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NikonのカメラにはFXフォーマット、DXフォーマットというのがあります。これがけっこうややこしいので、今日はこれらについて少し書いてみます。
FX・DXフォーマットとは
カメラにはいろんなセンサーのサイズがある
D610 – 製品特長 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージング
カメラの中にはセンサーというのが入っています。これは要はフィルムの代わりみたいなもんでカメラレンズから取り込んだ光を記録することができるんですね。
んで、このセンサーなんですが、実はある程度その大きさの規格が決まっています。ざっくりだけどね。
そのセンサーの大きさがどう影響するのか?おおざっぱに説明するとセンサーがデカいほうがキレイな写真が撮りやすいんです。以下にセンサーサイズの違いなんかをまとめているんで、参考にしてみてください。
んで、そのセンサーのサイズなんですが、現在発売されている一眼レフでは大きく2つのものが採用されています。センサーの大きさの呼び方はフィルム時代の名残があったりするのでちょっとわかりにくいんですが、まあ、そんなもんと諦めて暗記しましょう。
35mmフルサイズ
ひとつは35mmフルサイズという大きさ。これは、フィルム時代にもっとも普及していたものの名残ですね。フィルムの幅が35mmだったことからきていますが、もう今の時代フィルムすら見たことないって人少なくないよね。なので、いまやその名前にぜんぜん意味ないんですが、まあそんなもんと諦めて暗記してください。
その35mmフィルムとおんなじ大きさの面積のセンサーだから35mmフルサイズっていうのだけ覚えておきましょ。
APS-C
突然のアルファベット表記にビックリですよね。これアドバンスト(Advanced )フォト(Photo)システム(System)の略語なんです。んで、そのアドバンストフォトシステムってなんなんだってことですよね。これもフィルムの規格のひとつだったんですが、うん、まああれなんだ、パッとしなくてね。わりと早々に消えてしまった規格なんです。
そんで疑問になるじゃないですか。何?Cって?
これ、現像時に縦横比を変えてプリントできたみたいなんですね。この縦横比が3種類あって、そんなかのCっていう縦横比の種類のことなんです。ちなみに蛇足ですがH(ハイビジョン9:16)C(クラッシック2:3)P(パノラマ1:3)ってのがあったみたいですよ。ややこしくなるので今日は覚えなくて大丈夫ダヨー。
こちらも35mmフルサイズといっしょで、APS-Cフィルムと同じ面積のセンサーだからAPS-Cって呼んでるんです。ややこしいでしょ?
いくら面積のサイズが同じだからといって、なぜほとんど広まりもしなかったフィルムの規格の名前をデジタルに持ってくるのか問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
まあ、カメラ用語ってこういうよくわからない由来の言葉がたくさんあったりするので諦めて暗記しましょう。
Nikon「ワイはFXとDXって呼ぶことにするで」
ということで、何故かデジタルのカメラにフィルム由来の言葉を持ってきてわけわなくなっている所にさらにNikonさんは、ある2つの名前を付けました。
35mmフルサイズのセンサーサイズの一眼レフカメラの事を「FXフォーマット」
APS-Cのセンサーサイズの一眼レフの事を「DXフォーマット」と。
なるほど、すでに形骸化してしまっているフィルム由来のセンサーの名称を使うのでは、ユーザーが混乱してしまいますからね。さすがです、Nikonパイセン。ですけどね、パイセン。
ぶっちゃけ余計わからなくなります、Nikonパイセン!!こういうのは業界で統一してください、パイセン!!!!
だいたいパイセンはこういうの多いんすよ!マクロをマイクロって呼んだり、1インチミラーレスカメラのことをレンズ交換式アドバンストカメラとか呼んだり!ひとりのユーザーとしてはそういうとこ大好きなんですけど後輩がついてこれないっす!!
