薄型テレビで「フルHDパネル」とは、一般的に水平1920×垂直1080ピクセルの解像度を備えたパネルを指す。この数値はハイビジョン放送(1080i/1125i)に対応したものであり、「フルHD」を名乗るパネルを搭載したテレビならば、ハイビジョン放送を放送そのままのクオリティで楽しめることを意味する。
2004年を過ぎたあたりからフルHD対応をうたう薄型テレビは販売されていたが、当時は中心価格帯が100万円前後と高価であり庶民にとっては高嶺の花。しかもパネルサイズは軒並み40インチ以上で、設置場所も限られていた。しかし、近年では対応製品の低価格化も進んだことでフルHD対応テレビも一般的な存在となりつつあるほか、シャープ「AQUOS Gシリーズ」など32V型というサイズながらフルHDを実現した製品も表れている。
薄型テレビにおける高画質化の第1波ともいえるフルHDだが、すでに「4K2K」という第2波の到来が見込まれている。
4K2Kとは、4000×2000(1K=1000)ピクセル以上の解像度のこと(現在のフルHDの4倍、4098×2160ピクセルを「4K2K」と称する場合もある)。現行のハイビジョン放送(1080i/1125i)を大幅に上回る解像度であり、総画素数はフルHDの4倍以上だ。画素数だけでいえば、完全に現行放送を上回るオーバースペックといえる。
しかし、4K2Kに期待する声は大きい。というのも、映像情報と画素が1対1の関係にあるフルHDの場合、解像感の高いクッキリした描画を得られる一方、輪郭の滑らかさが足りなく感じることがある。映像情報を補正して輪郭を滑らかにしようとすれば、ソースより画素数が多いパネルのほうがベターだからだ(関連記事 本田雅一のTV Style:CESで見えてきた“4K2K”の可能性)。
その4K2Kに対応するデバイスだが、現在のところ普及価格帯には存在しない。1月に開催されたInternational CESでは、パナソニックが4K2K対応の150インチPDPを発表したが、製品化は来年以降となる見込み。ソニーはデジタルシネマ上映システムを発売しているが、価格はビックリの1500万円より(もちろん業務用だが……)。
家庭に4K2Kという「高画質化第2の波」が到来するのは、まだ先のことだろう。
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