ウィルコム、シャープ、マイクロソフトは10月20日に発表会を行い、W-SIM(7月7日の記事参照)に対応した端末「W-ZERO3」を発表した(10月20日の記事参照)。
ウィルコム社長の八剱洋一郎氏は、W-ZERO3の名の由来を、「Willcom」「Windows」「Wireless」のW、「ゼロからの新しいツールを作っていこう」という意味のZERO、「携帯でもPCでもない第3のツール」「PHSの音声通話、データ通信、無線LANの3ウェイのコミュニケーション」という意味の3を合わせたものと説明。ウィルコムが“携帯ユーザーの約3割いる多機能希求派ユーザー”(八剱氏)にターゲットを絞った商品だけに、W-ZERO3は非常に多機能だ。どんな端末なのかを紹介していこう。
本体は、解像度640×480ピクセル(VGA相当)、3.7インチのモバイルASV液晶を中央に配置。シャープ製PDA「Zaurus」を思わせる、縦長のデザインとなっている。タッチパネルなので、付属のスタイラスで操作できるほか、スライド式のQWERTYキーボードを露出させると画面が切り替わり、横長の画面で利用できる。
W-SIMモジュールの機能であるPHS音声通話、PHSデータ通信機能に加え、無線LAN機能(IEEE 802.11b)も利用できるのも特徴だ。IP電話用ソフト「Skype」が利用できる見込みであるほか、SIPサーバのIP電話端末として利用する、企業用内線「PASSAGE DUPLE」(2月7日の記事参照)のような使い方についても検証中だとした。
なおウィルコムでは公衆無線LANとしてNTTコミュニケーションズの「ホットスポット」を利用できるプランを開始する(10月20日の記事参照)。「自宅や会社など複数の無線LAN設定を保存し、適宜呼び出せる。ホットスポットでのID、パスワードなどを管理し、ユーザーが面倒なくホットスポットを利用できるソフトも提供予定」(説明員)
W-ZERO3のOSには、モバイルデバイス向けWindowsの最新バージョンである「Windows Mobile 5.0 日本語版」が採用されている。愛・地球博で利用された「愛・MATE」などの例はあるが、市販される携帯電話端末としては初の搭載となる。
Webブラウザは「Internet Explorer Mobile」、日本語入力は「MS-IME」など、基本的なソフトウェアは、Windows Mobileの標準仕様になっている。Windows Mobile 5.0 日本語版はPDA向けのOSで、SmartPhoneに関する仕様は含まれていない。そのためW-ZERO3では、音声通話機能やアドレス帳などのPHSとしての機能は、シャープが開発したWindows Mobile用ソフトを使って実現している。
PCとの連携機能の充実は、W-ZERO3の大きな特徴の1つだ。Word、Excel、PowerPoint、PDFファイルが閲覧でき、Word/Excelファイルは編集もできる。
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