話がそれましたね。
というわけで、なんかAPS-CやらフルサイズやらFXやらDXやらと言葉がたくさんあって迷いがちですが
フルサイズ=FXフォーマット
APS-C=DXフォーマット
と覚えましょう。ここ試験にでるからね。
僕の、私の持ってるカメラはFXかしら、DXかしら!?というかたのために、現在Nikonから発売されているFX機、DX機をまとめてるので読んでみてください。フルサイズのまとめがFX。APS-CのまとめがDXですね。
[blogcard url=”https://logcamera.com/nikon-itigan-full/″]
[blogcard url=”https://logcamera.com/nikon-itigan-apsc/″]
また、このまとめに載っていない昔のカメラは手持ちの説明書を見てセンサーサイズの大きさを調べてみましょう。約36mm×24mmがFX、約24mm×16mmがDXです。このへんセンサーによって若干大きさが違うのですが、だいたいこれくらいと思っていただいてOKです。
カメラのマークで見分ける
カメラのボディで見分ける方法もあります。
カメラボディに「FX」のマークがあるのがFXフォーマット。
カメラボディに「DX」のマークが無いのがDXフォーマット。
なんで!どっちにも!!つけとかないの!!!
FXレンズ・DXレンズ
ボディ側にFX・DXがあるように、実はレンズ側にもFXフォーマット対応レンズ・DXフォーマット対応レンズというやつがあります。
とりあえず見分け方
FXレンズには「FX」の文字がありません。
DXレンズには「DX」のマークがついています。
もう1回言っていい?
なんで!どっちにも!!つけとかないの!!!
そんでもって!!!なんでマークの付け方がボディと逆なの!!!!
もう、このへんはこんなものだと思って、諦めて暗記しましょう。今日は覚えることがいっぱいあるなー。
先に結論、どのボディにもどのレンズが付けられる
カメラのボディにレンズをとりつける穴のことをマウントと呼ぶんですが、FXもDXもマウントのサイズが同じになっています。ついでにいうとNikonさんは50年くらいずっとこのマウントの大きさにしているので、基本つけようと思ったらこれまで発売されたNikonのレンズは装着できます。ゴイスー。
DXフォーマット対応レンズ、なんて書いてあるからDXフォーマット機にしかつけられないの?と思うかたもいるかもしれませんが、FX機にも付けられます。大丈夫。逆もしかり。
ただし、一個注意が必要なんですが別々のフォーマットの組み合わせにすると「写る範囲が変わってきます。」
FXとDXの組み合わせでは写る範囲の違いにちょっと注意
やっとFX・DXフォーマットのことを覚えたと思ったのにもうちょいややこしくなるのがここからなんですが、なるべくわかりやすく解説しようと思うのでちょっとガマンして読んでくださいね。
FXでもDXでも、マウント径が同じなので、Nikonのレンズはどのカメラにも取り付けることができます。
しかし、同じ焦点距離のレンズではFX機とDX機では写る範囲が変わってきます。
FXとDXはセンサーの大きさが違うので写る範囲が変わる
フルサイズとAPS-Cというのはけっこうセンサーの大きさが違います。
大きさが違うということは写る範囲が変わってくるんですね。詳しくはこちらを参照してみてください。
初めて単焦点レンズを購入する人は要注意!50mmは標準レンズじゃないぞーい! – ログカメラ
同じ焦点距離のレンズを装着したとき、センサーが小さいと写る範囲が小さくなっているのがわかるでしょうか?
例えば同じ50mmのレンズ撮影した場合。
これはFX(フルサイズ)で撮影した写真です。きちんとダンボーが全身まで写っています。
これをDX(APS-C)で撮影するとこんな感じ。ね?ちょっと写る範囲が狭くなるでしょ?
同じレンズでもFXとDXでは写る範囲が変わるということを覚えておきましょう。
35mm換算
35mm換算という言葉があります。
例えばDX機に50mmのレンズをつけた時に写る範囲はFX機に75mmをつけた時と同じになります。これ、計算式があるので覚えておきましょう。
APS-Cの焦点距離×1.5=フルサイズの焦点距離
さっきの例で言うと、(APS-C)50mm×1.5=(フルサイズ)75mm、ということになりますね。
APS-C機で撮った50mmとフルサイズ機 で撮った75mmの写る範囲は同じになります。
FXとDXの互換性や写る範囲はどうなるの?
