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テレビタレントの仕事を辞めると決意してから2週間の感想。日々が3割ぐらい楽しくなりました

katsumakazuyo.hatenablog.com

先日お話しした通り、テレビに出るのを、特にバラエティ番組を辞めることにしました。

この問題は本当にここ数年間悩み続けていて、やっと決意がついたので、さっぱりしました。実際に辞めてから2週間弱が経っていますが、びっくりするぐらい心も晴れ晴れしたし、生産性も上がりました。

なぜ晴れ晴れしたかというと

「なるべく多くの人の好感度を上げる」

「自分がやりたいことやしたいことではなく、周りの人がこちらにしてほしいことを演じる」

という世界から一切足を洗うことができたからです。

私自身、自分ではしたいようにしかしないし、それでテレビその他の仕事がなくなればそれはそれでいいやと思ってやっていたつもりだったのですが、それでも、はじめからゼロであるということを前提に生活や仕事をするということと、多少は仕事としてくるかもしれないということを考えながら仕事をするということは、随分と違いました。

先日から物議を醸しているメルペイの話も、ブックマークにも指摘がありましたが、恐らく3週間前であれば私はこの話をブログに書いていないと思います。不快に思いながらも、わざわざそれを表明することなくスルーしていた訳です。

では、こんなに自分で悩んでいたのに、なぜテレビタレントの仕事を降りることができなかったかというと、それなりにメリットがあったからです。

最大のメリットの一つは講演料が跳ね上がることです。テレビそのものの収入もありますが、正直に話をしてしまうと、全く同じ内容の講演をしたとしても、ある程度テレビに出ている人であれば、講演料が3倍から5倍に跳ね上がります。

その理由は単純でして、単なる講師であれば講演そのものの価値しかないのですが、テレビタレントが講師をするとなると集客につながるため、それが社内講演であっても社外講演であっても、主催者が集客費用を削減できるため、その分を、講師への報酬に回すことができるからです。

私は講演はそれでも週に1回以下、地方出張に行くような講演は月に1回以下と決めていましたが、同じ労働量や準備で5倍の収入単価が手に入るのであれば、その理由がテレビ出演にあるということがわかっていますので悪い見返りとして切ることができなかったのです。

もちろん、執筆活動の方をどんどん量や質を上げて、その部分を補えばいいのですが、ここ5年ぐらいはバネ指に悩まされていて、昔ほどは勢いよくキーボードを打つことができなくなっていました。ライターさんを立てて口述筆記をしてもらって、本を書いてもいいのですが、私は自分で書く方がずっと好きなのです。

どうしてそれでは辞めることができたかというと、まずもともと昨年の5月にカミングアウトをする準備として少しずつテレビの仕事を減らしていたということがあります。

そして、減らしても大したことが起きないということもだんだん分かってきました。元々こう見えても、それほどものすごく贅沢に暮らす方ではないので、テレビと講演の仕事が合わせてゼロ円になったとしても、特に生活スタイルを変える必要も全くないということがわかりました。

次に起こったのが、iOSやAndroidを使って快適に音声入力ができるようになったということです。この方法であれば、どんなに長文を書いても全く疲れません。このブログもものすごい更新頻度になり始めたのは音声入力ができるようになってからです。

さらに、バネ指も手術をして問題なく指が動くようになったので、指で仕事をすることについても痛みがなくなりました。

加えて、以下の2冊の本を読んだ時に、私の悩みのさまざまな謎が全て解けたのです。

まずはこの本は、女性と男性に対する色々な人の印象の差について分析した本です。私が実際に会った人にものすごくよく言われることとして

「勝間さんはテレビで見るよりもずっと怖くないのですね」

ということがありました。まだまだ日本も含めた世界全体で性別に対するステレオタイプの印象はとても強く、自分の意見をしっかりと言う女性は、イコール怖いというカテゴリーになりがちだということが詳しく書いてありました。

それでは、自分の意見を言わなければいいかと言うと、今度自分の意見を言わない女性に対しては無能だと思われるそうです。実際に自分のタレント調査を見た時にも女性からよりも、特に男性からの好感度が低いということを前から悩んでいたのですが、私がどうのこうのというよりは、私が女性だということで相当、割を食っているということが何となく分かりました。

そしてこういうことを書いたとしても、それは女性ではなく、お前だからだと必ず言われることも分かっていて、それでも私はここでそのことを書きたいと思っています。

2冊目の本はこちらです。

この本は今もうベストセラーになっていますので、今更私が説明をする必要はないと思いますが、なぜテレビのようなマスメディアはさまざまな情報が誇張されたり、誤解されたり、単純化されたりするのかということについて詳しく説明がされています。

元々テレビに出始めたのも、さまざまな政策提言であるとかあるいは自分が考えてる事や今実際に悩んでる人に対して私のメッセージを本だけではなく色々な形で届けられればということで、出始めたのですが、残念ながらこの2冊のこれまでの知見や研究を総合すると、私が許容できる範囲では、私がやりたいことはできないという結論になりました。

それであれば、せっかくバネ指も治ったし、音声入力もあるのでコツコツと、活字で情報を伝えた方が良いのではないかという結論に達したのです。そして、そのことによる収入減や影響減についても私が問題なく受け入れられる範囲にあるということもわかってようやく決意がつきました。

もともと私たちの意思決定は意識でやってるようですが、実はほとんど無意識で行っており、しかも何か重大な決意をする時にはさまざまな情報や経験の蓄積の中でメリットとデメリットを自分の頭の中で秤にかけ、メリットが上回らない限りなかなか決意ができないものだと考えています。

今回の場合は私がテレビに出るメリットはほとんどないかマイナスであるということにようやく整理がついて、前に進むことができました。

そして案の定、その通りでした。

おかげさまで、毎日沢山ブログを書くこともできるようになりましたし、その結果として、ブログの日々のアクセスもタレント業を辞めると決意する前に比べると4倍から5倍になっています。

家にあったテレビでしか着ない服や履かない靴も全部処分してしまいました。

まぁ、私ぐらいの大した知名度のないタレント業をしてる人で、これだけ悩んでいた訳ですから、もっともっと有名な人達の不自由度はどれぐらいかと思います。

いずれにしても、気分がこんなに晴々するとは思いませんでした。カミングアウトの時も本当にそう思ったのですが、色々悩んでることは実際に実行してみてやってみると意外とその方がずっと良かったということがありますよね。

ただ、本人は実行できないだけではそれなりの理由がある訳で、何年かかってもいいから、その実行したいことについて無意識が醸成するように、少しずつでもいいから行動を繰り返すのが必要かなと思っています。

様々な気持ちや行動の変化は、1日にして突然出来るわけではなく、やはり何年間も色々悩んだり考えたり行ったり来たりしながら、ある日突然ブレークスルーが来るような気がします。

3000文字もの長文を最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。