAtom搭載製品を近日中に発表することが明らかにされた。

 インテルが3月3日に発表した「Atom」は、モバイルインターネット端末(MID:Mobile Internet Device)向け製品として提供される高性能・低消費電力が特徴のCPU。消費電力が3W以下のCPUとして世界最速の最大1.86GHzで動作し、熱設計電力(TDP)は0.65~2.4W、平均消費電力は160~220mW、アイドル時の消費電力は80~100mWにまで抑えられている。OSはWindows Vistaが動作し、Linuxにも対応。Adobe FlashやJavaScriptといったWebサイトの最新テクノロジーのサポート、高速なWebサイトの表示などを実現する。

 同社製のチップセットとセットにした展開のほかに、同社製のワイヤレス接続機能を合わせた「Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」としても展開される。

 インテルはAtom搭載製品のコンセプトを「フルインターネットを身につけて持ち運べる」と表現しており、インターネットの利用についてはパソコンと同等の環境を実現するデバイスになるとしている。

 Atomが搭載される、MIDと呼ばれるジャンルの製品については、UMPCと呼ばれる小型パソコンよりもさらに小型であるとし、「ポケットに入るサイズ」と説明されている。同社ではこの点において、ディスプレイサイズなどで必然的にUMPCよりも小型のデバイスになると予測している。ただしインテルとして、現時点で詳細な外形寸法や端末の駆動時間といった条件を規定しているわけではないという。ワイヤレス接続機能は、「Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」として含まれる機能以外にも、端末を開発する各メーカーが自由にワイヤレス機能を選択できる。


MID向けとして開発された 今夏にも搭載製品が登場する見込み

幅広いメーカーが開発 各国の通信事業者もサポートされる

開発中の端末を示し、通信機能の重要性を開設

左からインテルの吉田社長、ウィルコムの喜久川社長、NTTドコモの青山氏、UQコミュニケーションズの片岡氏
 インテル 代表取締役共同社長の吉田 和正氏は、「高いモバイルコンピューティング性能とオープンインターネットの世界がワイヤレスと融合し、2008年は新しいモバイル端末が登場する記念すべき年になる」と述べ、新しいジャンルの端末に期待を寄せるとともに、「日本の成熟したモバイルの世界をさらに加速する」と意気込んだ。

 発表会では、Atom搭載端末を開発中のメーカーとして、クラリオン、富士通、松下電器、シャープの担当者からビデオでコメントが寄せられた。その中でシャープ 情報通信事業本部 本部長の大畠 昌巳氏は、「Atomによりパフォーマンスを加えることで、新しいモバイルマシンの市場を切り開いていく」と最新の小型CPUへの期待を語った。

 また、インターネット端末として通信事業者との関わりも重要であると紹介され、壇上でNTTドコモ、UQコミュニケーションズ、ウィルコムからコメントが寄せられた。NTTドコモ プロダクト&サービス本部 ユビキタスサービス部長 の青山 幸二氏は、パソコン向けのパケット定額プランを導入したことや、HSDPA網の整備などに触れ、「Atomでモバイルブロードバンドを有効に活用してもらい、新しいユーザーが創出されることに期待したい」とコメントした。

 WiMAXを利用してサービスを開始する予定の、UQコミュニケーションズ 取締役執行役員副社長の片岡 浩一氏は、「インテルのCPUの性能を最大限に発揮するネットワークはWiMAX。今回の発表は待ちに待った内容で、いち早くサービスを開始し、インテルと連携して新たな市場を構築していきたい」とサービス開始への意気込みを述べた。

 ウィルコム 代表取締役社長の喜久川 政樹氏は、データ通信の定額制プランをいち早く導入した実績や「新つなぎ放題」といった施策を紹介したほか、インテルとの協業としてW-ZERO3シリーズの投入をアピール。Atomの製品発表時にはいち早くAtom搭載端末の投入を発表しており、「詳細は近日中、本当に近々に発表する」と述べて、Atom搭載製品の発表が近日中に行なわれることを明らかにした。

 発表会ではこのほか、開発環境を使用したデモンストレーションで「Googleマップ」がデスクトップパソコンなどと同じように使えることや、フォトビューア、ストリーミングによる動画再生がスムーズに行なえる様子などが紹介された。


既存の小型端末向けCPUと比較して性能の高さをアピール チップセットでは高性能なグラフィックス機能も提供される

インターネットの利用では、PC環境との互換性の高さを強調。グラフが高いほどエラーなどが多いことを表している ポケットに入るサイズの端末として、新たな市場の創出を狙う

デモでは、Googleマップがスムーズに利用できる様子を披露 Atomプロセッサー(左)とチップセット(右)


URL
  インテル
  http://www.intel.co.jp/

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(太田 亮三)
2008/04/02 15:09


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