FXとDX、それぞれボディとレンズがあります。前述しましたが、NikonはFマウントという同じマウントの穴の大きさなのでそれぞれつけることができますが、センサーサイズやイメージサークルが違うのでちょっと写る範囲だったり、周辺がクロップされたりします。詳しくはこちらをごらんください。
APS-C機用のレンズをフルサイズ機につけると、どうなる?互換性や焦点距離は?? – ログカメラ
実際に撮ってみよう
さきほどの記事をご覧いただいてからのほうが理解しやすいと思いますが、理屈ばかりこねてても前に進まないので撮りあえず撮ってみましょう。
50mmの焦点距離のレンズを使用したとして、それぞれ
- FXカメラ×FXレンズ
- FXカメラ×DXレンズ
- DXカメラ×FXレンズ
- DXカメラ×DXレンズ
の4パターンを撮影してみます。
赤色の線がフルサイズ(FX)センサー、緑色の線がAPS-C(DX)センサーだと思ってください。
FXカメラ×FXレンズ FXカメラ×DXレンズ
まずはFXカメラから行きましょう。ちょっと小さいのですがクリックすると大きくなります。
※クリックで拡大
FXカメラ×FXレンズ
まずはFXカメラ×FXレンズの組み合わせ。
これはまあ、問題ないですよね。フルサイズセンサーいっぱいに、写真が撮影されています。
FXカメラ×DXレンズ
FXカメラにDXレンズをつけた場合。DXレンズはイメージサークルが小さいのでフルサイズのセンサーの範囲めいっぱいに写すと周辺がケラれてしまいます。ですので、最近の機種では自動的に不鮮明にケラレてしまう部分をクロップし、DXレンズ本来の写す範囲になるようにしてくれます。
とはいえ、クロップしているので若干画素数が減ってしまいます。
DXカメラ×FXレンズ DXカメラ×DXレンズ
今度はDXカメラにそれぞれのレンズをつけて撮ってみましょう。FXカメラよりもセンサーが小さいという点を押さえておきましょう。
※クリックで拡大
DXカメラ×FXレンズ
FXレンズはDXカメラのセンサー(APS-C)よりイメージサークルが大きくなっています。まわりの暗くなっている部分、レンズ自体に光は入ってきているのですが、センサーがそこまで大きくないので実際は写りません。
ということで、さきほどの35mm換算のところでもやったように、FXカメラで撮影するより写る範囲が狭くなります。
DXカメラ×DXレンズ
DXカメラとDXレンズの組み合わせも、そのまんまですね。センサーのサイズにあったイメージサークルになっています。
ちょっと並べてみる
※クリックで拡大
それぞれの結果を並べてみましょう。FXカメラ×FXレンズは写せる範囲が広いですね。35mm換算というのがなんとなく理解できるんじゃないでしょうか。
- 同じ焦点距離の場合、FXのほうがDXより広く写る
- どの場合でも、DXが組み合わさると写る範囲が狭くなる
- FXカメラとDXレンズのみ画素数が低下する。他は画素数はそのまま
- FXのほうが画質はいい(はず)
といったところがポイントでしょうか。FXのほうがセンサーが大きく写りはいいはずですので、例え画素数が低下していても階調性や高感度の性能はいいと思います。
※クリックで拡大
こちらは実際カメラ内でどんなことをやっているか。
- FXカメラ×DXレンズ→DXレンズのイメージサークルが小さいので周辺をクロップ
- DXカメラ×FXレンズ→FXレンズのイメージサークルは大きいけど、DXカメラのセンサーが小さいので写らない
といったところがポイントかな。
なんとなく、FXとDXの組み合わせにするとどうなるかつかめたでしょうか?
まとめ
多くのかたが初めて手にするカメラってDXフォーマットのカメラだと思うんですよね。
実際、それぞれ撮り比べてみると理解しやすいんですが、なかなかそれぞれのカメラとレンズを扱う機会もありませんからね。少しでも「ああ、こんな感じなのかな?」と思っていただければ幸いです。
このへんなんとなくでも理解しておくと、実際にカメラやレンズに触ってみたとき理解が早いかと思います。
いつかはフルサイズ!というかたもいるかと思います。レンズ購入の計画を立てる時の参考になれば嬉しいです。