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チャグチャグ馬コの保存継承プロジェクト今年も 伝統守るため定期的な支援を

2024年に行われたチャグチャグ馬コ

2024年に行われたチャグチャグ馬コ

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 「チャグチャグ馬コ(うまっこ)保存会」が現在、伝統行事「チャグチャグ馬コ」の保存継承を目的としたプロジェクトに取り組んでいる。

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 チャグチャグ馬コは、色とりどりの衣装を身に着けた農用馬が、滝沢市の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社から盛岡市の盛岡八幡宮までの約14キロを行進する行事。人間と共に農業を行う農用馬の勤労への感謝といたわりの気持ちを込め、無病息災を願って鬼越蒼前神社を参詣していた文化がルーツで、現在は毎年6月の第2土曜に開催し、岩手の初夏の風物詩として親しまれている。

 2023年には過去最高となる観客が訪れた一方、装束を身に着けて参加する「装束馬」の頭数は年々減少。ピーク時の1990(平成2)年には102頭だったが、2024年は60頭だった。頭数減少の背景には、農用馬の飼育にかかる費用の高騰や後継者不足があり、馬の参加頭数や飼育頭数が減ることで、馬を扱う技術や装束を作る技術の継承にも課題を抱えている。

 そこで、同行事の振興や保存に取り組むチャグチャグ馬コ保存会は昨年、行事の保存継承を目的にしたプロジェクトを立ち上げた。行事に参加する馬主などで構成する「南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会」による技術継承と農用馬の活用への支援を目的にしたクラウドファンディングを初めて行ったほか、新たにウェブサイトを開設して情報発信も強化している。

 定期的な支援が必要であることから、今年もクラウドファンディングを実施。昨年は1カ月ほどの短期間だったため、今年は時期を見直して約3カ月に延長。返礼品の種類も増やし、チャグチャグ馬コをモチーフにした文具やランチバック、Tシャツ、チャグチャグ馬コの馬ふん堆肥を使って育てたコメ、装束作りの技術を使った革小物、行進行事への参加権などを用意している。

 開始から約1カ月で、目標金額の50%を達成。昨年を上回る支援者と支援金が集まった。チャグチャグ馬コ保存会事務局を務める盛岡市観光課の担当者は「農業に馬が用いられなくなった現代では、馬を育てるための費用負担は大きく、馬主の高齢化も進んでいて若い後継者もいない。馬をいたわるための行事と地域に根付く馬事文化を守るために、まずはチャグチャグ馬コの現状を知ってもらいたい」と呼びかける。

 クラウドファンディングは2月27日まで。1口1,000円から。集まった支援金は行事に参加する馬主への奨励金や、新たに農用場を飼う人への資金援助などに充てる。

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