超簡易版だからものすごい手抜きの説明だよ。下の画像のらくがきは、見出し番号と対応しているよ。
1. ステータス
文書*1のステータスは何段階かあるよ。少し詳しい説明はW3C勧告プロセスの概要を見てね。「W3C Recommendation」がW3C勧告、「W3C Working Group Note」がW3Cノートと呼ばれるもので、この2つはその時点で確定した文書だよ。それ以外のステータスは作成途中のものだよ。勧告とノートを比較する場合、勧告の方が優先されるべき文書だよ。多くの文書で「Status of This document」の最後に"This document is governed by the 14 October 2005 W3C Process Document. "みたいな形でどのW3Cプロセスで作成されているかがわかるよ。正規のW3C文書はhttp://www.w3.org/TR/以下のURLにあるよ。これ以外で始まるURLは、翻訳かコピーだよ。ブログと同じく、文書が書かれた日付には気をつけようね。
2. 規範部分
たとえば、HTML5仕様(日本語訳)2.2節には次のことが書かれてるよ。
この仕様において、すべての図、例、注は非規範的であり、非規範的と明示された節も同様である。この仕様におけるその他すべては規範的である。
2.2 適合性要件 — HTML5 日本語訳
図や例、注はあくまでわかりやすさを促すための参考情報だよ。
3. RFC2119キーワード
同じく前に挙げた節の続きにはこう書かれているよ。
この文書の規範部分においてキーワード"MUST"、"MUST NOT"、"REQUIRED"、"SHOULD"、"SHOULD NOT"、"MAY"、"OPTIONAL"は、RFC 2119で示されたとおりに解釈される。この文書の規範部分でのキーワード"OPTIONALLY"は、"MAY"または"OPTIONAL"としての意味と同一に解釈される。読みやすさのために、これらの単語は本仕様において大文字のみで出現しない。
2.2 適合性要件 — HTML5 日本語訳
RFC 2119の参考日本語訳はRFC において要請の程度を示すために用いるキーワードにあるよ。助動詞といくつかの英単語はW3C文書のみならず、ウェブ関連仕様を読む上でとても重要だよ。
4. エラッタ
文書は人間が書くものだから、時には誤りがあるよ。「errata」のリンクをクリックすると、訂正があるかどうかが見られるよ。
5. 翻訳
有志の人が翻訳を公開していることがあるよ。W3C仕様の場合、W3Cに登録されているならば「translations」のリンクから辿ることができるよ。W3Cノートや策定中の仕様はこのリンクが無いから、検索するともしかすると目当てのW3C文書の日本語訳が見つかるかもしれないよ。ちなみに、翻訳はあくまでも参考情報であって、正式版の文書は英語だけだよ。
6. ワーキンググループ
W3Cはたくさんのワーキンググループがあるよ。たとえばHTMLとその関連文書はHTML Working Groupが、CSSとその関連文書はCSS Working Groupが文書の策定や管理をしているよ。おしごとでウェブページ作成に携わっているなら、この2つのワーキンググループは覚えておこうね。そのW3C文書がどのワーキンググループが策定しているかは「Status of This document」に記載されているよ。W3Cにはコミュニティーグループというグループもあるけれども、W3C勧告を策定できるのはワーキンググループだけだよ。
7. メーリングリストとコメント先
特に策定中のW3C文書に対してコメントがある場合は、英語でコメントを送ることができるよ。送り先は「Status of This document」に記載されているメーリングリストのメールアドレスだよ。特にCSS Working Groupのメーリングリストwww-style@w3.orgは全てのモジュールが同じアドレスで議論されていて、とても活発なメーリングリストだよ。
終わりだよ~
*1:ここではTechnical Reportのことを言ってるよ