ライバルには教えたくない本日の特選アプリ

定型文入力や頻繁なコピペに便利なフリーソフト「CLCL」

 筆者のように原稿執筆の場合もそうだが、文書を作成する際に、いろいろな文書のデータを参照し、貼り付けていくことはよくあるだろう。しかし、クリップボードは直近のアイテムしか記憶しないので、Ctrl+Cなどで別の情報をコピーすると、その直前のデータはクリップボードから失われ、場合によっては再度ペーストするために、既に閉じてしまった別のアプリ/ウインドウを開き直し、コピー作業を繰り返す必要がある。

 そこで筆者が愛用しているのが「CLCL」(クルクル)だ。CLCLは、クリップボードを拡張し、コピー&ペーストの効率を引き上げてくれるWindows用のフリーソフトだ。本ソフトをPCや機器にインストールして販売するのでなければ、業務での利用も可能となっている。

 インストールは、サイトからプログラムをダウンロードし実行するだけ(インストーラ版の場合)。特に難しいことはない。ただし、本ソフトを常に活用するには、スタートアップに登録して、自動的に起動するようにしておいた方がいいだろう。

 Windows 8/10なら、まず

C:\Program Files (x86)\CLCL\CLCL.exe

のアイコンを右クリックしショートカットを作成。それを

C:\Users\%ユーザー名%\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup

フォルダに移動する。

 これで準備は完了。CLCL.exeを起動すると、通知領域にクリップ型アイコンが追加される。あとは、Ctrl+Cなどでコピーを行なうと、30個までのクリップボード履歴が自動的に保存される。Alt+Cを押すと、CLCLの履歴ウインドウが表示されるので、ペーストしたいものを選ぶ。アイテムはテキストだけでなく、ファイルやBMP画像も扱うことができる。

Alt+CでCLCLを呼び出したところ。標準で30件までのクリップボード履歴を参照でき、任意のものをペーストできる

 これだけでも、頻繁にコピー&ペーストを行なうユーザーには便利だが、もう1つ便利なのが、定型アイテムの登録機能だ。通知領域のCLCLのアイコンを右クリックするとCLCLのビューワが開く。左ペインの「登録アイテム」を選択して、任意のデータをコピーすると、登録アイテムとして保存される。

 筆者の場合、記事を作成する際に、記事登録システム用の特殊なマークアップを記述するのだが、細かいところまで覚えるのは大変なので、頻繁に使うものを登録している。一般的文章の場合でも、定型文入力の際に便利だ。これも、Alt+Cのウインドウから呼び出せる。

CLCLのビューワを開いたところ。登録アイテムにアイテムをペーストしておけば、いつでも呼び出せるので定型文入力に便利
CLCLの登録アイテムをマウスオーバーすると、内容が表示される

 基本的に特にカスタマイズせずとも便利に使えるが、オプションでは履歴件数や呼び出すショートカットキーを始め、かなり細かい挙動を設定できるので、PCには詳しくない人から上級者まで便利に使いこなせるだろう。

設定メニューの一部。かなり細かいところまで設定できる

(若杉 紀彦)